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私の読書●小説家志望の読書日記㉘ドストエフスキー『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』
「『罪と罰』を読まない」という本がちょっと話題になっているようである。
私は4人の作家のその「読書会」は読んでいないが、ある意味、ドストエフスキーを読まない方がよかったと思うときもある。
なぜか。
あまりにも面白すぎて、他の小説が色あせて、ほどほどにしか楽しめないのである。
ドストエフスキーのとりわけ『罪と罰』と『カラマーゾフの兄弟』。
この2つを読んだら、これ以上面白い小説は読めないという悲しい諦観が来てしまう。
若いころ、面白すぎて夜を徹して読んで以来、何度も読み返した。
何度読んでも面白い。
生まれてきてよかったと心底思った。
けれど、あまりに最高峰すぎて、それ以上のものに出会えないのである。
これは、ぜいたくすぎる淋しさである。
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