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老いたら、どんな見栄を張りますか?(小原信治)
人は生まれて来る場所を選ぶことができない
人は生まれて来る場所を選ぶことができない。親も、時代も、食べるものも、自分では何ひとつ選ぶことができない。その理不尽を受け入れるのか、抗うのか。そこでの選択のひとつ1つが人生の大きな岐路となっていく———なんて書くとたいそうな話に聞こえるかもしれないけど、誰もが当たり前にやっていることだ。僕も、藤村くんも、これを読んで下さっているあなたも。すべてを受け入れている人もまた、受け入れることによって別の可能性を遠ざけている。
マンモス団地ベイビーズ
東京の目黒区で生まれた僕は1歳になる前に両親とともに移り住んだ神奈川県大和市の上和田団地という公団住宅で育った。今回のアーカイブ(『渋谷のラジオの学校』2019年6月5日放送分)で話していた米軍基地のある町だ。
「日本は1951年に独立しました」という社会科教師の声が5分に一度校舎の上を飛ぶ米軍機の爆音で掻き消される。3分に一度は東海道新幹線の爆音で窓ガラスが軋む。80年代の半ばから次々とチェーン店が立ち並んだ街道を珍祖走団の爆音で気が狂いそうになる。アメリカの庇護下で進められた高度経済成長の郊外への波及とその副作用を絵に描いたような町だった。
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