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老いて夢中になれそうなことありますか?(小原信治)
我に返るスキマを埋めろ
夢中になれることがあった方がいい、とつくづく思う。老いていく自分。枯れていく自分。社会における立ち位置だって若い頃とは違ってくる。目を背けたくなることも増えてくる。老眼が進むのは見るべきものじゃないことを見なくて済むようにという心の防御反応なんじゃないかとすら思う。我を忘れることが必要だ。そして、我を忘れるためには物事に熱中することだ。気力と体力が充実し、世界タイトルという目標に向かっていた時の矢吹丈には、その身体を蝕むパンチドランカーの症状が表面化しなかったように。
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