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赤身魚、赤ワイン、真っ赤な嘘。老いて嗜みたい‘赤’は何ですか?(小原信治)

本当に美味しいのは口を真っ赤にして食べるナポリタン

 藤村くんからのお題が届いたのは、娘のランチ用にナポリタンを炒めているときだった。ナポリタンは僕の数少ない得意料理だ。レシピは19の春にバイトしていたプールBAR(ビリヤード代があるBARだ)のフードメニュー。ピーマンとタマネギとベーコンを鉄製のフライパンでよく炒めて、塩・胡椒にマッシュルームを放り込む。ケチャップを入れてさらに炒め、冷蔵しておいたゆで麺をサラダ油をひと回しかけてほぐしてから放り込み、追いケチャップでまた炒める。香ばしい匂いがしてきたら完成だ。

 ビリヤードに興じている客テーブルに空いた皿を下げにいくと、そこにはいつも赤く染まった紙ナプキンが載っている。口の周りを真っ赤にして食べたのが一目瞭然。これが美味しいナポリタンの印だと僕は勝手に思っている。食べた後に紙ナプキンが真っ赤に染まらないナポリタンなんてナポリタンじゃない。

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