草の根広告社/秋谷日記(ニコニコチャンネル復旧までの臨時更新)
一部ニュース等でも取り上げられております通り、
2015年より草の根広告社を月水金配信させて頂いておりますニコニコは
大規模なサイバー攻撃を受けており、
サービスを一時的に停止しております。
そのため、今週月水金に予定しておりました配信については、
ニコニコ側で復旧の目途が立つまでは
こちらでの公開とさせていただきたく、ご理解のほど、お願いいたします。
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「てんつくてん」
海辺の町に笛と太鼓の音色が響き渡る。7月の夏祭りに向けたお囃子の練習だ。例年は海辺や家で聞いていたその音色を今年は練習場所となっている町内会館の中で聞いていた。
てんつくてん
どんどこどん
町の子供会に入っている娘が今年から練習に参加し始めたからだ。近年は少子化で音源を流す町も少なくないと聞くけれど、ここではまだ子供たちが生演奏でお囃子という伝統を受け継いでいる。町では子供たちの多くが御神輿の担ぎ手か、お囃子の演奏者のどちらかで祭りに参加する。下は小学校低学年から上は大学生まで。みんな積極的だ。
てんつくてん
どんどこどん
夏祭りはこの町で暮らす子供たちにとっての一大イベントであり、活躍の場でもあるのだ。若い男の子たちが神輿を担いで海に入っていくクライマックスに女の子たちが黄色い声を上げる。
「この町は神輿を担ぐ男がモテるんだよ」
この町で生まれ育った方にその話を聞いたときはカルチャーショックだった。いいなと思った。歴史のないベッドタウン育ちの自分もそういう町で育ったら今とはまるで違う人生だったような気がしてならない。
てんつくてん
どんどこどん
娘も大勢の子供たちと真剣な顔で太鼓を叩き続けている。ループし続けるリズムにアドリプみたいな笛の音が蛇のように絡んでいく。少しずつビートが早くなっているようだ。同じリズムをひたすら繰り返すうちにトランス状態に入っているようにも見える。振り返ると町内会館の窓の向こうで夕暮れの相模湾が煌めいていた。
てんつくてん
どんどこどん
あぁ、娘はこの町の子供なんだな、とつくづく羨ましかった。