【PP】Stella Jang『STELLA Ⅰ』を聴いたよ。
久しぶりに、現在ハマり中の音楽についてお話したいなあと思いましてですね。今回ご紹介するのはコチラ。
ということで、韓国の女性シンガーソングライター、Stella Jangさんのニューアルバム。日本語だと、「ステラ・チャン」という発音になるのかな?
僕はあまりこう、韓国の音楽事情に詳しいわけではないんですけども、たまたま聴いた前作「Colors」に大ハマリしまして、新譜が出ないかなあ、なんて思っていたところに、最近、アルバム「STELLA Ⅰ」が出たわけなんですよ。すぐさま買いまして、最近はもっぱら執筆のお供になって頂いております。「ファーストアルバム」と書かれていたので、「Colors」はミニアルバム扱いで、今回初のフルアルバムという位置づけなのかもしれません。
Stella Jangさん、韓国生まれフランス育ちということで、音楽もジャンルが面白いんですよね。K-POPぽいラップもありつつ、しっとりしたバラードも歌えるし、フレンチポップぽい優しい歌も。曲ごとにがらっと雰囲気が変わるので、それもまた聴いていて楽しいです。
「STELLA Ⅰ」まず特筆すべきは、一曲目「Go Your Way」。前作「Colors」の一曲目もそうだったんですが、リズム、ベース音、コーラス、主旋律をすべてアカペラだけで作っている曲。と言うと、そこまで珍しい感じもないと思うんですけども、たぶん音源を聞くだけじゃすごさが伝わらないと思うんですよ。ということで、実際に動画を見て頂きたい。
これはエド・シーランのカバー(みんなだいすきShape of you)なんですけども、8小節ループのサンプラー(所謂ルーパーペダルというもの)を使って、リアルタイムで音を自分で作りながらライブで歌うという技を披露しております。言葉で説明しても意味わからんと思うんですけども。
リズムは、自分の体を叩く音と、フィンガースナップの音をサンプリング。そこに、いきなり声でベース音入れるんですけど、寸分の狂いなくキーがばっちり。コーラスパートを入れたらそのまま普通に歌い出し。サビの部分は一回目に主旋律をサンプリングして、二度目はハモリを乗せる。エド・シーランも同じスタイルでギターやコーラスをリアルタイムサンプリングして演奏しますけど、彼女は楽器無し。声やスナップ、クラップだけでやってしまうんですね。ヒューマンビートボックスなんかは結構こういうスタイルの人もいると思うんですけど、そうじゃない「セルフ全演奏」は珍しいなあ、と思いました。
「Go Your Way」も同じ手法で作られているようです。ハンパねえ。
と、このアルバム、一発目からとんでもない曲がさらっと入ってくるのですよね。
前作「Colors」は、わりとHIPHOPなんかもフィーチャーされてたんですけども、今回の「STELLA Ⅰ」は、全体的に歌唱メイン、バラード曲多めの構成になっておりました。フレンチポップとか、80年代っぽい要素なんかもあって、なんか知らんけど、韓国語も全くわからないんですけど、懐かしい感じがするんですよ。たぶん、他の曲やPVでも80年代とか、それ以前の「レトロポップ感」みたいなものをフィーチャーしているので、ご本人も意識してやってるんだろうなあ、と思いました。
いろんな要素を詰め込んだ優しいポップス、という点では、ノラ・ジョーンズとか好きな人にもいいんじゃないかしら。なかなか日本では見かけないスタイルなので、日本で言うとこの人!というのが例えづらい。でも、邦楽しか聞いたことない、という人にも受け入れられる音楽性じゃないかなあと思います。
僕は今回、11曲目に入っていた「Forgive,Forget」がお気に入り。まるでミュージカルのワンシーンのような、切ないながらも救いに満ち溢れた曲。寝る前に聞くと熟睡できそうです。
というわけでですね、今回はStella Jang『STELLA Ⅰ』についてのアレコレをお話しさせていただきました。今後も追っかけて行きたいアーティストさんです。韓国語マジで全然わからないんだけど。
先日、仕事でお会いした某大手レコード会社系列のプロデューサーさん(ただし音楽Pではないけれど)に動画を見せて、御社で契約して日本に連れて来てはくれまいか、と懇願しておいたんですけど、実現するかなあ。w
コロナが落ち着いたら、日本に来てライブやってくれるといいですね。
あ、僕の本の韓国語版もどうぞよろしくお願いします。
小説家。2012年「名も無き世界のエンドロール」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。仙台出身。ちくちくと小説を書いております。■お仕事のご依頼などこちら→ loudspirits-offer@yahoo.co.jp