あなたの方が詳しい

おはようございます。きょうも書いていきます。

カウンセリングとか、悩み相談とか、人が人になにか物事を話して共有するときに、うまくいくときといかないときがある。それは何が原因なのだろうかということを、ふと考えた。

相談される方は、相談する方よりも内情に詳しくない、というのがポイントではないだろうか。これは非常に当たり前のことのように思えるが、意外と見落とされている気がする。相談される方は、その道のプロであり、何らかヒントを握っていると、双方とも誤解しやすいのである。

これは相談する立場からすれば、過剰な期待であって、相談される立場からすれば不要な傲慢である。しかし、このお互いがお互いに対して思う役割の呪縛のようなものが、物事を複雑にしているのだと、僕は考える。

ではどのような形が望ましいのか。それは相談する方の知識や経験に、光をあてることではないかと思う。相手は相談をしているくらいだから、何がしかの思惑は持っているはずで、経験もあるはずである。それを信じるのだ。

相談する方は、何に困っているのかを知らなくはない。どう表現すればいいのかを知らないのだ。その手始めとして、言語化があげられるだろう。何と言っていいのかわからない。これが問題で、悩みなのである。

そのために相談される方が、言葉を並べ立ててしまっては解決にならない。相手の言葉を引き出すのだ。相手の頭にない語彙を与えたところで、それは復唱はできても、使いものにならない。自らの語彙、言葉で、語ってもらう必要がある。

相談する方の知識や経験に寄り添う。それは、相手の力量を信じることでもあるだろう。あなたの方が詳しい、という敬意が、言葉を引き出し、無知なこちらを気づかせてくれる。

話をはじめたときは二人の間には無かったものが、相談する方から生まれてきたのであれば、そのセッションは成功したと言えるだろう。

きょうも読んでくださって、ありがとうございました。よい一日をおすごしください。

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吉澤 馨
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