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台風が見せたもの

おはようございます。きょうも書いていきます。

台風から一夜あけて、土を返したときのような匂いが、窓から入ってくる。今朝は静かだった。そして人はあのような危機的状況になると、一旦色々な不安は置いておいて、眠くなるのだということを知る。昔、映画やドラマで雪山で遭難した人たちが、「寝るな、死ぬぞ」と言っていたのを想起した。あんがい呑気なものだ。

さて、思うことはあとから色々と湧いてきそうだが、取り立てて今回の災害で気になったのは、やはり(と言ってしまうと、なんだが)「格差」ということになる。情報の格差、環境の格差、その根源となるのが「貧富」ということになるのであろうが、それが世の中で、露呈されていたように感じる。

「谷」や「下」と名のつく地域の方は危険で、「台」や「上」のつく地域は安全であるという風説や、二子玉川や武蔵小杉のように、近年巨額の投資をうけて、新しく開発された地域が冠水したという事実は、過去からつづく人々の富にまつわる変遷を、皮肉に語っていたように思う。

またツイッターやフェイスブックでの情報のやりとりも、助け合いの精神が随所で見られる一方で、その助け合うグループの範囲が、極めて偏っているということを、感じざるをえなかった。(またいわゆる「持っている人」が平然と通常どおり「自分の話」をし続けている姿も、シュールであった。)

世間は分断されていて、各々が好きなことで生きていけばいいので、互いの干渉は不要であるという不文律が、許されていいのだろうか。また、普段の我々が躍起になって追っている「富」は、果たして本当の、本物の「富」であったのだろうか。

今回の台風が、いよいよ異常気象であるとか、自然からの報復であるとか、様々な解釈が散見されたが、その正否はさておき、我々の目にしたものは、「ハリボテ」の社会や、富だったのではないか。それだけは疑いのない事実といえる。

きょうも読んでくださって、ありがとうございました。よい一日をおすごしください。(無事に済んだ方、よかったです。大変だった方はこれから復旧がんばりましょう。)

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吉澤 馨
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