美術館さんぽ③「クリスチャン・マークレー」
彼は"音"の表現に興味があるようだった。
けたたましさ、雑音が入り混じるヒトの口、マンガの擬音など。
入ってすぐの工場のラインがおりなす騒音や、色んな音楽を演奏する映画を繋ぎ合わせた映像の音はまさにカオスなのだが、
その音を聴きながら作品をみていると
不思議と、念仏を聞いているような
トランス状態、自我を忘れるような感覚が体感できる。
無音の部屋でマンガの擬音が360度動きまわる展示もあったが、
映像の動きにあわせて、脳内で擬音が再生されるので、無音な筈なのに、めちゃくちゃうるさい。
いちばん静かで、いちばんうるさい部屋を体験できる。
展示は作者が表現したいテーマは同じながら
表現方法がみんな違うところが
とても面白いアート体験だった。