HERSTORY 彼女の時間
関東も梅雨に入りました。
春から1ヶ月半も体調を崩していましたが、やっと回復してきました。めまいになった表の意味はもちろん、裏の意味もよくわかるような気がします。
まだ山に登れるような体力はありませんが、都内で1日遊ぶような体力もありませんが、だいぶ動けるようになってきたら、人が変わったように色々なものごとが新鮮に見えてきて、新しいことをたくさんやりたい気持ちになっています(そして動きすぎては舌を出して気虚、気虚と呟いて卵を食べています)。経験しなきゃ、人生なんてつまらないよね。
体と精神を同時に鍛えていくお稽古事をしたくて、気功やなぎなたなどためしています。合気道か古武術が合ってるのかもしれないです。袴が履きたいのです。
3月くらいに保留になっていた個展のことをまた考えはじめました。ちょうどグループ展の話をいただいたけど、悪い話ではないのに、どうもどうも制作スケジュール無理してねじ込む気が起こらず、断りました。
今はじっくりと自分の世界を作っていきたい気分みたいです。これもめまいでこもっていたおかげで確認できたことだと思います。
個展は一応、ギャラリーの候補はできていて、でも決定もしていないのに、タイトルだけ決まっています。
「 HERSTORY ヒストリー 」
スペルちがうよ、と突っ込まれそうですが、合ってるんです。絵本作家ヴァージニア・リー・バートンが『ちいさなおうち』で表紙に使っていたコピー。男の歴史=HIS STORYからできたと言われているHISTORYという言葉。これを当時アメリカにも「女性の時代がきたのよ」とHERSTORYとバートンは書きました。
今回、個展をやるのは2度目ですが、作品数を考えてコンドウサワ氏との二人展以来としても5年近くぶりになります。
(そんなに時間経っていたか!)と今、自分でもびっくりしましたが、その間を繋ぐような展示になると思うからです。
5年間、あまり大きな作品、そしてどーん・これだ!というようなシリーズっぽいものも描いていません。生活が変わったりが多い期間だったことや、「ちいさな作品を手づくり市やオンラインで売ろう」というアイデアで活動していたこともあります。
つまり、ちいさなwaveの連なりの時間だったのです。そして今はまた新しいやや大きめのwaveが来ているのですが、その「間の時間」を外に発表しないことにはどうも先へ進めない気がしました。
そこで「彼女の歴史」というコピーがとってもコンセプトに合ってると感じたのです。
メアリー・ブレアと並んで、バートンは私の好きな古きアメリカイラスト黄金期の憧れのイラストレーターです。
こんな風に書くと、まるで彼女たちの時代と今の私の時代が「彼女の歴史」で続いているよう。
*イラストはスピリチュアルライフとリアルライフのバランスの絵です・healingsの方で紹介しようと思っていた絵。
そういえば2012年の表参道の219さんの個展のタイトルは「Life,magic...」でした。これもタイトルはすぐ決まったもの。生活の中の魔法・奇跡などを表したかったのです。鉛筆描きだけで作った絵本『she』はアン・モロウ・リンドバークの『海からの贈り物』にインスピレーションを受けていました。
その時代の、「自立していく女性」に何かと惹かれているのかもしれませんね。
時期としては今年の終わりのほうか、来年の頭あたりを考えています。
まだ作品も企画もぜんぜん決まっていませんが、そんなつもり積もって来た時間やささやかな叡智が空間から感じられるような展覧会になればいいと思っています。