白銀の龍を背に乗せて ~雨犬と龍~
「雨男・雨女」という言葉がある。
これは雨によく降られる人間を指す言葉だが、我が家の愛犬・柴子(柴犬・メス・14歳)は、雨女ならぬ「雨犬」だ。
そんな柴子の雨犬理由を今回も妄想パワー全開で考察してみた。
※今回の話は、まだ愛犬が生きていた頃に書いた記事をリライトしたものです。当時の様子をそのままにしたいため過去形にはせずに掲載しています。
■ちょび柴・柴子の雨犬パワー
柴子と散歩に行くと、よく雨が降る。
快晴時は別として、降るか降らないか?という微妙な雲行きに柴子を連れて散歩に出ると8~9割くらいの確率で雨が降る。
もちろん、散歩は犬だけで行けないので「同行している"私"が雨女」 という見方もあるが、私単体では"逆"になることが多い。
今すぐ降ってきそうな曇天でも降らず、帰宅した直後に豪雨……とか。
小雨の中を出掛けると晴れる……とか。
ギリギリ降らないのが私。
ギリギリ降るのが柴子。
そして「雨犬vsギリ晴れ女」となった場合、私の"ギリ晴れ女力"は、いつも完敗する。
この並みの柴より小さい"チョビ柴"のどこに、そんな特殊パワーがあるのだろう?
■柴子はいつから雨犬になったのか?
柴子は小さなころから雨犬だったわけではない。
生後半年程度で我が家に来て、最初の2~3年は特にそのようなことはなかったと思う。
そう、この頃は、私の"ギリ晴れ女力"によって、曇天にでかけても途中で降られたりはしなかったのだ。
それなのに、今はうっかり曇天の下に出たら1分もしないで降り出す。
あからさまに、このようなことが増えたのは、今の部屋(アパート)に越してきてからだ。
そして……それは柴子が「龍神参り(リンク先参照「柴犬の龍神参り」)」を始めた時期と一致する。
■龍神憑きの話
昨今のスピリチュアルブームの影響か、龍(龍神)がもてはやされて数年経つ。
「龍」でウェブで検索すると「龍神が憑いている人の特徴」「龍系の人の特徴」「龍に好かれる方法」などが出てくる。
興味本位で一通り読んだが、最も多く龍系の特徴としてあげられるのは「雨男・雨女」のようだ。
(もしくはその逆。とにかく天候にまつわる感じ)
あとは、人によって「美形」であることを条件に含める人もいる。
私が「あぁ、龍神さんと縁があるな」と思った人の特徴は以下の通り。
トータルバランスがいい(パーツよりも全身バランスと雰囲気)
シュッとしている(だが、ガリガリではない)
動きがキビキビしている(セカセカではない)
ノーブルな印象がある(小汚いのと下品はNG)
会う度に豪雨(冗談じゃないほど降る)
昔、上記の特徴を全て備えた人に会ったことがあるが、会う前から「龍を連れた人がくる」と分かるレベルの人物だった。
ちなみに、ダンナにも龍は憑いている。しかも、とびきりのレベルのものが憑いている。
だが、ダンナの場合は「憑いている」や「龍系」とは少し分類が違う感じがしないでもない。(ダンナの龍は預かりものらしいので、その影響かもしれない)
■龍神憑きの……犬
龍が憑くには、それなりのキッカケ(縁)がある。
おおよその縁は、家で龍を祀っていたり、龍神社に参拝したなど。
まかり間違っても、繁華街や曲がり角で突然に縁は生まれない。
あとは、最近多い「●●万円で龍神の加護を授けます」のようなスピリチュアル商法も微妙だ。
(仮に術者の能力が本物でも、相性が合わないとすぐに離れてしまうよう。そもそも高位神霊が簡単に、しかも金で人に制御されるのは駄目だろう)
別記事で書いた通り、柴子には石の龍神さんの前に座り込む変な癖がある。更に前住居も現住居も、すぐ側に龍神社があり、柴子はそこへも頻繁に訪れている。
妙に龍が縁付く。いや「憑いている」のだ、柴子には。
「犬や猫に龍が憑いた」なんて話は聞いたことがない。
しかし、本人達はモノを言わないゆえ、絶対ない!とも言い切れない。特に石の龍神さんの場合。
なにしろ石の龍神さんは、ぶっちゃけてしまえば"お暇"である。
崇め奉ってくれるのが、私とダンナと犬しかいないのだから。
暇を持て余していたところへ四つ足の獣がやってきたら、思わずヒョイと乗ってしまうのは、なんだか自然な気がするのだ。
そして、世間一般で言われている「龍憑きの特徴」に柴子は合致する。
雨を呼ぶのは冒頭の通りだし、何より美形だ。
(最も大事なこと)
美形度については、ブリーダーからお見合いの打診をされるほどなので間違いないだろう。
親バカではない。世間の正当な評価だ。
そして、「シュっとしている」「動きがキビキビしている」も満たしている。
■白龍を背に乗せて
この馬鹿馬鹿しい説をダンナに提示してみた所、
「犬に龍が憑くなんて聞いたことがないけれど、 まぁ絶対ありえないとは言い切れないよなぁ」
と言う。
ダンナ曰く、人より動物のほうが霊的に敏感であり、また純粋ゆえに「ちょっとした乗り物」として、時々龍が乗る可能性は0ではないとのこと。
確かに虫が高位霊の遣いになる場合もあるのだから、犬や猫の獣の背に龍が乗ることもあるのかもしれない。
この謎を解くため、ダンナに霊視、あるいは龍神さんへお伺いを立てることを要求したが却下された。
(あまりに馬鹿馬鹿しいことを聞くと怒られるそうな)
しかし、この件についてはそれも良し。この話は、真偽などわからないほうが面白いのだ。
え?なぜか?って。
長年犬を飼っていても、やはり雨の散歩は普通に考えたらあまり楽しいものではない。だが、
今この瞬間、 犬の背中に白銀の龍が乗っているかもしれない!
と考えれば、少し楽しくなるじゃないか。
世の中には、そのように"あえてグレー"にしたまま楽しむ話があってもいいし、実際にそんなものが溢れている。
これもつまり、そうゆう類の話。
■余談:龍の首飾り
この元記事を書いてしばらくしてから、柴子の首の周りに白い毛が生えてきた。
年齢的に白髪なのだが、それは見る角度によって"白くて長いもの"が首にくるりと巻き付いているように見えて
「あぁ背中に乗るだけじゃ飽き足らず、首に巻きつくことにしたのか」
と思ったりした。
石の龍神さんは、この小さい従者が大変お気に入りのようだ。