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生徒たちへの雑談~学ぶこと とMr.Childrenさんの『彩り(いろどり)』~

 私は教員時代、生徒たちに「趣味でも遊びでも何でもつきつめていけば、そこに学びが生まれる。学ぶことは素晴らしい。」ということを伝えたいと思うとき、私が大好きなMr.Childrenさん(桜井和寿さん)の歌詞をよく引用して雑談していました。

学ぶことの喜びを伝えたい

 間違った解釈かもしれない、私の思い込みかもしれないということを前提にしながらも、桜井和寿さんの歌詞について自分なりの考えを堂々と話しました。素人なりに歌詞に潜んでいる意味を発見すれば歓喜するし、同じ時代に世に出てきてくれたMr.Childrenさんへの感謝と尊敬も溢れてきます。そんな正直な気持ちをストレートに伝え、自分の好きなものを追究し、学ぶことの自由さ学ぶことの喜びを実感してほしいと熱く語っていました。そのときは毎回、私との熱量の差で若干ひいている生徒がいたかもしれませんが…
 
 実はついこの間、2022年3月、私が教師を辞める直前、まさにこの雑談を生徒たちにしたところです。

Mr.Childrenさん『彩り』で、私なりの学びを伝える

 桜井さんの歌詞は触れるたびに新しい発見があるので、いつも新鮮な気持ちになります。私は影響を受けやすいため、あまり見ないようにしていますが、多くのファンの方々がいろいろと歌詞の解説しているので、味わい深い歌詞であることは間違いありません。そんなMr.Childrenさんのたくさんある曲の中で13thアルバムHOMEに収録されている『彩り』について、私が生徒たちに話した内容の一部を書きたいと思います。

 よく聞く解説では、『彩り』をローマ字『irodori』に変換すると、前から読んでも後ろから読んでも『いろどり』と読めるというものや、1番の出だし「ただ~」と2番の出だし「今~」を合わせると「ただいま」になるというものがあります(私はその解説に初めて触れたとき、感動と興奮で心拍数が爆上がりしたことを覚えています)。さらにその2つの解釈を合わせると、『彩り』という歌詞全体が「ただいま、おかえり、ただいま、おかえり、行ったり、来たり、行ったり、来たり」という循環をテーマにしていることが想像できます。
 そこで私は、歌詞全体に散りばめられている詞を行ったり、来たりして集めれば、何かつながるものがあるのではないかと考えました。そうすると、やはり『彩り』というタイトルからも色に注目したいと思い、次の歌詞に目が留まりました。

あわてて僕は彩(いろ)を探す
にじ
んでいても 金 銀 

Mr.Children,桜井和寿,アルバムHOME『彩り』

2行目の歌詞から色とりどりの色を連想させる曲のタイトル(彩り)と、あえて滲むをひらがなで「にじ」と書いていることから、ダブルミーニングとして別の言葉である『虹』が連想されました。そして虹の色である【赤・橙・黄・緑・青・藍・】のをこの行の最後におくことで、この歌詞には

にじの色はが最後の色です」

という意味が含まれているのではないかと考えました。また、「にじ」と「紫」で歌詞を挟む(にじ・・・・・・紫)という文の構造からも、

にじの間に他の虹の6色があるから探しましょう」

というメッセージが込められていると思い、1行目の歌詞(あわてて僕は彩を探す)で、それが自分の中で確信となりました。しかも、「にじ」と「紫」の間の文字数は7文字、虹の7色が連想できます。さらに、桜井さんがこの歌詞を「にじんでても 金 銀 紫」と歌っているように聞こえるので(私の耳が悪いかもしれもませんが)、間の文字数は6となり、「紫以外の虹の6色を探しましょう」というメッセージにつながってきます。
 そこで実際、『彩り』のテーマである行ったり、来たりに則って、歌詞全体から紫以外の虹の6色【赤・橙・黄・緑・青・藍】を探してみました。

・・(略)・・少ないけど  黄色 
・・・・・・(略)・・・・・・
モノクロの僕の毎日に 増やしていく 水色 オレンジ

Mr.Children,桜井和寿,アルバムHOME『彩り』

橙=オレンジ、青=水色と考えると5色が見つかりました。
※水色が厳密に青色ではないのはわかっていますが、私の力では青色を見つ 
 けることができませんでした。モノクロに増やすので水色が濃くなる
 イメージなのかとも考えましたが、自分の中ではあまり納得できませんで
 した。とりあえず水色を青色に見立てて話を進めます。

 しかし、藍色が歌詞全体を見渡しても見つかりません。ダメかと断念しかかったとき、もう1度この歌詞を振り返ってみました。

にじんでいても 金 銀 

Mr.Children,桜井和寿,アルバムHOME『彩り』

金、銀からイメージできるものはオリンピックなどの「メダル」、すると金、銀の「メダル」に並べられた紫も同じように栄誉を称えるものと推定できるので、「紫綬褒章」が連想されました。つまり、金、銀、紫は栄誉を称える勲章をイメージするもので、この歌詞は「にじんでいても勲章」ということになるのではないかと考えました。このことに気づいた私は、次の歌詞に注目しました。

小さなプライドをこの胸に 勲章みたいに付けて

Mr.Children,桜井和寿,アルバムHOME『彩り』

 歌詞に勲章という言葉があるんです。その勲章はひらがなの「滲む」で、「にじ」んでいることになっていますから、勲章もひらがなに変換してみようと考えました。

「勲章」→「くんしょう」

では、このひらがなの「くんしょう」が「にじんだくんしょう」になるということはどういうことかと考えたとき、イメージとしてひらがなに濁点をつけたらいいのではないかと発想しました。また、この「小さなプライド」という歌詞を「小さな誇り」→「小さな(空気中の)ホコリ」という別の意味に変換すれば、小さなホコリを濁点に見立てることもできます。それを「くんしょう」付けるわけですから

「くんしょう」をにじませる=濁点をつけると「ぐんじょう

になり、群青色=藍色がここにあるんです。偶然なのか、計算なのか、私のこじつけ(この可能性が一番高いですが…)なのかわかりませんが、これですべて虹色をそろえることができ、『彩り』の歌詞に虹という彩りを添えることができました。このように自分自身、好きなものでも何でも真剣に向き合い学ぼうと思えば、いつでも学ぶことができるし、その喜びを味わえますというような雑談をしました。

 もちろん私の妄想解釈、自己満足かもしれませんが、このような話を生徒にしたとき、私と感動を共有してくれた姿を見ると、少しでも学ぶことの喜びを感じることができたのではないかと思いました。
 私のMr.Childrenさんへの熱すぎる思いは伝えきれませんでしたが、私自身、何歳になっても学び続けることができることの喜びをかみしめて1日1日を大切にしたいと改めて思いました。


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