酔ってやがる

私はここ3年くらいで、4つの土地を転々とした。
その場所その場所で、スーパーのレジ打ちをしたり、温泉街の洗い場で皿を洗ったり、研究所で実験したりして生計を立てていた。
今は四つめで、今度も実験のお仕事。
デスクワークばかりは嫌だけど、黙々と作業するのは好きだから、実験や分析の仕事は向いてるのかなと思う。でも不勉強は否めなくて、そこは今後の大きな改善点だったりする。あと英語も。英語の論文すらすら読めたり、海外の人とコミュニケーションとれたりしたら、純粋に格好いいですしね。

閑話休題。

親が転勤族だったから、小さい頃に引っ越しというのも経験している。小学校に上がる前に引っ越しをしたのが一番古い記憶で、車の後部座席から、見送ってくれた友だちに手を振った。
その子たちの姿が完全に見えなくなる前に、私は座席に座り直していた。物心ついてから初めて経験する大きな別れだったのに、なんで最後まで噛みしめなかったんでしょうね? そのときの気持ちなんてもう覚えてないけれど、なぜだかもう、遠ざかっていく友だちに手を振るのが嫌になったんですよね。

そして現在。
その土地に移り住んで、よく使う道を覚えて、働いて、喋って、仲良くなって、少しずつその空気に慣れていって。
でも必ず別れは訪れるし、二度と会わない人が大半で、その土地を再訪することもまずない(行こうと思えば、どこにだって行けるんですけどね)。
たとえ数ヶ月しかいなかった街だとしても、愛着はそれなりに湧く。でも私は川に浮く枝みたいなもんだから、水に押されて次の場所へと流されていく。
なんというか、その時その時の私は、生活をもっとマシにしようと必死で、突き進むことに迷いとかはなかったんですけど、やっぱり寂しいものは寂しかったんでしょうね。
家族とか、帰属できるものがあればまた違うのかもしれませんが、私は本当に身一つであちこちを流れていったから、心細さは常にあるんです。失敗しても迎え入れてくる保証みたいな居場所がないわけだから。
だから自分で開拓した居場所で人間関係を作るしかないんだけど、仲良くなってもお別ればかりだったから、磨耗しちゃったのかもしれない。
どうにも、異国に一人という気がしてならない。日本なのにね。

酔っぱらいのセンチメンタルな愚痴メモです。
いつかどこかに根ざせたらいいなと思いつつ、この軽さが気に入ってたりもする。
もうちょっと年齢を重ねたら考え方も変わるかな。
人生はまだ長いし(たぶん)、気長に答えを見つけていきたいと思います。

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