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セレクトショップの一角で、爪の悩みに寄り添うネイルケアを受ける 

 爪の先端の層がはがれる二枚爪に、長年悩まされてきた。 
 例えば服を着るとき生地に引っかかる、シャンプーすると髪がギザギザの爪先にひっかかるなど、日常生活のあれこれに支障をきたすレベル。爪トラブルも診てもらえる皮膚科に行ったが、わたしの爪に処方できる治療薬はないと告げられた。
 市販の天然由来成分100%のネイルオイルを塗っても、わたしの爪先はすぐ割れる。だから、いつも深爪。
 ネイルサロンには、ずっと相談できなかった。不格好な爪が恥ずかしくて、ネイリストさんに見せられない。それにジェルネイルで爪を固められたら、さらに不健康な爪になるのではと心配だったからだ。

 ところが3カ月前に、わたしはネイルサロンを57歳で初体験した。
 きっかけは『ジェルを使わずケアで爪をキレイに導く』『悩みに寄り添うネイルケア』というinstagramのメッセージ。
 「ここなら大丈夫かもしれない」と意を決して、ネイルサロン「オンドネイル」の扉を開けた。セレクトショップ「おんど」の一角にあるサロン。店内は木のぬくもりがあるインテリアに囲まれ、シンプルな中にも遊び心のある洋服や小物が並んでいる。わたしの抱いていたネイルサロンのイメージが、いい意味で裏切られてホッとした。

 店名の「おんど」は、フランス語ONDE「波」の意味に由来する。ショップ近くの琵琶湖の波紋のように、縁を広げたくて名付けられたそうだ。
 
 こだわりのインテリアやチャーミングな洋服を眺めながら受けるネイルケアは、至福のひとときだった。爪そのものを強く美しく育ててくれる、ケアに特化したその施術で、私のボロボロの爪が見違えるようにツヤツヤに! 1時間で、ナチュラルな美しい爪に整えてもらえた。
 
 自分で出来るネイルケアも教わった。目の細かいヤスリで、爪先を整える手入れ法や、爪に美容オイルを塗って、ニトリル(合成ゴム)手袋を装着してから水仕事をすること…etc
 ズボラな私が、このようなホームケアを続けられるのは、堂々と人前に出せる、割れにくい健康な爪になっていく過程が楽しいから。
 爪はケア次第で、誰でも何歳からでも美しく生まれ変わる。
 キレイになった爪先を見ると、ワクワクする気持ちも、また生まれた。


ネイリストの福田まいさん。東京吉祥寺のネイルサロンを経て、滋賀県彦根市で夫と営むセレクトショップ「おんど」の一角で施術する。オンドネイル @onde_nail



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