Tömerについて
Tömerについて興味のある方もいると思うので、備忘録として書いておこうと思います。
トメルって何
アンカラ大学TÖMERは、1984年の設立以来、600万人以上の学生を受け入れて教育をしました。トルコ語を「外国語」として教えるトルコの主要機関であるTÖMERは、英語、ドイツ語からロシア語、アラビア語からスペイン語まで、12の異なる外国語の教育と文化活動も続けています。 社会的ニーズに沿って対面およびオンラインの授業があります。
トルコ語を留学生に教えるのは、大きな大学にも存在していますし、米国系の語学学校もありますので、ここばかりではないです。
アンカラ大学TÖMER各地に支店があって、そこで語学の習得ができるということになっていて、現在あるのは、カドキョイ ベシュクタシュ ブルサ クズライ イズミル の5か所のようです。
以前は対面授業しかありませんでしたが、コロナ禍の為にあっという間に借りていたビルを引き払ってオンラインに移行してオフィス1室のみのようなところに移転をしています。
私が関係したアンカラ大学TÖMERは、アンタルヤ、イズミル、ベシュクタシュの3か所のみで、イズミルとベシュクタシュは行ったこともありません。
アンタルヤは、以前私の会社があった近くに学校を構えていたので、そこで教科書を買ったり、長期休暇の時にトメルの先生の時間外授業で教えてもらったりしました。通常のクラスの時間では参加が出来なかったからです。しかし一対一の授業は効果が上がらず、教室に参加するべきだと言われました。
理由は、一対一での授業はそれなりに話せるようになっていないと、効果がないのです。初級では集合クラスで、一通り習う方が身につくようです。
課外授業は、対面クラスの補修などでも行われるようで、1時間100TLでした。当時は1トルコリラ50円だったので高額で、5000円と高額な割には効果は浅いという結果でした。
いつか、アンカラ大学TÖMERに留学したいけれど、日本の仕事を辞めてまでは行けないので、夢のように思っていました。
トメルのオンラインクラス
イズミルのクラスに参加したのは、ベルガマに拠点を移してからですが、2020年3月に急遽退去の勧告があり、当時の最後の飛行機に乗って日本に戻って6月頃のことです。丁度、東京の土曜日にあるO先生の教室で知り合ったY子ちゃんがイズミルに留学していたのです。丁度C1グレード修了証書を得てイズミルに留まっていたころにオンラインってないのと訊いてみたら、都合よくオンラインの広告を送ってくれました。Y子ちゃんいつもありがとう。
そこの番号にWhatsAppから連絡を入れて、マネージャーと話をして、丁度TT1が開講するからそこに加わって下さいと言われてTT1に加わることになりました。今はオンラインで試験を受けて、割り振られるそうですが、そうでないときは、空きクラスで人が欲しいところに入れられることがあります。(HPに支店の連絡先に連絡するか、マネージャーの番号を入手してきいてみてください 英語可)費用は現在は1600TLで一月、夜の週三回クラスだと2カ月になります。
TT1は、全くトルコ語が出来ない人も来るところです。
Merhabaから、始まります。毎日、朝9時か10時から3時間から4時間で授業が組まれています。先生も自宅からのオンライン授業なので、最初の先生はサムソンの実家から授業をしていました。
参加している外国人同士で挨拶練習です。退屈そうですが、これは非常にいい練習になります。ひたすら毎日挨拶や日常会話なのです。が、ここでトルコ語脳が作られるといっても過言ではありません。口を動かすことで筋肉を動かすので目で見たものが統合されて、挨拶しろという目からの情報が言語運動中枢に伝えられて、初めて見た人=挨拶 と日本語を介さずに口が動きます。
トルコ時間9時から6時まで、あるいは10時から7時まで、これは日本時間だと、午後3時から6時、4時から7時に相当するので、普通の仕事をしている人には向かないかもしれません。在宅ワークや学生さんにはお勧めです。
私は、自分の授業の時間が重なっているところは出られないので、本来は月60時間ですが、48時間になっていました。それでもここに参加できることが嬉しかったのです。一日も休まず、最初から最後まで1年続けた学生は私一人でした。奇跡だと思います。
TT3まで、若い女性の先生に習っていましたが、TT4になって先生が代わりました。ベテランの先生になりました。
なぜかと言うと、文法が難しくなったからです。
試験が2か月ごとにあります。なので基礎2回、中級2回、上級2回。最後にC1グレードの修了証書試験があります。
この最後の試験に受かると、大学受験が可能になる、トルコで仕事に就く時に要求される などに使えるので、上級の最後の2か月は人が増えます。
ここの試験は、読み 作文 聴き 演説(笑) 討論(二人)の試験をします。60点でクリアです。
かなり、問題が難しく、日本でも国語の試験は論理性が求められるのでC1は相当読み込みが必要になります。かなりしんどい。毎日トルコ語の新聞を読んでニュースを聞いて、それでも現地在住の外国人や、家族がトルコ人のクラスメートには追い付きません。
どの支店を選ぶのか、、、ですが、私はイズミルに友人が多いので ①教科書を買いに行く②修了証書を取りに行く③それらを日本に送ってもらう これをやってもらわないとなりません。トルコに友人がいて、これらを頼めるのは必須かもしれません。(いない方も、毎日曜のパパティア会議に参加すると友人が出来ると思いますので、あきらめないでください。)
トメルで得たもの 得られなかったもの
なんだかんだと、教師の愛情とクラスメートの友情とY子ちゃんのお陰でなんとかC1を得ることができました。
何が一番嬉しいかというとトルコ語の本を読めるようになったことです。
つまり、トルコ語の文献が読めるのです。近代医学論文は英語ですが、中にはトルコ語のものもあり、伝統医療に関係するものはトルコ語が多いのです。またトルコの医学史もトルコ語で書かれています。そして、トルコに保存されているガレノス文献もトルコ語で探すことが可能なのです。近代に大きな戦争に巻き込まれてない(エーゲ地方を除く)イスタンブルの図書館には古文書があるのです。
(怪しい契約書も読めるようになりました。怪しい委任状もわかるようになりましたよ。これで騙されないです!)
もちろんトルコドラマも聞き取れるようになりました。
また、日本語で考えない脳も出来ました。
その一方で、ダメなところもあります。
1)私の場合は、苦手なのが、書いたときにスペリングを苦労します。RLをよく間違えます。聞いて覚えているので、文字に書いてみると正確ではないことが多いのです。読むのがスペル通りではないからです。
これは今でも大問題で、日本のO先生のトルコ語検定に受からない自信があります。(日本ではこういうのが凄く細かくて、トルコ語できてもトルコ語話せないというのがよくわかります)
2)そして、日本の文法用語もわからないし、単語もトルコ語トルコ語でひくので日本語で何というのか、感覚的に違っているのです。勘違いしているものも多い。まるで、自分の中学生の時のような感じです。
なので、日本語訳も上手には出来ません。
3)実際に生身のトルコ人と話したことがないので、実際に会って話せるのかどうかは未だに試したことがありません。(多分大丈夫だと思う。なぜならトメル以前もコミュニュケーション能力には問題なかったので)
今日のトメルの宿題で子供にインターネットはいいのかどうか、という作文課題が出て文章をトルコ語書いているのですが、子供には対面で直接話すことが必要であるという見解があるのです。これと同じように、トルコ語をオンラインで培った自分がどうなるのか、これは未知の分野です。また、毎週末やっているパパティア会議でのネイティブ同士のトルコ語は教科書通りではないので未だに理解が難しいです。
4)濃度の高い留学経験はできない。先生が良く話していたのですが、対面の時は留学生との交流が多く、よく学生たちが先生のお宅に来て、各国の料理などでの交流も深かったそうなのですが、こういうものはオンライン上でのプレゼン以外は全く不可能です。
トメルは先生を選択できる
面白いのは、先生に対してのクレームをマネージャーが聞いてくれるのです。中級1から、先生の旦那さん(これも先生)が週に2日か3日か教えるようになったのですが、全く合わず、いつも日本のRという子が上手で大統領の通訳もやったんだと聞かされ、お前はダメだメッセージが多い先生でした。それをマネージャーに伝えたところ、その先生は来なくなりました。
また、もう一度 今のところをやりたい という希望があれば、繰り返して同じところをやることも出来るのです。私は学習時間も短いのに無理してどんどん先にいったのですが、きちんと何度もやることも重要なので、2か月勉強したら、一月復習して、という方法も可能なのです。
イズミルの上級の4か月が終わったあとに、イレリクラスというのに参加させてもらいました。これはイスタンブルのベシュクタシュのクラスです。Rちゃんに紹介してもらって、参加したのですが、この先生のは神授業でした。ここの生徒も凄かった。
今も、TT4の復習をベシュクタシュのトメルでしていますが、この先生もかなりのベテランです。
こういうのも、オンラインの強みかもしれません。人との関係が深くならないので、心が痛まずに自分優先で関われます。
コロナ禍が終息しても、オンライン授業はあってほしいものです。
(上の写真はベルガマの家から見えるデメテル神殿の下を支えているボールド。発掘の為に作られたのかと思ったのですが、もともとあったようです)