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結婚式の価値は人それぞれ

「基本的に3万円×人数分なので、ほとんど御祝儀で賄えますよ」

式場側の発言に なんとなく違和感を覚えたのは、「コース料理の無料試食」をエサに、夫をブライダルフェアへ連れ出したときのこと。

せっかく美味しいフレンチだったのに、うちの旦那はフィレ肉の味を覚えていないらしい。


何のために結婚式をするのか?

その会場で、お人形のように座る自分たちを想像すればするほど、なぜわざわざ結婚式をしたいのか 分からなくなってしまい、当日特典で「今日契約すれば100万円割引」みたいな話が出てくる頃には消耗しきっていた。


招待状、料理、席次、ドレス、引出物…

結婚式は選択の連続というけれど、あらかじめ決められた選択肢に当てはめていくのだから、そりゃあどの式も似たような感じになってしまうし、それが当たり前という世間一般の認識になってしまうわけだ、と妙に納得。

これ意味ある? 高すぎない? 持込料?
フラットな気持ちだと首を傾げてしまうものも、「やり直しができない」という特殊な状況に置かれると

一般常識、礼儀、伝統、感謝、しきたり。 

こういうものに包まれて、よく見えなくなってくる。


真っ暗になった帰り道、遠回りをしながら ふたりでたくさん話した。

「完璧な結婚式になりそうだね。でもそれにどのくらい価値を感じる?」
「『普通は…』のフィルターを外したら、もっと楽しそうじゃない?」
「どうせ何百万円も使うなら自分達でつくりたくない?」


手づくり結婚式に挑戦

そうやってセルフプロデュースウェディングが動き出したのは、式の5か月前。

舞台は、鹿児島県にある 森の中の小学校跡地。
みどり豊かな芝生の真ん中には、大きなシンボルツリーがどっしりと根を張る。

南国ではまだ暑さの残る10月、
いつもは静かに時を刻むこの場所に、各地から100名ほどが集まってくれた。

セルフプロデュースウェディングとは

いつ、どこで、誰と、どんな式を、
どういう目的でやるか

全部自分たちで決める、手づくりの結婚式のこと。


究極の良さは、「自由」。

一方で、
めちゃくちゃ面倒なのは想像に容易いはず。


わたしたちのこだわりは、たった一つ。

本質を大事にすること


はじめにしたのは、コンセプト決め。
要は、結婚式の軸。

まずは、夫婦それぞれ自分の人生を振り返ってみる。

・これまで大切にしてきたこと
・なぜ結婚式をするのか?
・結婚式が終わった後、どうなっていきたい?

そして、お互い相手にプレゼンテーション。

それに対する意見をぶつけ合って、ふたりの着地点を決めていく。


この時点で、もはや結婚式というよりひとつのイベント企画のような感じだったけど、時間をかけてふたりの「軸」をすり合わせたことにより、後々の意思決定がしやすくなったと実感。

できあがった軸は、結婚式だけにとどまることなく、その後の家族の方針に。

人生を共に戦い抜くパートナーと
初めに作戦会議をするみたいな、そんな感じ。


派手婚、地味婚、ナシ婚、と 時代に合わせて変化するウェディングだけど
結婚式は当日だけが全てじゃない。

運命のドレスを着ることでも
高級料理でおもてなしをすることでもなく

夜な夜なぶつかり合う
とてつもなく長くて深い ふたりの作戦会議こそに、価値がある。

これを確信するにあたり、セルフプロデュースウェディングは絶好すぎた。


ふたりの人生において大切なことを考え抜くと、今度はいらないものが見えてくる。

いわば、結婚式の断捨離

・返信はがきをなくして、Webの参加登録に。
・受付での現金のやりとりやご祝儀袋はなくして、事前決済に。
・主賓の挨拶をなくして、乾杯までの待ち時間をカット。
・両親は両サイドの末席にするのが常識だけど、結婚式は両家が一緒に過ごせる貴重な機会と捉え、同じテーブルに。

などなど、他にもたくさん。


逆に増やしたこともある。

・友人インタビュー(代表スピーチではなく7名に)
・花婿の手紙(男だって感謝を伝えたい)  など


もちろん、非常識とオリジナルは 紙一重

でも、全てに私たちなりの意図があるし、何より散々話し合って決めたこと。

だから、ゲストの気分を害す可能性のあるところは事前にとことん説明した。


手づくり結婚式の可能性

人生において「選択」が生じる場面では、いつもワクワクする方を選んできたからこそ、セルフプロデュースウェディングという選択肢がよぎった時点で、もう避けられなかったのかもしれない、と今は思う。

そして、他にもそういう人がいるんじゃないか?とも。


例えば、この noteを読んで「自分もやってみたい!」と一瞬でも思ってしまうような人がいるなら、私はあなたと友達になりたいし、経験談が必要なときには ぜひ力になりたい。


結婚式は、多くの場合、ふたりとも初心者。

ウェディング情報誌を見て魅力的なフェアに行き、見学1軒目で即日契約ー。

そんなカップルが多いけど、結婚式より結婚式準備期間の方が圧倒的に長いのだから、その期間に しっかりと価値を感じられるような選択をしてほしいと心から願っています。

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5月18日(土)は、旅するスタンドで。

まだまだ少数派の「手づくり結婚式」経験者たちが、リアルな体験を語ります。

・これから式場巡りを考えている新婚さんはもちろんのこと
・結婚式の予定はないけど、どんな事したのか興味ある
・相手はいないけど、いつかやる時のために選択肢として知っておきたい
・式場で契約済だけど、話を聞くだけ聞いてみたい
・自分たちも手づくりで挙げたから、同志と語り合いたい
・普通に友達になりたい

など、どんな方でも大歓迎。

とりあえず乾杯しましょう。
参加は無料です。

→ イベント詳細ページはこちら


それでは続きは、会場で。