【No.28】胸が大きくても、ホストクラブには行かない
世の中はキャッチコピーで溢れている。
電光掲示板、電車の吊り革広告、本に付けられた帯…。誰かが目を向けた数秒の間に注意を引かなければいけないから、コピーライターも練りに練ったものを書いているし、読んでいるこちらも楽しませてもらうことが多い。
活字中毒の私は、東京の街中を楽しんでいる。ビルに掲げられた看板にも色んなコピーが書かれている。ん? 意味が違うんじゃない? こうしたらいいのにと思うこともある看板も多いのだが、今日取り上げたいのは、そもそもの意味が分からなくて、駅のホームで途方に暮れて立ち尽くし、電車に危うく乗り過ごしかけた美容整形、もしくはホストクラブの看板。(どちらか俄かには分からなかった)。
「豊胸したなら、ホストに行け」
看板には確かにこう書いてあった。どういう意味なのか、私には解せない。
豊胸して、スタイル抜群になったのに、何が悲しくてホストに行くのか。
普通の人にタダでチヤホヤされる胸を持ち合わせているならば、お金を払ってまで疑似恋愛する必要はなかろう?
それとも、ホストの男性方は胸の大きな人でなければ、サービスが低下するというのか。お金をもらっているのに。豊胸するくらいの努力をする女性でなければ、最高のサービスを受け取れない、とも取れる。これは一体どういうことか。
意味不明。分からない。
そもそも豊胸は誰かのためにしているわけではなかろう、と私は思っている。大きい胸が好きな人は、そういう人を探せばいいし、しょうもないこだわりを持つ男を好きで好きで、豊胸手術をわざわざして振り向いてもらっても、虚しいだけの行き先が待っている(あくまで想像)。
いざベッドインしたら、あれ?なんか違う…。彼こそ、美容整形が必要ではないのか!私は彼のために、こんなにお金をかけたのに!というふうになってしまうに違いない(いえ、あくまで勝手な妄想です)。
別に胸を大きくしたい人にダメよと言っているわけではない。だって私だって、化粧をしているし、コンタクトもしているし、歯の矯正もしている。胸はペシャンコのままだけど、私にも美しくなりたい、見られないという欲求はある。
そんな話を長男にしていたら、「ああ、あれはホストクラブじゃなくて、美容整形外科の看板だったと思う」と答え合わせができた。
ん?ならば、より一層不可解だ。なぜ、ホストクラブ?
あ、もしかしたら、こんな風に注目を集めたかっただけかもしれない。話題作りというわけか!まんまと引っかかったというわけだ、私。