【No.4】続・入院記(2)
ついに、ついに食事の許可が下りました。
熱が出た頃から食べていないから、10日振りの食事、ということになります。血液検査では炎症の値がまだ出ているらしいですが、胃袋だけは元気なので空腹感は2~3日ありました。
しかしながら、食事が急に運ばれてきたために、「これって私食べていいんですかね? 何も先生から聞いておりませんが」といって食事を目の前に15分程度待たされることになりました。
大きな病院で上や下に上がったり下がったり、色んな方にしていただいて、その間も「待て」の姿勢で食べてはいけないわけです。みっともない姿を見せても看護師さんに申し訳が立たないので、ハンドタオルをガシガシと噛んでいました。(嘘ですよ…)
元々の味覚のせいもあるのか、久しぶりに食べたからというのがあるのか、味が強烈過ぎて全部食べることができませんでした。おでんが塩辛さ、ヤクルトの甘さも、元々の味覚というよりは久しぶり過ぎて「刺激的」なレベルでした。
それでも食べられるっていいですね。調子の外れた「メリーさんの羊」を高速バージョンで鳴らしながら食事はカートに乗ってやってくるのですが、これからもメリーさんの羊を聞いたら、お腹がグウとなるに違いありません。
何はともあれ、無事に回復に向かいつつあります。
ただひとつ、入院によって確実に変わったことがあります。入院する前は私は「人生100年時代」と高を括っていました。人生100年だったら、残りを会社員、それから好きなこと(すなわち創作活動)をしていけばいいか、と思っていた前提が覆されたわけです。
私は100年は生きられない。そもそも残り10年あるかどうかなんて誰にも分からない。その時、このままの生き方でいいんだろうか、と思ったわけです。
続きます。
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