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キッチンドランカーの悲劇

爪を切った。
包丁で、指も。

「え、これあかんやつ」と言いながら、出血部分を強く押さえ、心臓より高く上げたまま、「いったん落ち着こ」とワインを流し込んで煙草を吸い始めたのには、我ながら笑った。
ひとりでもたくましく生きてる。

本当に私は、全くもっていつまで経っても、痛い目見なくちゃ分かんない。
せめて取り返しがつかなくなるまでは、痛みを笑いに変えて生きていたいものである。

昨夜は私の思い描く最悪がフルコンボに詰まった夢を見て、こういうのはなかなか笑いに昇華できないから困った。

人の夢の話ほど聞いていて苦痛なものはない。
苦い思いは時間をかけて消化するしかない。

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Kaori Hanai
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