突然の出来事
その知らせは突然やってきた。
「るかちゃんが、階段から落ちた」
???
「で、いまどうなの?」
「動かない…」
るかちゃんは実家で暮らしているキャバリア、男の子、4歳。
どんな派手な落ち方をしたのかはわからない。
まぁ、打ち身かな?最悪、骨折かもしれない。
私も子供のころ何回か落ちた階段で、2回骨折した。
同じ階段から落ちてしまった。
「明日には、動けるようになるよ。きっと。今は痛いと思うからそっとしとこう。」
そんな、気休め的な会話を父とした。
次の日になっても動くことができないと父から連絡がきた。
これはどうもおかしい。
離れて暮らすと、すぐに行けないことがもどかしい。
じゃあ、病院に連れて行けばよいのにと思うけど、父的に嫌な予感しかしないので怖くて触れないと言う。
「触れない」と言う父を情けないとは思わない。
90歳を目の前にした高齢の父。るかちゃんと二人で暮らし、なんだかんだと支えになっていた元気すぎる犬が動かなくなってしまった恐怖と喪失感は計り知れないと思った。
頭はあがる、水も横になりながらなんとか飲む、排泄はできているかわからない…
「足はさわれる?」
と聞くと、
「さわれると思う。」
と言ってくれたので、
・足全体を触っていたがるところがないか
・前足と後足の指の間をぎゅっと強めにつまんで足を引っ込めるか
これだけ、確認してもらった。
ちょっと嫌な予感はしていた。
もしかしたら、下半身麻痺なのではないかな?
足は前も後ろも痛がらない、前足は触ると嫌がってバタバタ動かすけど、後足はだらんとしている。そう、父が言った。
ビンゴ…嫌な予感が的中した。
「脊髄のどこか傷めたね。後足の感覚がないんだと思う。」
早急に確認して、次に進まないとまずいと思ったので、下半身麻痺だと思った次の日に実家に帰ることにした。
仕事の予定があったけど、優先順位的にるかちゃんの状態確認が先だった。