約1年間でバズったツイートから考える「これからの時代の伝え方」
伝え方トレーニングサービス「kaeka」代表の千葉佳織です。本日12/3、株式会社カエカは3周年を迎えました。ひとえに、私たちのサービスに意義を感じご利用いただいているお客様のお陰です。いつもたくさんの時間と努力をサービスに注ぎ込んでいただき、本当にありがとうございます。
3期目の目標はチームとして結果を出すことでした。ひとりで立ち上げた会社に気づけば20名のメンバー(社員 / 業務委託含む)が在籍し、スピーチトレーナーの数はこの1年で4倍に増えました。スタートアップ経営はハードで、創業当初想像していた以上に大変ではありますが、毎日ひたむきにやってこれたと思います。
伝え方教育を日本に広げ、誰もが言葉を磨く社会をつくる。このビジョンを掲げる私としては、伝え方によってチャンスの幅が変わる「#話し方で人生変える」ことができると、より一層信じることができる年になりました。
そこで、約1年間かけてTweetしてバズった事例を紹介にしながら、今の時代の伝える力に大切なことを振り返っていきます。
著名人編
劇団ひとりさん関ジャニ∞村上信五さんと入社式スピーチ
日本テレビ「午前0時の森」に出演の機会をいただきました。劇団ひとりさん、関ジャニ∞村上さんとスピーチについて語り、即興のスピーチを行う企画です。
出演場面でお伝えしたスピーチのポイントは、「スピーチ中に自分に酔って泣いてはいけない」「今回は日本テレビの入社式スピーチの想定なので、"出る杭に打たれたもの勝ち"というエピソードを日本テレビの頑張りと結びつけて話すと綺麗な構成になる」「聞いた人に向けてお土産(価値観・哲学)を与える話をする、自分の経験則だけを語っても心に響く話にならない」
「ジェスチャーは厳選して言葉と合わせて出す」などでした。
ビリギャル・小林さやかさんの泣ける決意表明スピーチ
ビリギャル・小林さやかさんがkaekaの伝え方トレーニングを受講しました。トレーニングの最終日、小林さんのファンに向けてコロンビア大学院への留学を語る「決意表明スピーチ」を発表。多くの人の共感を生みました。
小林さんのスピーチは、コアメッセージがシンプルでした。「やってみなきゃわからないっしょ」シンプルさゆえに私たちの記憶に残ります。伝えたいことがはっきりしている場合、次に重要なのは「どの順番で話せばコアメッセージが伝わるのか」になるのですが、伝え方の順番においても小林さんの思いが汲み取れます。
前提、小林さんのお人柄が素晴らしいからこその語りなのですが、それでも私たちが自分の語りに生かせることがあります。それは「過去にあった苦しい、悔しいネガティブなことをも曝け出すこと」です。通常何か大きな発表をする場合、誰だって煌びやかなポジティブな情報を並べたくなります。それだけでは人の心は動きません。
自分の人生を10分にまとめることは大変難しい。その難しさを乗り越えて自分史を話せることは誰にとっても重要です。なぜなら私たちは、入試、就活、ピッチなどさまざまな人生の局面で自分について語らなければならないから。経験を整理し自らは何に向かって生きていくのか言語化できる人には説得力が伴います。
江頭2:50伝説のスピーチはなぜ凄いのか
彼のスピーチが素晴らしかったのは、キャラの意外性やこれまでの芸人としての功績のイメージによるものだけではなく、スピーチそのものが心に刺さるように、しっかり構成されているからだと分析します。覚えやすいキーワード選定、間の確保、表情や抑揚の工夫などプロフェッショナルの力が詰まっています。
政治家編
菅前首相の追悼演説はなぜ注目されたのか
9月27日に行われた国葬儀の菅元首相が語った安倍元総理への追悼演説。こちら大変多くのみなさまから反響がありました。
野田元首相の追悼演説はなぜ注目されたのか
安倍晋三元首相の生涯を生まれた頃から細かく話すことで、場面場面の安倍氏の表情や心持ちなど「人となり」を聴衆が自由に想像できる、豊かな弔辞でした。「果てなき決断」「真剣な熱を帯びる」など決して多くは耳にしない表現からも、野田氏のフィロソフィーが伺えます。
安倍氏の死から何を覚悟し、未来に向けて何をすべきか、クライマックスに割かれる全体の割合が大きかったのも特徴的でした。話全体の(段落ごとの)言葉の割合比はその人の熱量比であったりもします。野田氏は未来に向けて今一度、考え抜き問いを持ち続け行動せよ、と強く訴えかけたかったのではないでしょうか。
また、低く響く芯のある声が特徴的であり、随所に表現工夫が垣間見える。例えば「あなたが放った強烈な光も、その先に伸びた影も…」並列表現での抑揚高低の上昇具合が気持ちの高ぶりを適切に表現しており、音声として伝わりやすい話し方でした。
自民党総裁選2021
岸田氏、河野氏、高市氏、野田氏の演説を分析。全体の構成像、演説中に使用されている数字の性質、ビジョンの種類、kaekaが定義するファクト / ストーリーの組み合わせについて解説しました。
公人編
IOCバッハ会長のスピーチはなぜ長かったのか
「感謝の言葉が多すぎたため聴衆が飽きた」「前後の橋本聖子会長と内容が被っており、内容の役割分担が必要だった」「本大会でしか言えない言葉が少なかった」「すでに聴衆の集中力が切れているのに盛り上がりを不必要につくった」などを指摘しました。
IPCパーソンズ会長のスピーチはなぜ賞賛されたのか
ストーリーテリング、描写力、言葉の対比表現、話し方の豊富さ(ジェスチャー、視線など)など秀逸な伝え方を分析しています。
千葉実践編
声の抑揚の変化でこんなにも聞こえ方が変わる?
アナウンサー口調、政治口調、抑揚を学んだことがない人の口調を私が真似しながら、抑揚の構造を解説しています。
伝え方トレーニングサービス「kaeka」
話す力を数値化し、あなたの課題を解決するための伝え方トレーニングサービス「kaeka」は4期目に突入します。今期は1.2億円の資金調達を行い、スタートアップとして舵を切った年でもありました。プロダクトのリリース、B向けサービスの展開、Techと人が融合した伝え方学習の設計、新しいチーム……。この先は未知なる挑戦が広がっており、私自身も1年後どのような未来を迎えられているのか想像がつきません。しかしながら、伝える力は人の人生をより良くするものであると強く思っており、雨降ろうが、風吹こうが、台風が起ころうが私の意思はまったくもって変わりません。
「伝え方教育」というまったく新しい文化をつくるために奮闘しています。伝え方で自分の人生が豊かになったことがある方、ビジョンに共感いただける方、一緒に働きませんか。採用サイトからの応募をお待ちしています。
そして、伝え方トレーニングの無料体験会へのお申し込みもお待ちしています。これまでの受講生の方は、昇格、昇進、起業、メディアでの活躍、当選などさまざまな結果を出しています。この場所で伝え方の学習を真剣に行いませんか。
4期目、新たなスタートを切ってまいります。これからも応援どうぞよろしくお願いいたします。