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天秤座27度「高い視点」
2018年10月19日19時49分、トランジット太陽が天秤座数え27度へ入りました。天秤座数え27度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「高い視点」
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「♎27高い視点」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「An airplane hovering overhead 頭上に浮かんでいる(ある)飛行機」hover は浮かんだまま静止すること。青字が1975年ルディア版「An airplane sails, high in the clear sky. ある飛行機が飛ぶ、澄んだ空高く」sailは元々「帆走する」だけど、ここでは「ゆったり、はるばると行く」というような意味。
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「♎27高い視点」の番地チェック。天秤座後半(復路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数を裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。
「♎26白黒反転」は波平。勇猛果敢でコワモテなワシと平和主義で穏健派のハト。オセロのように黒が白へ、白が黒へと入れ替わる。「♎27高い視点」はフネ。鳥のシンボルから飛行機のシンボルへ。「頭上へ浮かぶ」という表現からは飛行機を見ている地上からの視点が見てとれる。
♎26ではワシとハト、正反対のものを象徴する鳥たちがオセロのように互いの姿へ変身していた。力は愛に、愛は力に。♎27の飛行機は遥か頭上に浮いたまま静止(hover)している。飛行機はハトやワシよりも大きく、ハトやワシが飛ぶよりも高いところを飛ぶ人工の乗物だ。
飛行機が登場するシンボルには他に「♊10降下一直線」がある。双子座前半(往路)第2グループ(まんなか)第5度数(タラオ)の♊10は一点を狙い定めて鼻先から突っ込んでいくアクロバット飛行機。♎27は遥か頭上へ浮かび、人の住む地上や、人の思う力や愛の象徴を見下ろす飛行機。
ハトがワシへ、ワシがハトへと白黒反転する地上は、遥か上空に浮かぶ飛行機から見ればオセロ盤のように小さい。昔の人間にとって、ハトよりもワシよりも高い視点はたとえば「神様」を置いたりして想像するしかなかった。しかし20世紀初頭に飛行機が発明され事情は変わった。
飛行機が実用化されてから、人間は鳥が飛ぶよりもはるかに高いところまで飛んでいけるようになった。それまで神様か、あるいは人間が想像の中でしか得ることのできなかった「高い視点」から実際に下界を見渡せるようになった。
「♎27高い視点」は天秤座後半(復路)第3グループ(おわり)第2度数(フネ)。天秤座前半で♎27と対になるのは同じ第3グループ第2度数の「♎12資源の採掘」。地下深くから石炭を掘り出す鉱夫たち(♎12)と、遥か頭上へ浮かぶ飛行機(♎27)。この対はコントラストが強い。
「♎27高い視点」は天秤座後半(復路)第3グループ(おわり)第2度数(フネ)。同じ天秤座後半の第1(はじめ)・第2(まんなか)グループのフネズと比べてみよう。1がテーマを打ちだし2が1を裏打ちし3が1と2のいいとこ取りをする関係はグループ間でも成り立つ。
天秤座後半第1グループのフネは「♎17港の見張り番」、過去の経験を危機に役立てる。第2グループのフネは「♎22鳥にも水を」、自分が満ち足りていると、より弱い者へ分け与えることができるようになる。♎17と♎22をいいとこ取りして第3のフネ「♎27高い視点」がうまれる。
♎17の元船長はベテラン船乗りとして、♎22のこどもは持てる者として、それぞれ高い立ち位置から自分がふんだんに持っているものを相手へ分け与える。♎17は老人、♎22はこども。♎27の飛行機は前ふたつのフネを更に越えて、はるか高い視点を人間に与える。
「♎27高い視点」の対向シンボルを見てみよう。「♈27脳内補完」は想像の中で取り戻す失われた機会。ギフトが手に余る男♈26と、なくしたものを脳内補完する♈27の対比。『マッチ売りの少女』『赤毛のアン』『長屋の花見』。何もないけれど、少なくとも想像の余地だけはあるわ。
♈27は「想像の中で」失われた機会を手にする。♎27は「飛行機で」頭上高くへ浮かぶ。19世紀には想像によってしか到達できなかった遥か高い視点を、飛行機に乗れば獲得できる。♈27は「空を自由に飛びたいな」と想像の翼を広げ、♎27は「はい、タケコプター!」と実現する。
「♎27高い視点」とトラインになるのは「♊27実家脱出」。双子座は風の柔軟サイン、おわりの風。その数え27度は森からひとり出てくるジプシー。ジプシーの暮らしを捨て、一族を捨て、仲間が野営をしている森から脱出する。栄光へ向かって走るあの列車に乗っていこう。
天秤座は風の活動サイン、はじめの風。その数え27度は頭上に浮かんでいる飛行機。♊27が実家脱出ならば♎27は地上脱出。「一族とかしがらみとか、そういうのいいですから」と実家から離れる♊27と、「ワシとかハトとか、そういうのいいですから」と地上から離れる♎27。
「♎27高い視点」とスクエアになるのは「♋27災害は平等」。蟹座は水の活動サイン、初夏の水。その数え27度は谷間を襲う嵐。その谷間には♋26のような贅沢な書斎で読書を楽しむ有閑階級が住む高級住宅地がある。しかし嵐が来れば有閑階級だって高級住宅地から逃げるしかない。
天秤座は風の活動サイン、初秋の風。その数え27度は頭上に浮かんでいる飛行機。♋27が「嵐が来たら高級住宅地とか関係ないから! 逃げろ!」であるなら♎27は「飛行機からは細かい差異は見えないから!」。♋27では自然の猛威が、♎27では高い視点が人間の小ささを知らしめる。
うまれたときのホロスコープで「♎27高い視点」はどのハウスにある? 2018年10月19日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう
「○○○○で(五音・ハウス) バランスとって(天秤座) 照らしだす(太陽) 対立を越え高い視点で(♎27)」
【♎27高い視点 をより深く理解するための比較対照シンボルリスト】
♏27威風堂々(となりのサイン)
♐27一刻入魂(60度)
♑27お遍路さん(90度)
♒27昔の器新しい花(120度)
♈27脳内補完(180度)
♊27実家脱出(120度)
♋27災害は平等(90度)
♌27 Restart(60度)
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