蠍座19度「オウム返し」
2018年11月10日20時12分、トランジット太陽が蠍座数え19度へ入りました。蠍座数え19度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮したら「オウム返し」
「♏19オウム返し」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A parrot listening and then talking 耳を傾けてそれから話している(ある)オウム」。listen は「注意を払って聴く」(「たまたま耳に入る」のは hear)。青字が1975年ルディア版「A parrot repeats the conversation he has overheard. あるオウムが小耳に挟んだ会話を繰り返す」overhear は「盗み聞きする」
「♏19オウム返し」の番地チェック。蠍座後半(復路)の、5度ずつに分けた第1グループ(はじめ)の、第4度数。どの5度組でも第4度数は第3度数を裏打ちする。第3度数は第1度数と第2度数のこども。磯野家で言えば第4度数はマスオ。
「♏16破顔一笑」が波平。自発的に好意を示す少女。「♏17自家受粉」がフネ、♏16を裏打ちする。自分の霊で自分を身ごもらせた女。「♏18錦繍の森」がサザエ、♏16と♏17をいいとこ取りする。次代に場を譲り散ってゆく前に最高潮の美しさを見せる紅葉の森。
「♏19オウム返し」はマスオ、♏18を裏打ちする。♏18の森は冬を前にして変容し、隠し持っていた鮮やかな色彩をさらけ出す。♏19のオウムは秋の森に似て色鮮やかな鳥、人のことばに耳を傾け、それをそっくり反復する。
♏19のオウムは人間の発する音声に注意深く耳を傾け(listen)、それをそっくり真似る。ただし人間のことばを理解しているわけではない。オウムが「オハヨー」と鳴いてもその意味までは理解していない。人間はオウムの「オハヨー」にうっかり意味を感じそうになるけれど。
ドデカテモリーで言えば♏19は「蠍座の中のちいさな双子座」へ入ってきている。「蠍座の中のちいさな牡牛座」を抜けて「私のものは私のもの」から「誰かのものを私のものにできるかもしれない?」へ移っている。双子座は「私のもの」と「誰かのもの」の取引をするから。
オウムは自分が接触する人間の音声を真似る(TVやラジオの声も真似る)。オウムがどんなに賢くても、その語彙はコピー元である人間の語彙を上回りはしない。オウムが「クソババア」と叫んだなら、オウムのコピー元になった人間のうち誰かが「クソババア」常用者なのだ。
このあたり、人間のこどもとオウムは似ている。人間のこどもは周囲の人間が使っていることばを自分の語彙として取り込む。そして意味がよくわからないうちから使い始める。「どこで覚えてきたんだよ……」「誰だよこんなこと教えたのは……」はこどもの語彙あるあるだ。
(ここで「本当に誰がこんなこと教えたんだよ……」の例として「禁句インコ」動画を貼ろうとしたのですが発端動画がYouTube に見つからず。ご興味ある方は「禁句インコ」で検索して経緯をご確認ください。非常に力強く明瞭に「コッコちゃんは……金〇マ!」と鳴くインコです)
朱に交われば赤くなる、墨に交われば黒くなる。オウムには注意深く聴く力がある、それを巧みに真似る力もある。しかし何を覚えてしまうかはコピー元次第。人間のこどもも同じ、人間のおとなも、また。鳥のふり見て我がふり直せ、それは本当に真似るべきお手本たりうるのか?
蠍座のひとつ前、天秤座の数え19度を見てみよう。「♎19虎視眈々」は物陰で機会を窺う強盗一味。たとえハードが壊れても(←♎16)マンパワーで監視しているから(←♎17)、悪事は露見するよ(←♎18)という流れを受けて、悪党たちは自分たちの互助組織を作る(←♎19)
悪党だって仲間がほしい、悪党だって居場所がほしい。カタギに受け入れられないからなおさらに悪党は悪党同士でつるむようになる。問題は、悪党仲間に居続けると悪事から足を洗うことが困難になること。朱に交われば赤くなる、墨に交われば黒くなる。
♎19の強盗一味が虎視眈々と機会を狙うように、♏19のオウムは人間のことばに注意深く聞き耳を立てている。強盗一味に引き入れられた不良少年が悪党仲間の符丁を覚えていくように、オウムは聞き取った音声をそのまま繰り返す。お坊さんに飼われれば門前のオウムは習わぬ経もよむ。
「♏19オウム返し」の対向シンボルは「♉19新大陸浮上」。♉18では不用品を処分してバッグの空き容量を増やした。♉19では新大陸が現れる。上がってこないように押さえつける力を押し上げようとする力が上回ったとき、あるいは邪魔物が消えたとき、海底から新大陸が隆起する。
♉19ではそれまで海だったところに新大陸が浮かび上がる。それはずっと海底に押し込められていた。♏19ではオウムが聞きかじった人間のことばをそのまま繰り返す。来客の前でどんなに体裁を取り繕っても、オウムやこどもが何気なく発した口真似で飼主や親の隠しておいた日常がバレてしまう。
「♏19オウム返し」とトラインになるのは「♋19夫婦と認める」。蟹座は水の活動サイン、はじめの水。その数え19度は結婚式を執り行う司祭。「わたしとあなた」で「わたしたち」を作り、苦楽を共にしようと決めたふたりを神の前で誓わせ、神の名のもとに祝福を与える者。
蠍座は水の固定サイン、まんなかの水。その数え19度は耳を傾け、それから喋るオウム。♋19では誰と結婚するかが大問題。この人と本気で一緒になるんですね? 誓えますね? ♏19ではオウムが誰から学習するかが大問題。あなた、うんこうんこ連呼したら飼鳥が覚えちゃいますよ?
「♏19オウム返し」とスクエアになるのは「♌19屋形船で宴会」。獅子座は火の固定サイン、盛夏の火。その数え19度はハウスボート上のパーティー。ハウスボートは水上へ浮かべた船に家屋を建ててある。足元不安定な場所で、堅苦しいこと抜きにウェイウェイユラユラ無礼講。
蠍座は水の固定サイン、仲秋の水。その数え19度は聞きかじったことをそのまま口真似してしまうオウム。♌19は船だか家だか曖昧な会場で上下関係の曖昧な宴会をする。♏19はオウムが人間の片言隻句を文脈も何も無関係に覚えて繰り返す。一歩間違えばどちらも大惨事。
♌19のハウスボート無礼講パーティーも♏19のオウムも、タイミングによっては硬直した雰囲気を引っ掻き回し、人々の緊張を解き、笑いを呼ぶ。ただ、最悪のタイミングでそれが放たれれば笑いごとでは済まなくなってくる……少なくともおしゃべりオウムの飼主にとっては。
「♏19オウム返し」は蠍座後半(復路)第1グループ(はじめ)第4度数(マスオ)。蠍座前半(往路)で♏19と対になるのは同じ第1グループ(はじめ)第4度数(マスオ)「♏4共同体参加」。若者がロウソクを捧げもち儀式へ加わる。以前は一般参列だったけれど今日からは運営側だ。
「♏19オウム返し」は裏「♏4共同体参加」だ。はじめて儀式に参加する若者は儀式運営の先輩から振舞い方を教わる。粗相があれば先輩の監督不行届。♏19のオウムは♏4の若者と同じ、見聞きしたことしか真似出来ない。おしゃべりオウムの失言は飼主の言動を鏡写しにする。
うまれたときのホロスコープで「♏19オウム返し」はどこにある? 2018年11月10日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう
「○○○○で(五音・ハウス) 徹底的に(蠍座) 意識する(太陽) 聞いた言葉をオウム返しに(♏19)」
お手本は選ぼうな……
【♏19オウム返し をより深く理解するための比較対照シンボルリスト】
♐19孟母三遷(となりのサイン)
♑19子供の使い(60度)
♒19山火事鎮火(90度)
♓19老師直伝(120度)
♉19新大陸浮上(180度)
♋19夫婦と認める(120度)
♌19屋形船で宴会(90度)
♍19早い者勝ち(60度)