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「be動詞なんでなんですか」の思い出

本題に入る前に近況報告とお知らせを少々。Twitter(自称X)がまた要らぬ仕様変更を告知してきてタイムラインが大騒ぎです。ツイッタランドをとうとう見限って他のSNSにアカウントを作る人が続出し、昨日(後の備忘として残しておきますが2024年10月17日)はBlueskyが一時的にログイン不可能になりました。おおめんどくさい。

Twitter(自称X)がいよいよダメになった場合に備えて、当番はタイッツーとMastodonとBlueskyにもアカウントを持っています。Twitterほど頻繁な投稿はせず、もっぱら #サビアンシンボル物語 とnoteの更新告知のみですが。そしてもちろん、こちらnoteにも当番はおります。どこの媒体でもユーザーネームは「星見当番」です。当番以外に星見当番を名乗っているユーザーはいないと思います。一応ThreadsとInstagramにもアカウントだけは取ってあります。投稿してないけれど。

さて本日の記事は2019年9月26日のツイートまとめ。発端は「中学時代にbe動詞の不規則っぷりに『なんでbe動詞ってこうなんですか』と質問したら英語の先生に『いいからまず覚えろ』と頭ごなしに言われて教えてもらえなかった。それで意欲をなくした」から始まる「ちゃんと教えろ、こどもの芽を摘むな」「まず『そういうもの』として覚えることも大切」「説明して応じても理解しないことだってあるのに」「そもそもどう説明したら/どの辺まで説明したらわかってもらえるのか」他、「Twitterのいつものやつ」。そのとき当番が連投した話。

以下、当時のツイートまとめ。

学生時代、補習塾でバイトをしていた時に実際その質問をしてきた子がいて「実はもっとたくさん分かれている言葉があってね……」「英語はいま少なくなっていく途中でね……」「すごく未来には全部isで済むようになるかもしれないけれど君の受験には間に合わない……」という話をざっくりしたことがある。「ややこしいよねえ。『なぜなんですか』には答えられないんだけど」の前置きつき。

当番、大学のとき第二外国語がドイツ語だった侍。

なお、この話の半分は当番の中学時代の英語教師の受け売りでもある。単元はbe動詞ではなく三単現のsだったけど、「なぜ三人称単数主語で現在形だけ-sが?」という話に「ここだけ残ってしまったんだ」「今もまだ全部違うままの言語もあるんだ」という話を授業中にしてくれた。

「そういうものとして覚えるしかない」も間違いじゃないんよ。東洋の島国に居るアジア人から見てどんなに理不尽で不規則で非効率に見える言語規則でも、実際それを使って生きてきた/生きている人たちがいる言葉だから。言葉はそのまま生活であり歴史であり、そこを受けとめることが対話の第一歩なんでな。

実際、「どう答えるのがベターであるか」は「相手を見て調整するのがベター」でもあるしな。時間や理解度や、双方のキャパもあるしさ。塾講バイト時代、当番のした説明に食いついてくれた生徒もいたし、スペースキャットになっちゃった生徒もいたしさ。

(そんな長い答えが来るとは思っていなかったやべえ)とかでスペースキャットになったりするからな。正しくて詳しければいいとも限らない。

時間に余裕があれば「日本語にも『そうなってしまっているので覚えるしかない』ような不規則なやつ、あるよねえ」という話も振ってたな。「羊が『いっぴき、にひき、さんびき、よんひき』とか、物によって数助詞が変わるとか、日本語ネイティヴじゃないとマジわけわかんなくてつらいんだってよ」とか。

まあ、これは業務上雑談に分類されてしまうので塾講としては本当に時間の余裕があるときしかできなかった話なんだけど。基本的には問題集やってもらって採点しながら解説っていうのが要求されている業務だったし(個別指導の塾だったから)。

だから3年間色んな生徒を教えて、こういう話したの片手の指で足りるくらいだったな。

「そういう質問をしてくるってだけでもかなり意欲的な子なんだからその芽を摘んじゃいかん」っていうのは、半分合っていて半分合っていない、と当番のささやかな経験上思うな。意欲的で本当に疑問で訊いてくる子半分、覚えることが多すぎてキャパ超過でちょっと文句垂れたくなった子半分くらい。

どっちのパターンにしても、なるべく相手はした方がいいとは思うけどね。ちょっとイヤになってちょっと文句垂れたくなった子に対して、純粋に疑問を解決したい子に対するのと同じ説明をしても効かないのよね。「覚えるのイヤで文句言いたくなった?まあ大変だよね」から入った方が有効な生徒もいた記憶。

(勉強に)意欲的っていうか、純粋な疑問にせよちょっと疲れてグチりたくなったにせよ「なんでですかー」とか「めんどーいー、やだー」とか口に出してくれる子はこっちに心を(ある程度)開いてくれてるんだよね。たとえ勉強自体には意欲的でなくても、先生とのコミュには意欲的っていうか。

それ(おとなへ働きかけて何か自分に有効なものを得ようとする意欲)をおとなの側から潰しちゃいかんよなあとは思っていた。当の生徒と7歳くらいしか離れていない若造だったけど、向こうからすれば19や20の「先生」でもおとなだしさ。

黙りこくっちゃって、固まっちゃってて、「なぜなんですか」どころか「もうイヤ、むずかしい、やりたくない」すら口に出せないお子さんよりはずーっとありがたいんだからさあ、「なぜ」とか「やだ」とか「つかれた先生、タイム、タイム!」とか言ってくれるお子はさー。

ただ、1コマのうちに何度も、とか勉強に戻りたくなくて時間稼ぎで話を仕掛けてくる、って生徒さんも当時いたからさ。「雑談は終わりだよ」とか「今は問題文に取り組むよ」とか注意喚起する必要があったりもしたんだよね。1コマ全部夏休みこども相談室英文法編をやっているわけにもいかなくてだな。

ってかNHKラジオで夏休みこども電話相談室英文法編とか国文法編とかがあってさ、全国の語学ガチ勢キッズからマニアックな質問が電話で来て英文法や国文法の偉い先生とか国語辞典の偉い編集者が熱くアンサーする番組があったら当番かじりつきで聴くね!やって!!!

そうしたら、be動詞なんでなんですかに対応しきれない学校の先生も「そういう疑問を持ってしまったキッズにおすすめのラジオ番組がこの夏休みにあってだな」って紹介できるし、いいんではないか?夏休み語学こども電話相談室やって。文法キッズと文法先生たちのアツいお電話聴きたい。

【2024年10月18日追記】
当番が講師のバイトをしていたのは補習専門の個別指導塾です。当番は大学1年から3年、19歳から21歳までの3年間そこで教えました。生徒の範囲は小学3年生から高校3年生まで。もう土星が一周するくらい昔の話で、be動詞の不規則性に音を上げていた生徒達も今はアラフォーになっているはずです。ねえ、30年経ってもbe動詞が全部 is ひとつで済むようにはなっていないね。あの頃の中学生たちの中には今、中学生のお父さんやお母さんになっている子もいるかもしれない。「言葉は変わるものだから遠い未来には全部 is ひとつで済むようになるかもしれないけれど、今年の受験には間に合わない」ネタは今年も現役、きっとまだ当分現役。

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