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西洋占星術の出口は「こくご」

2019年に連投した #アストロ短歌 についてのツイートまとめです。

何度か申し上げていますが。西洋占星術本に「このサインにこの天体が来たら12×10(または12×12)で120(144)通り」は載っている。「このハウスにこの天体が来たら120(144)通り」も、「ハウスカスプがこのサインなら144通り」もある。でも「このハウスにこのサインのこの天体が来たら1,440(1,728)通り」はない。

市販の西洋占星術本に「このハウスにこのサインのこの天体が来たら1,440(1,728)通り」はない。なぜないか? 「やったらどうなる?」を考えたら、おそらく1,440通り(1,728通り)を書く執筆者が過労で死にます。校正係も死にます。レイアウトでデザイナーが死にます。担当編集者も死にます。

当然、ページ数が増えて印刷費が爆発します。そして高価格になり購入者のお財布が爆発します。そして各方面がすごく頑張ったのに1,440通りなり1,728通りなりを全部熟読する奇特な読者はたぶん0.5%くらいです。サイン×天体144とハウス×天体144とハウス×サイン144の合計432だって熟読しないのに。

432項目(サイン天体+ハウス天体+ハウスサインの項目数、ノード抜きなら120+120+144なので384)、網羅的に書き出すだけでも結構な労力。それだって読者は自分や調べたい対象の該当部分しか読まない。まあ国語辞典を隅々まで読む人はいないからそれはそれでいいのだけれど。

市販本の「サイン×天体」を読んで「解説のうち、この部分はサインのスタイルを、こっちの部分は天体の望みを語っているのだな」と脳内で要素を抽出できる人は120(または144)通りの解説を12×10(または12×12)の組み合わせとして認識できる。抽出できない人には120(144)通りのまま。

「ハウス×天体」「ハウス×カスプのサイン」も同じ。解説を読んで要素を分解抽出できる人と、すべてを互いに無関係の144通りとして捉え、自分に必要な箇所の丸呑みで終わりにする人がいる。前者にハウスサイン天体の1,728通りは必要ない、自前で三要素を組み合わせることができるから。

市販の西洋占星術本で「サイン×天体」「ハウス×天体」「ハウス×サイン」を拾い読みし、自分で「何ハウスに何サインの何星」というかたちに総合してみようとする。この「三要素を総合する」段階でつまづき、「わかんねーよ!」になる人は「総合する」の前段階「抽出する」ができていない。

「サイン×天体」「ハウス×天体」「ハウス×サイン」解説のどれかを読むときに、脳内で「サイン」「天体」「ハウス」に分かれてその芯の意味が腑に落ちるまでよく噛む。それができていなくて丸呑みにしている部分がある。その丸呑み部分が「三要素を総合する」の邪魔をする。

「二つの要素の組み合わせニコイチ文」を要素別に抽出できない。すると「ニコイチ文Aとニコイチ文Bを自分で分解抽出し、三要素を組み合わせたサンコイチ文が作れない」。作れないと「サンコイチ文の正解だけが欲しいなあ」と思う。でもニコイチ文が噛めないならサンコイチ文はもっと噛めない。

結局、ニコイチ文をよく噛めなくて丸呑みした場合、サンコイチ文も丸呑みすることになる。組み合わせをつくるパーツがよく見えていないから、組み合わせが自力でできない。だから応用がきかない。これは西洋占星術の能力以前に、文章読解力の問題。文章をよく噛めていない。

読解力、読解力、読解力! 文中から要素を分解抽出する力! 抽出した要素を組み合わせ総合する力! 重複を削り、繋がりの悪い箇所に適切な言葉を補ってニ十字以内にまとめる力! みんなみんな小中学校レベルの国語の試験に出たやつ! 西洋占星術の入口は算数だけど出口は国語!

本当はね、本に書いてある「サイン×天体144」「ハウス×天体144」「ハウス×サイン144」の組み合わせ例を拾い読みする前に、その前段階として本に書いてある「ハウスとはそれぞれこんな場所」、「サインとはそれぞれこんなスタイル」、「天体はそれぞれこんな意味」を理解する必要がある。

「ハウスとはそれぞれこんな場所」、「サインとはそれぞれこんなスタイル」、「天体はそれぞれこんな意味」を理解し「ハウスとサインと天体は互いにどのように違うのか」を理解していれば、「何ハウスに何サインの何星」の意味は自力で組み合わせ文を作り理解することができる。

だけど、多くの人が「自力で組み合わせ文を作る練習」をしない。「自力で組み合わせ文を作る練習」の前提となる「各ハウスの基本的な意味」「各サインの基本的な意味」「各天体の基本的な意味」を覚えない。既に組み合わされた正解の文を求めて、すぐ解答ページをめくっちゃう。

それはかけ算の文章題を解こうとしないで、問題集の巻末をめくって「36」という答えだけ丸写しするようなもの。それは英作文や英文読解の練習をせず、辞書も引かずに問題集の巻末をめくって正解の英文や訳文を丸写しするようなもの。それで算数や英語の力がつくわけない。占星術も同じ。

#アストロ短歌 のテキストには単語帳がついている。12ハウス・12サイン・10天体2ノードそれぞれの基本的な意味2つずつと、厳選したキーワードを6つずつ入れてある。だけど、このテキストには解答ページがない。めくって正解だけ知ることはできない。正解を知るには手順をよく読んで自分でアストロ短歌を作るしかない。

どの項目も、リストから選べることばはひとつずつ。「この項目からは選ばない」はできない。ハウス・サイン・天体の順番にことばを並べる。これを守れば、どの組み合わせでも意味が通るように調整してある。「不正解」はない。どれも「正解」だから恐れることなく作文すべし。

プロの先生方の智慧の結晶、模範解答を読むことは大事。自力で作文をしてみてからもう一度先生方の模範解答を読むと、それがどれだけすごいか、練習する前よりずっとわかるよ。

すごい先生方の模範解答例を読んで丸呑みするだけで、自分で解答を作ってみようとしないのは、算数や英語の問題集を自分で解かずに正解だけを丸写しにするようなもの。そのスゴさもその仕組みもわからず、そのレベルに近付くこともできない。

だけど解きかたを知り、解く練習を重ねてから模範解答例を読み解けばスゴい先生方のスゴさが以前よりもわかり、以前よりも仕組みが見えるようになり、そしてそのスゴいレベルに以前よりも一歩、近付いたことになるんだ。その一歩を重ねていけばゆっくりでも着実に、そこへ近付いていく。

厳選アストロ単語帳とアストロ短歌の作りかたは『はじめてのアストロ短歌電子版』と『アストロダイスワークブック』に収録(アストロダイスワークブックを持っていれば、アストロ短歌テキストは買わなくて大丈夫。丸々再録されているから)。


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