【第1夜・優先順位の妖精】尻込みちゃんと3人の尻叩き

2021年4月28日のツイートまとめに大幅加筆したものです。元のお話はこれ。

【前回までのあらすじ】
占い師を目指して勉強してきたのに、いざ占い師として有償で営業していこうという段になったら「あれは怖いこれは無理」と言い出して先へ進もうとしない2021年のソロ活占い師志望者・人呼んで尻込みちゃん。2023年からやってきた「未来の尻込みちゃん」は、2年半前の自分へ向けて「3人の尻叩き妖精」を送り込むと宣言したんだとさ。

【第1夜の尻叩き・尻込みリストに順位をつける】
最初の夜にやってきた尻叩き妖精は白髪がちらほら混じった引っ詰め髪のおばちゃんだった。彼女は「自分は『優先順位の妖精』だ」と名乗った。

「まずはあなたの尻込みリストを見せてもらおうかね」

尻込みちゃんの尻込みリスト
その1 SNSをやる（何書いたらいいの😭）
その2 ブログをやる（文章苦手😭）
その3 音声配信をやる（ひとりで喋れない😭）
その4 受付用フォームを借りる（スマホしかない😭）
その5 カフェ鑑定をやる（コロナだし😭）
その6 占いのことを友達に言う（知られたら大変😭）
その7 占いのことを家族に言う（絶対内緒😭）
その8 お店/会社のオーディションを受ける（怖い😭）

「完璧だね」と優先順位の妖精は言った。「ソロ活占い師志望者の『営業及び宣伝活動のためやることリスト』としてまさに完璧」

【尻込みちゃんのここは褒めたい😄】
「やった方がいいこと」のリストアップはできている

【尻込みちゃんのここはダメ😠】
そのリストを片っ端から「やれないリスト」に書き変えている

優先順位の妖精は言った。「まずはリストの全部をムリ！と言うのをヤメにして『一番ムリ』と『二番目にムリ』を決めてもらおうかね」

「全部ムリですー😭」

「それ言い続けるならムリじゃなくなるまで全部やってもらうよ。一番ムリと二番目にムリを決めたら、この尻叩き妖精も鬼ではないので初手ではそのふたつを免除してさしあげよう。何なら『一番ムリ」から『八番目にムリ』まで順位をつけてもよござんす」

「難しいですー😭」

「順位がつけられないならカードを引いてランダムに挑戦するかね？ その場合一番ムリな課題が真っ先に当たるかもしれないが」

「😭」

「初回ツートップ免除とどっちがいいかね？」

「……全部に『一番ムリ』から順位をつけた場合どういう順番になるんです？😭」

「『一番ムリ』と『二番目にムリ』はそこまでムリなら初回免除。残りは『いちばんムリじゃないやつ』から順番にひとつずつやることになるねえ」

「……他の道はないんですか」

「残念ながらそのリストはほぼ完璧なんだわ。『SNSをやる』『ブログをやる』『音声配信をやる』『受付用フォームを借りる』『カフェ鑑定をやる』『占いのことを友達/家族に言う』『オーディションを受ける』。このリストは本当にほぼ完璧。いやぁこんな完璧なリスト誰が作ったんだろう……ああ、昨今はもうひとつ別の道がある」

「何ですか？」

「『動画配信』だが」

「😭」

優先順位の妖精は首を振り振り言った。「まあ何事も先例というものがある方がやりやすかろう。とある『元』ソロ活占い師志望者が実際につけた優先順位の実例というやつをお見せしよう」

「その人、今はソロ活占い師なんですか」

「尻込みちゃんにしてはいい質問だ。答えは否だ。ソロ活はしているが、狭義の占い師、いわゆる鑑定家をしているわけではない」

「えー！」

「だが星見当番をやって20年になる。ブログ歴20年弱、SNS歴13年。断続的にだが西洋占星術の講座を複数回開き、雑誌記事の監修を依頼され、西洋占星術の同人誌も売っている。ものすごく売れているわけではないが2020年度からは毎年確定申告が必要なレベルの稼ぎがある」

はい、というわけでここからは当番自身の実話です。

いやあ尻込みちゃんの気持ちはわかる、気持ちだけはわかるよ。尻込みちゃんの尻込みリストのうち、「カフェ鑑定」「家族に言う」「オーディションを受ける」は当番も尻込みしてるもの。当番と尻込みちゃんの違いは「8つの尻込みリストのうち3つがダメなら残り5つは死ぬ気でやるしか」と決めたこと。

あ、大ウソぶっこいた。ブログとSNSは当番別に死ぬ気でやってるわけじゃなかったわ、息をするようにできている。死ぬ気でやったのは受付用フォームを借りるのと、音声配信（ツイキャス）。あと講座の会場をどう探しどう予約するかとか、テキスト書きだとか。

当番自身、尻込みリストはあった。当番の尻込み順位をお見せしよう（尻込み度数の単位を「尻」とする）

第1位 お店/会社のオーディションを受ける（5尻）
第2位 鑑定（4尻）
第3位 家族に言う・友達に言う（共に3尻）
第5位 音声配信をやる（2尻）
第6位 受付用フォームを借りる（1尻）
第7位 SNSをやる・ブログをやる（共に無尻）

「無尻（ノー尻込）」の「SNS」と「ブログ」は「既にやっていたから」。「5尻」の「オーディションを受ける」と「（カフェ）鑑定」については、この際白状しよう、長年「当番のやりたい方向性の活動ではないし、向いている気もしない」と言ってきたが実のところ「尻」である。

「実のところ『尻（尻込み）』である」と言ったって、たぶん当番とリアルで話したことのあるあの先生やこの先生には全部バレていると思う。もちろん当番自身、それが尻込みであることをいちばんよく知っている。後ろめたいんだぜえ尻込みを尻込みではないかのように言うの。

「占いお店/会社のオーディションを受ける」「（カフェ鑑定を含めた）鑑定をする」という「占いのプロとして誰もが思い浮かべるメジャーな道」のふたつが特大の尻（尻込み事案）であった当番は、「これを避けて通るならば他のものには尻込みしてはいられない」という背水の尻状態だったのだ。

幸いなことに当番は「ブログ」と「SNS」はバリバリやっていてノー尻込みだったので、ここへ更に力を注ぐことにした。そして新しいことについては、当番にとって尻込み度が低いものから順番に攻略している。「受付用フォームを借りる（やった）」→「音声配信（やった）」→「家族/友達に言う（まだ）※」

（※2021年時点の話。2023年現在「家族に言う」は実績解除。というか実態は「筆名・星見当番で雑誌に載り、見本誌が筆名宛で届いたため家族にバレた」。「友達に言う」については当番はいちど軽率に教えて失敗したので慎重姿勢。これについては後日書きます）

学校で言えば「勉強で上位が望めないから、運動部で頑張ってスポーツ特待を目指す」とか「国語と英語の点は取れるけれど数学と体育は万年最下位だから国語と英語だけは毎回最上位を狙う」とか、その手の戦法です当番がやっているのは。特大のムリ案件があるんだったら他でカバーする、当番はいつもそれ。

【優先順位の妖精からすべての尻込みちゃんへ宿題】
「『尻込みちゃんの尻込みリスト』を使って、『自分の尻込み順位表』を作ろう。デジタルでもいい、手書きでもいい。完成させたら必ず作成日付と名前を入れること」

「『全部が同じくらいムリ』でもそこで思考を止めない。『本当にこれだけは泣くほどムリ』なものと『あれをやるくらいならこっちの方はまだ出来そう』なものがあるはず。自分と向き合い、自分に正直になって尻込み順位表を完成させよう。順位をつけられたら『ムリすぎるツートップ』は初手では免除。『比較的ムリではないもの』から順番に挑戦していこう」

【再掲・尻込みちゃんの尻込みリスト】
その1 SNSをやる
その2 ブログをやる
その3 音声配信をやる
その4 受付用フォームを借りる
その5 カフェ鑑定をやる
その6 占いのことを友達に言う
その7 占いのことを家族に言う
その8 お店/会社のオーディションを受ける

【優先順位の妖精より】
「ここから先は『何から取り組んでいくか』によって担当の尻叩き妖精が変わるよ。『受付用フォームを借りる・カフェ鑑定をやる・家族に言う・友達に言う・オーディションを受ける』のうちどれかから取り組むならば第2夜『お膳立ての妖精』が尻を叩く。『SNSをやる・ブログをやる・音声配信をやる』のうちどれかから取り組むならば第3夜『発信の妖精』が尻を叩く。どちらの尻を先に叩かれるか決めてから続きを読もう」