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双子座12度「口達者な子」

2018年6月1日22時14分、トランジット太陽が双子座数え12度へ入ります。双子座数え12度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「口達者な子」

「♊12口達者な子」の原文チェック。スマホを紛失したので画像の添付すらできないのであった原文ベタ打ちで載せるわ!1925年ジョーンズ版は

A Topsy saucily asserting herself
「生意気に自己主張するトプシーのような子」

A Topsy と人名なのに不定冠詞 a がついていることにご注目。

Topsy というのは、ハリエット・B・ストウの『アンクル・トムの小屋』に登場する黒人奴隷の少女。この詞文がただの Topsy saucily asserting herself であれば、言及されているのは「あの」 Topsy 。ただし、ここでは不定冠詞 a がついている。これはTopsy 本人ではない。

誰もが名前を知っているような人名に a がついたら、それは本人ではなく「どこかの集団にいる『そのひと』を思わせるひと」のこと。a Sazae-san と言ったらサザエさん本人ではなく、「(たとえばご町内の)いかにもサザエさん的なひと」を示す。A Topsy は「トプシー的な子」

ではトプシーってどんな子?というのは後で説明することにして1975年ルディア版原文チェック。ルディア版では

A Negro girl fights for her independence in the city.

(今はNegro とは呼ばないですね、a black girl と呼ぶでしょう)「ある黒人の少女が都会で自分の自立のために戦う」

「♊12口達者な子」の番地チェック。双子座前半(往路)の、第3グループ(おわり)の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数と対になり、第1度数のテーマを裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。

このグループの第1度数(波平)は「♊11新たな地平」だった。新しいマップが開放された。さてどこから攻略していこうか。「♊12口達者な子」はそれに続く第2度数。『アンクル・トムの小屋』に登場するトプシー「みたいな」女の子が、持ち前の口達者ぶりで自分の道をきりひらく。

「♊12口達者な子」のモデルであるトプシーをここでご紹介しよう。このために図書館から『新訳 アンクル・トムの小屋』(小林憲二 監訳 1998年 明石書店)を借りてきたので…第20章が丸々、この少女の初登場場面に割かれていて、章題も「トプシー」だ。

トプシーは8歳か9歳くらいの少女で、黒人奴隷。ある裕福な白人一家のちゃらんぽらんな主人によって、ある日突然屋敷へ連れてこられた。そして主人の従姉であり屋敷の家政一切を取り仕切る老嬢ミス・オフィーリアに託される。このトプシー、かなりふたちゃんっぽい子である。

彼女の描写には、特に目への言及が多い。「くりくりした輝く目」「ガラス玉のようにきらきら光り」「きょろきょろと落ち着きなく眺めている」。顔立ちには賢さと抜け目のなさが入り混じっている、と描写される。手先は器用で仕事の覚えも大変に早いが、その一方で手癖が悪い。

手先が器用で仕事の覚えも速いが、その一方で飽きっぽく根気のなさが見える。決して怠け者ではなくむしろその反対なのだが、縫い物など根を詰める作業からは逃げたがる。頭の回転はかなりよく、教えれば読み書きをすんなり覚える。物真似・音真似の才能がある。

おそろしく口が達者。体裁の悪いことや品のないことも包み隠さず口にして女主人の肝を潰すほど。一方で必要とあらば嘘をつくことも厭わない。「盗みの罪を認めなければ許してもらえない」と踏むと、ぬけぬけと「嘘自白」を並べたてるあたりアン・シャーリーめいている。

「猫のようにしなやかで猿のように活発」「動きは訓練を受けた手品師のようにすばしこかったのに加えて、顔の表情を取り繕うことにかけては並大抵のものではなかった」「小妖精めいたところがある」と描写されるトプシーは屋敷内でたちまち頭角をあらわす。まさに水星の申し子。

トプシーは彼女をないがしろにする者には手ひどい悪戯で反撃するが、自分を守る必要がないときには気前がよく、仲間のこどもたちにおやつを分け与えることもある。あっという間に屋敷じゅうのこどもたちを束ねてガキ大将となる。彼女は賢くてしたたかな女の子なのだ。

賢くてしたたかなトプシーだが、彼女は黒人奴隷であり孤児であり、ミス・オフィーリアに預けられるまでは殴られて育ってきた。アメリカに奴隷制があった時代、黒人奴隷で・女で・未成年というマイノリティのトプシーが生き抜くには強く賢く、どんな手でも使う必要があった。

トプシー関連の年表。『アンクル・トムの小屋』1852年。南北戦争は1861年から1865年。ジョーンズとウィーラーによるサビアンシンボル透視実験は1925年。『風と共に去りぬ』は小説が1936年初版で映画は1939年公開。公民権運動は1950~60年代。2016年公開の映画『ドリーム(Hidden Figures)』は1961年が舞台。

「♊12口達者な子」は双子座前半(往路)第3グループ(おわり)の第2度数(フネ)。双子座前半他グループの第2度数と比べてみよう。「♊2サンタ襲来」と「♊7古い井戸」。1がテーマを打ち出し、2がそれを裏打ちし、そのいいとこどりで3がうまれる法則はグループ間でも成り立つ。

第1グループのフネ「♊2サンタ襲来」と第2グループのフネ「♊7古い井戸」をいいとこ取りして第3グループのフネ「♊12口達者な子」がうまれる。来てくれることを信じていれば、サンタは寝て待てる。釣瓶井戸は古めかしいけれど、人間が生きる上で欠かせない水を隠し持っている。

サンタの贈り物をもらう権利は、井戸の水を飲む権利は、黒人の女の子にだって等しくある筈だ。ラクに手に入る物ならちゃっかりといただき、ラクではなくとも欲しいものならあの手この手で我が物にする。「だって私も人間だもの」トプシーはシレっと自己主張する。

うまれたときのホロスコープで「♊12口達者な子」はどのハウスにある?今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 抜け目のなさを(双子座) 発揮する(太陽) ただでは起きぬ口達者な子(♊12)」

#サビアンシンボル物語

【♊12口達者な子 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♋12転生した賢者(となりのサイン)
♌12夏の夕涼み(60度)
♍12あなただけ(90度)
♎12資源の採掘(120度)
♐12目覚めの刻(180度)
♒12立位置を知る(120度)
♓12入会試験(90度)
♈12自由往来(60度)

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