牡牛座29度「靴職人コンビ」
2018年5月19日午前9時24分、トランジット太陽が牡牛座数え29度へ入りました。牡牛座数え29度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「靴職人コンビ」
「♉29靴職人コンビ」の原文チェック。黒字がジョーンズ版、青字がルディア版。一字一句違わず「Two cobblers working at a table 同じテーブルで作業をするふたりの靴直し職人」。不定冠詞 a にご注目。英語を日本語に訳すときに落とされがちな単数複数の違い。a table で two cobblers が作業をしている。
当番が高校時代にお世話になった英語の先生は、学校の先生も塾の先生も当番に口を酸っぱくして言った、「日本語へ訳すとき、単数と複数の違いを意識して拾え。日本語は単数複数が曖昧なことばだが、英語を日本語の感覚のまま単数複数をぼかして訳すと絵が変わってしまう」
当番がお世話になった英語の先生(たち)はまた、こうも言った。「定冠詞 a をいつも判で押したように『ひとつの』と訳せということではない。その a は日本語では『ある』のこともあるし『同じ』のこともある。英語を正確に読みとった絵を作り、その絵を日本語にしなさい」
「英語→日本語にする→日本語にしたものを頭の中で絵にする」ではなく「英語→英語のまま読み取って絵にする→絵を日本語にする」をやりなさい、と当番の恩師ふたりは当番に教えた。Two cobblers working at a table を絵にする。cobblers はふたり、table はひとつ。
「『ひとつの』テーブルで作業しているふたりの靴直し(cobbler は cobble 靴の修繕 をするひと)」。日本語として間違いとは言い切れないけれど「『同じ』テーブルで作業をしているふたりの靴直し」とした方がわかりやすい日本語。靴直したちはひとつのテーブルを共有している。
「♉29靴職人コンビ」の番地チェック。牡牛座後半(復路)の、5度ずつ3等分した第3グループ(おわり)の、第4度数。どの5度組でも第4度数は第3度数と対になる。その第3度数は第1と第2度数のこども。磯野家で言えば第4度数はマスオ。
牡牛座後半第3グループの流れを磯野家でおさらい。「♉26熱唱伊達男」が波平、恋心を歌という文化でラッピング。「♉27民芸品売り」がフネ、自文化の産物はやがて他文化への売り物にもなる。「♉28モテ熟女」人生経験が磨いたおとなの魅力。そして「♉29靴職人コンビ」が登場。
cobbler とは cobble(靴直し)をする職人。イチから靴を作るのではなく、傷んだ靴の踵を取り替えたり底皮を張り替えたりする。下駄の片減りを削ったり鼻緒を挿げ替えたりするような感じ。自転車や自動車のパンク修理するような感じ。和服で言ったらさしずめ、悉皆屋さん。
靴直し、自動車修理、宝飾品リフォーム、服の仕立直し、家屋のリフォーム。価値ある品物の数だけ「その修理業者」が存在する。「使い潰して、捨てて新品に取り替える」ではない使いかた。「部品を交換して、傷みを修復して、長く使う」というありかた。
「♉29靴職人コンビ」はふたりでひとつの作業台を共有し、傷んだ靴をコツコツ直す。さあ出来上がり。これからも手入れ次第で長く履けるよ。靴を直しに出したことがなくても自転車屋さんや家電屋さんに修理を頼んだことがあるひとなら、かれらのような職人さんに出会っている。
「♉29靴職人コンビ」は「♉28モテ熟女」と対になる。こんな言いかた、すごくイヤだけどもモテ熟女は「新品」ではない。長い時間をかけて、直し直し、手入れを重ねて今のモテ熟女がいる。おろしたての靴がピカピカなのは当たり前。履き込んだ靴がピカピカなのはお手入れの証。
cobble には「継ぎはぎする」という意味もある。継ぎはぎしたものは、新品同様とはいかない。だけど人は、継ぎはぎされ直し直し時を経てきたものに独特のよさや面白さを見出すことがある。それを「景色」と呼んで愛でることすらある。たとえば金継ぎされた茶碗なんかを。
花の色はうつりにけりないたづらに。若さを失い、年古ることを恐れなくていい。汚れ、すり減り、傷むことを恐れなくていい。傷んだ部分は取り換えられる。歪んだかたちは整えられる。汚れは掻き落とすことができる。油脂を塗り磨けばまだ光る。手入れをすればよみがえる。
「♉28モテ熟女」だけではない。「♉26熱唱伊達男」が歌うセレナーデも、「♉27民芸品売り」が売るビーズ細工も長い年月をかけて皆が直し直し、今のかたちに作り上げたもの。だから今でも古びない。手入れをされ続けるものたちは、手入れされるだけの価値があるもの。
「♉29靴職人コンビ」は牡牛座後半(復路)第3グループ(おわり)の第4度数(マスオ)。他グループのマスオたちと比べてみよう。まず牡牛座前半(往路)第3グループのマスオ、「♉14干潟遊び」。前度数「♉13資金稼ぎ」は労働、「♉14干潟遊び」は文字通り遊びのシンボルだ。
「欲しい→稼ぐ→買う→嬉しい」だけのサイクルでは心身が休まらない。たまに童心に帰って浜辺で遊ぼう。ヤドカリのように生活のため荷を負う労働者としての自分は棚上げしよう。傷んだ靴は「♉29靴職人コンビ」に預けて、労働にくたびれた心は潮風で洗おう。
牡牛座後半第1第2グループのマスオズとも比べてみよう。第1グループのマスオは「♉19新大陸浮上」押し上げる力が押し下げる力を上回ると海を割って大陸が現れる。第2グループのマスオは「♉24首級を挙げる」倒した敵の精髄を取り、わがものとする。
1と2をいいとこ取りして3がうまれる法則はグループ間でも成り立つ。「♉29靴職人コンビ」は「♉19新大陸浮上」と「♉24首級を挙げる」の一対をいいとこ取りしてうまれたこどもと考えることもできる。不要なものを取り除き、弱い部分を補強し、よい部分を残し機能を蘇らせる。
新品のうちは、若いうちは、大したお手入れをしなくてもピカピカきれいでいられる。「お手入れをしなくては輝きを保てないおとな」を若さゆえの驕りで見下したり、若さを失う日を恐れたりする。でも有能なメンテナンス職人を味方につければ、年を重ねることは恐ろしくない。
「価値がある」ってどんなこと? 古びても、傷ついても、直し直し手を入れながら、それを身近に置きたいと思えること。新品のピカピカには戻らないかもしれない。もう新品時代から残っているパーツの方が少ないかもしれない。かけた手間暇と愛着が、元の値打ちに上乗せされる。
かけがえのないもの、おいそれと新調するわけにはいかないものほど「修理屋さん」が栄えるもの。たとえば京都にはありとあらゆる分野の修繕屋さんがいるよね。価値あるものは維持されるもの。多くのひとの手を借りるもの。作業台まで分けあって、分担して直すもの。
何になら修繕の手間をかけられる? 誰にならそれを預けられる? それを失ったら後がないというかけがえのなさか、直してまで手元に置きたいという愛着がなければ修繕には出さない。それを確実に直してくれるという技術への信頼がなければ安心して預けられない。価値はそこにある。
うまれたときのホロスコープで「♉29靴職人コンビ」はどのハウスにある?今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう
「○○○○を(五音・ハウス) 手に取るように(牡牛座) 意識する(太陽) 修理中靴職人コンビ」
【♉️29靴職人コンビ をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♊29自由を謳歌(となりのサイン)
♋29どちらが重い(60度)
♌29人魚姫の登場(90度)
♍29啓示を得る(120度)
♏29母の助命嘆願(180度)
♑29茶殻占い(120度)
♒29羽化に成功(90度)
♓29スペクトラム(60度)
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