「黄道360度と1年365日。差の5日はどこ行った?」の話
2018年1月の連投まとめです。当時の解説ツリーはリンク先
「「黄道360度と1太陽年365日。差の5日はどこ行った?」の話」
https://twitter.com/i/events/957080487985426437
実は太陽は約365日で360度を巡りますが、必ず1日1度動くとは限りません。季節によって速かったり遅かったりします。1日にふたつのサビアン度数を通過したり、2日かけて1度をゆっくり通ったりします。
太陽の動きというのは、地球自体が太陽の周りを回る(公転する)動きを地球視点で捉えたものです。私たちは地球の上にいて、自分たちが動いているという感覚がない。太陽が動いているかのように感じている。で、太陽が一定速度で動かない、というのは実は地球が一定速度で動いていないからです。
どういう仕組か、はリンク先を見ていただく方が早いです。当番自身も、3年前に知って目からウロコが百枚落ちた解説です。地球の公転軌道は楕円なんですね。太陽に近いところ(近日点)を通るときは公転速度が速くなり、太陽から離れたところ(遠日点)を通るときは遅くなる。
当番はちょうどこの解説に出会った頃に毎日一首ずつ #サビアン一首 (サビアンシンボルを一度につき一首の歌にしたもの)をツイートしていたのですが、太陽の運行に合わせていると冬場は一日につき二首ツイートしなければ間に合わない日があり、夏場は逆に中一日お休みをして調整する日がありました。
先ほどの引用ツイートから「春分~秋分(春と夏)」と「秋分~春分(秋と冬)」の太陽の平均速度を計算してみてください。春分点は牡羊座数え1度、秋分点は天秤座数え1度。「牡羊座数え1度~乙女座数え30度」までは180度、「天秤座数え1度~魚座数え30度」までも同じ180度です。
地球の実際の公転軌道は楕円であり、太陽に近いところと遠いところがありますが、黄道12サインは地球を中心に据えた円環で考えます。実際の距離として何万キロメートル動いた、とは測れませんから、動いた距離は地球を中心にして「一周360度のうち何度動いた」と角度で測ります。
さて、そんなわけで黄道一周360度、春分点~秋分点直前(サインで言うと牡羊座数え1度から乙女座数え30度まで)は180度。このエリアを太陽が運行する時期、地球は公転軌道の遠日点近辺を動いているのでノロノロ運行。180度分を186日かけて通過します。度数を日数で割ると一日に動くのは0.9677…度。
逆に日数を度数で割ると、この時期に度数が1動くのにどれだけの時間がかかるかがわかります。186日を180度で割ると1.03333…日で1度動くとわかります。春夏は、太陽が1度動く(次のサビアンシンボルに変わる)のに単純計算でざっくり1日と48分弱かかる。
秋冬、つまり秋分点~春分点の時期(太陽が天秤座数え1度から魚座数え30度までを通過する時期)はどうかというと、180度を179日で通過してしまう。180度を179日で割ると1日に動くのは1.00558…度。179日を180度で割ってみると、太陽の度数が1度動くのに冬場は0.99444…日=23時間52分しかかからない。
私もこれ、自分で毎日1度ずつ追ってツイートしようとして初めて気付いたんです。タイミングよく解説ツイートが(しかも明石天文科学館の館長さん発信の)フォロワーさんからRTされてきてうわわわわー!すごい、これだ!となった記憶があります。ケプラーの法則!
「サビアンシンボルは360個、1年は365日。太陽が約1日で1度動き日替わりでサビアンシンボルが変わるとして、はみ出る5日はどうなる問題の長めな解説」。これ、実はサビアンシンボルの問題というより「太陽は実際1度をどのくらいの速度で進むのか?」という問題。
「太陽は約1日で1度動く(または1日で約1度動く)。だから太陽のサビアンシンボルは『ほぼ日替わり』だ」と覚えているといずれ行き当たるのがこの度数360度と365日の問題。これ単純に「365日で360度回る」で割り算しても「あっ、1度動くのに実際は1日と20分かかるんだ?」とわかります。
当番も、サビアンシンボル覚えたての頃はこの理解でした。「太陽は約1日1度動くけれど、365日を360度で割って平均速度を出してみると1度動くのに丸1日と20分かかっている」サビアンシンボルを360の短歌にした #サビアン一首 を日替わりでツイートし始めるまでは。
最初のうちは、1年のうちに平均的に5日の休みが出現するんじゃないかと思っていたのですが、毎日太陽の度数が変わる時刻をチェックしていったらどうもそういうことじゃないっぽい。1日に2度分= #サビアン一首 をふたつツイートしないと間に合わない日がある一方で、春夏には5回以上「1日休み」が出現。
何でこんなことになるのか?太陽と月は逆行もしないのに、実は動きが速くなったり遅くなったりしている?と首を捻っていたところに、再度引用しますがこの解説がRTされてきたわけです。解説している方のプロフィール拝見すると明石市立天文科学館の館長さんです。ありがたや。
https://twitter.com/INOUE_Takeshi_/status/646651105623977985?t=ly3RWI4bNS_vnQ78PBRAMA&s=19
「太陽が(実際には地球が)春分点から秋分点まで動くのに186日かかる」「一方秋分点から春分点へ戻るときは179日で戻る」解説元様がおっしゃるとおり、これはカレンダーで日数をかぞえるだけで知ることができる。「なぜそうなるか?」は…図で解説されてやっとわかる。
これね、実はサビアンシンボルに絡めなくても構わないんですよ。カレンダーで日を数えて「太陽が12サイン(春分点・夏至点・秋分点・冬至点を基準にどのサインも30度ずつ)を通過するとき、サインによって滞在日数にバラつきがあるのはなぜか?」という問いだって成り立ち得るの。
春分点から秋分点まで、6つのサインが入ってる。どのサインも30度ずつ。合わせて180度。この180度を太陽(くどいようだが実際は地球)が186日かけて動くのならば、ごく単純に割り算しても「春夏の太陽は30度の幅を31日かけて動いている」…でしょ?さあカレンダーまたは天文暦で実際の日数を確認しよう。
一方、秋分点から春分点へ戻るルート。天秤座から魚座まで30度ずつ6サインで180度の道のりを太陽(地球)は179日で足早に駆け抜ける。春夏は30度動くのに平均で31日かかっていたけれど秋冬は30日で30度を移動し、どれかのサインはひょっとして29日で抜けてしまう。さあ滞在日数が短いのはどのサイン?
この公転時の位置によって天体の速度が変わるの、太陽(地球)だけではないよ。地球の周りを公転する月も楕円軌道だから、近地点(地球に最も近い点)付近ではえらい速さでサインを移動し、遠地点(地球から最も遠い点→これを西洋占星術ではリリスと呼ぶ)付近ではゆっくりサイン移動しているはず。
さあ天文暦とカレンダーの、あるいはグルグル機能付き占星術計算ソフト(スタゲ様もしくはアマテル様)の出番ですぞ。月のサイン移動日時を見て、いちばんゆっくり1サインに留まっていた期間といちばん素早く1サインを駆け抜けた期間を探そう。月がゆっくりの期間、リリスが月の近くにいなかったかな?
ところで「ある天体の周りを楕円軌道でめぐる天体は、どうして中の天体に近いところでは速く動いて遠いところではゆっくり動くの?」については「ケプラーの法則」でググってくだされ。こっちの解説は当番の手に負えぬ――いや手に負えた方がいいのだけど負えたところで当番に解説させると長いよ…?
#ホロスコープスキー さんの #月星座シール を使ってる子はいねがー!天文暦や西洋占星術用計算ソフトを持っていない、あるいは使いかたがいまいちわからないひとは月星座シールで月の移動日時をチェックしよう。あるサインに月が入ってから次サインへ移るのが速いときと遅いときがあるはず。
サイン幅は30度で固定だから、天体が短時間で駆け抜けるときは天体の速度が速く、長いこといるときは天体がノロノロしています。この一連のツイート、週末にでもモーメント作っておくね……
昨晩からの連投を1ツイートに収めるなら「太陽は約1日で1度動くけれど、春夏は少しのんびり運行・秋冬は少し駆け足運行。これは地球の公転軌道が楕円形であることに起因する。春夏は誕生日1日違いで太陽が同じ度数のひとが出がちで、秋冬は同じ誕生日で度数1度違いのひとが出がち」
しかも太陽年って厳密に365日ってわけでもないから、太陽が春分点=牡羊座数え1度アザラシ度数に入る日時も毎年微妙に変わるのは占星術クラスタの皆様もご存じですね。だから当番が某年12月5日生まれ太陽射手座数え14度だからといって2001年12月6日生まれのひとが必ず太陽射手座数え15度とは限らない。
自分の生まれたときの太陽のサビアンシンボルは、出生図で度数を確認してから調べましょう。