山羊座7度「神がかり」

2018年12月28日午前4時46分、トランジット太陽が山羊座数え7度へ入りました。山羊座数え7度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「神がかり」

「♑7神がかり」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A veiled prophet of power （ある）ヴェールをつけた力ある予言者」。青字が1975年ルディア版「A veiled prophet speaks, seized bx the power of a god. あるヴェールをつけた予言者が語る、ある神の力に憑かれて」この神は a god で単数形、小文字なので少なくとも一神教の神ではない神ですね。

「♑7神がかり」の番地チェック。山羊座前半（往路）の、5度ずつに分けた第2グループ（まんなか）の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数を裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。

「♑6鳥居とログ」が波平、テーマを打ちだす。アーチの並ぶ通路に丸太が10本、手付かずのまま対応待ち。進捗どうなってますか？ 「♑7神がかり」がフネ、波平を裏打ちする。ヴェールをまとった予言者（prophet）が現れる。prophet とは神の意志の代弁者、あらかじめ語る者。

サビアンシンボルどこかで見たシリーズ「ヴェール」。「♈23玉手箱」ではある女がヴェールに包まれた荷を運び、「♍12あなただけ」では花嫁がヴェールを剥ぎとられる。直接見たり見られたりを避けるために身にヴェールに包む。包まれたものは守られている/正体がわからない。

サビアンシンボルどこかで見たシリーズ「お告げ」と「憑かれる」。「♉21聖書占い」では目を閉じて聖書を開き、指が当たった聖句をお告げとする。無作為は神様の言うとおり、恨みっこなしよ。「♋25運命の肩ポン」では大きな力が個人を肩ポンする。さあ語りなさい、歌いなさい、あなたは指名されたのだから。

「♑7神がかり」の予言者は「♈23玉手箱」で運ばれる荷や「♍12あなただけ」の花嫁と同様ヴェールに包まれている。素顔が見えず正体がわからない。素顔を隠すのは「♉21聖書占い」で目を閉じて無作為に指すのと同じ。この人はいま誰でもありません、恨みっこなしですよの印。

ヴェールに包まれた、つまりある意味「名無しさん」状態の力ある予言者（A prophet of power）が、とある神の力に憑かれて語る。この「憑かれて」は seized 。「強い力で勢いよく掴まれる」という意味。擬態語であらわせば「ガッと、むんずと」掴まれる、が近い。抗えなさ。

いま、この予言者は自分の意志や考えで喋ってはいない。自分の言いたいことを「とある神様」の言ったことにして語っているのではない。「とある神様」がその予言者をむんずと掴んで、神様が言いたいことをその予言者に語らせている（とされる）。それが「神がかり」

集団のトップに立つ人間は「かしら」（♑1参照）だが、その「かしら」を導く者は誰か？「力ある予言者」に力を与え予言を語らせる者は誰か？常人を超えた者、その集団にとっての神や祖先の霊、集団全体を守ってくれるような力ある存在。

「かしら」や「力ある予言者」にその大きな力が味方している、大きな力が「かしら」や「予言者」を通じて語りかけている、と信じれば「おかしら（予言者様）の言うことは私欲ではなく集団のためなのだ」という納得が生まれる。人々は自分たちが神意にかなっているか知りたがる。

人々には「神だのみする気持ち」がある。「神がかり」はその「神だのみする人々」に神意を仲介する。その顔はヴェールに包まれていて誰だかわからない。わからなくていいのだ。神がかり中、予言者は神様のパペットになる。誰でもないし、誰でもいいのだ。中の人などいない！

「♑7神がかり」の対向シンボルを見てみよう。「♋7月夜の妖精」はそのまんま月夜に踊るふたりの妖精。妖精は自然界に働く見えない力の象徴。この妖精たちは巣作りに励む猟鳥（♋6）の後、鳥も人も眠る夜に現れる。ドングリの発芽を促しに来るトトロたちのように。

鳥たちは巣作りをし交尾して産卵する。人の子らはドングリを畑に埋める。そこまでは目に見える世界の話。卵の孵化、ドングリの発芽までにはすこしタイムラグがある。無事にうまれるようにと鳥や人が願いながら眠りにつく頃、見えない世界の住民、妖精がやってきて誕生を促す。

「♋7月夜の妖精」と「♑7神がかり」のオポジションは共に「見えない力の関与」を示す。猟鳥の産卵、サツキとメイの種まき、見える世界で起こした行動がよい実を結ぶかどうかは運任せ。見える世界の住民がどうにもできない「運」をよい方向へ変えられるのは妖精や神様たちの力。

「♑7神がかり」とスクエアになるのは「♈7一石二鳥」と「♎7弱きを守る」。♈7と♎7はオポジション（180度）で、♋7と♑7が作るオポジションと直角に交わる。活動サイン数え7度の火地風水が揃い踏みして十字を形成するグランドクロス。

「♈7一石二鳥」はふたつの領域で同時に自分を表現することに成功する男。♋7の妖精はものみな眠る夜にあらわれ、♑7は神がかりになっている間「自分ではない」状態になるが、♈7は同時に二つの領域で「自分」を表現する。「♎7弱きを守る」はヒヨコに餌をやりタカから守る女。

♎7の女は鳥を二種類に分ける。将来的に自分に利益をもたらすヒヨコと、そのヒヨコを捕食し、彼女と利害が対立するタカ。彼女はヒヨコの守護神であるかのように振る舞い、ヒヨコを狙うタカを排斥する。ヒヨコが生き延び、成鳥になれば食肉や卵となって女性の得になるからだ。

「見えない力による、見える領域への関与」を示す♋7と♑7のオポジションに対し、それに直交する♈7と♎7のオポジションは♈7が「ふたつの領域にまたがる」、♎7が「自分の身近な領域をふたつに分け、関わりかたを変える」の人間コンビ。

「♑7神がかり」とトラインになるのは「♉7異郷の出会い」と「♍7トップを狙え」。登場順は最後だが山羊座は地の活動サイン、はじめの地。地の固定サイン、まんなかの地の牡牛座が山羊座を裏打ちする。地の柔軟サイン、おわりの地の乙女座が山羊座と牡牛座をいいとこ取りする。

「♑7神がかり」がテーマを打ちだす。予言者は神の代弁者。語っている間はその人であってその人ではない状態。「♉7異郷の出会い」が♑7を裏打ちする。福音書の「サマリアの女」の話。サマリアの女はイエスにズバズバと質問し、イエスは神の子として彼女に直々に答える。

「♍7トップを狙え」が♑7と♉7をいいとこ取りする。♍7はハレム（後宮）。あまたさぶらふ美姫たちのひとりが指名を受け（♑7）、帝と直接対面し率直な交流をする機会を得る（♉7）。めでたく世継ぎを宿せば彼女は後宮の頂点となる。それを目指して美姫たちは競い合う（♍7）

「♑7神がかり」は山羊座前半（往路）第2グループ（まんなか）第2度数（フネ）。同じ山羊座前半の第1グループ（はじめ）第2度数（フネ）と比べてみよう。第1グループのフネが打ちだしたテーマを第2グループのフネが裏打ちする。

第1グループのフネは「♑2戦争の爪痕」、テーマを打ちだす。爆撃で大聖堂のバラ窓が割れる。集団同士がぶつかると集団を包む殻が破損する。第2グループ第2度数の「♑7神がかり」が♑2を裏打ちする。神が予言者をガッと掴み、代弁させる。予言者は神の力とヴェールに素顔を包まれる。

うまれたときのホロスコープで「♑7神がかり」はどのハウスにある？2018年12月28日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で（五音・ハウス）　役立つために（山羊座）　生きている（太陽）　顔も名前もない神がかり（♑7）」

#サビアンシンボル物語

【♑7神がかり をより深く理解するための比較対照シンボルリスト】
♒7親に似ぬ子（となりのサイン）
♓7無視されたもの（60度）
♈7一石二鳥（90度）
♉7異郷の出会い（120度）
♋7月夜の妖精（180度）
♍7トップを狙え（120度）
♎7弱きを守る（90度）
♏7深く潜る（60度）