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天秤座13度「夢みる力」

2018年10月5日16時16分、トランジット太陽が天秤座数え13度へ入りました。天秤座数え13度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「夢みる力」

「♎13夢みる力」の原文チェック。黒字の1925年ジョーンズ版、青字の1975年ルディア版ともに同じ「Children blowing soap bubbles しゃぼん玉を吹いているこどもたち」

「♎13夢みる力」の番地チェック。天秤座前半(往路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の、第3度数。どの5度組でも第3度数は第1度数と第2度数のこども。こどもは両親のいいとこ取りをする。磯野家で言えば第3度数はサザエ。

「♎11教授は老眼」が波平、文献の山へ分け入りすぎて「目利き」になったが老眼鏡が手放せなくなり、遠近ふたつの視野を使い分ける教授。「♎12資源の採掘」がフネ、石炭を掘り出す鉱山労働者たち。肺に悪い過酷な作業だが、そうまでして掘り出すだけの価値が石炭にはある。

目を傷めてまで文献の山へ分け入る教授(♎11波平)と肺を傷めてまで鉱山へ分け入る労働者たち(♎12フネ)、この働き者のおとなコンビから「♎13夢みる力」サザエがうまれる。まだ目も肺も傷めてはいない、働くことの何たるかもまだ知らない、しゃぼん玉遊びをするこどもたち。

天秤座前半第3グループ、親世代(第1度数♎11と第2度数♎12)は精力的な働き者コンビ。子世代(第3度数♎13と第4度数♎14)は遊びと休息ののんびりコンビ。「がんばる」の後に「がんばらない」がやってくる

新たな知見をうみだすために目を犠牲にする♎11の教授、部屋を温め、灯りの素となり(ガス灯用のガスは石炭から作った)、機械を動かす石炭を採るために肺を犠牲にする♎12の鉱夫たちと違い、♎13のこどもたちはしゃぼん玉をうみだすのに何の犠牲も払わない。

♎13のこどもたちは、しゃぼん玉を膨らますのにほとんど何の元手も犠牲も必要としない。♎11の教授や♎12の労働者たちのようにふたつの領域を往来したりもしない。わずかな石鹸水とストローと、自分の吐く息。それだけあれば美しく輝く球を無数にうみだすことができる。

こどもたちの保護者はそれぞれ教授だったり鉱山労働者だったりして世のため人のため自分たちの糧のために身を削って働いているかもしれない。その稼ぎによってこどもたちはしゃぼん玉遊びをしていられるのかもしれない。今のところこどもたちは生活の心配をせずに夢を見ていられる。

美しく輝く球を無数に飛ばす、それだけのことに大した元手は必要ない。その球に七色の夢を投影するのにも何の犠牲も必要ない。もっともしゃぼん玉は Easy come, easy go. (たやすく手に入るものはたやすく失われる、悪銭身につかず)の典型ですぐはじけてしまうのだけど。

「♎13夢みる力」の対向シンボルを見てみよう。「♈13爆破失敗」は成功しなかった爆弾の爆発。世の中に不満をつのらせた勢力が社会的抗議のために爆弾をしかけた。しかしそれはうまく爆発しなかった。失敗して、仕掛人は不満だろう。しかし成功したら多くの死傷者が出ただろう。

♈13では爆弾がうまく爆発しなかった。抗議は不成功で、ふくれあがる不満は解消されない。しかし死傷者は出なかった。♎13ではしゃぼん玉が次々とふくらまされて、次々と弾けていく。それで傷つく者は誰もいない。しゃぼん玉は儚い泡沫(うたかた)だと誰もが承知しているから。

しゃぼんだまとんだ
やねまでとんだ
やねまでとんで
こわれてきえた
かぜ かぜ ふくな
しゃぼんだまとばそう

「♎13夢みる力」とトラインになるのは「♊13心掴む名演」。双子座は風の柔軟サイン、おわりの風。その数え13度は自分のピアノを前にした名演奏家。ミュージシャンはその演奏で観客の心を掴む。生演奏ならなおのこと。音はうまれるそばから消えていくけれど、聴衆の心に残る。

天秤座は風の活動サイン、はじめの風。その数え13度はしゃぼん玉をふくらますこどもたち。しゃぼんの泡はうまれる端から消えていく。ピアノの音が空へ消えていくように。でも、本当に何も残らないのだろうか? 否。ライブの楽しさ、遊んだ楽しさ、音や色の美しさが心に刻まれる。

「♎13夢みる力」とスクエアになるのは「♋13親指目立つ手」。蟹座は水の活動サイン、初夏の水。その数え13度は目立つ親指がついた、すこし丸められている手。握力の強そうな、蟹のハサミみたいな手。親指が掌と向かい合ってついていることで「掴む」という動作ができる。

天秤座は風の活動サイン、初秋の風。その数え13度はしゃぼん玉を吹くこどもたち。♋13は掴む力の強そうな手だけれど、しゃぼん玉は触れたら壊れてしまう。触れないでいたってしばらくすると割れてしまうから、いっそ作るそばから割っていくのも楽しい遊びにはなるけれど。

なにしろしゃぼん玉が割れたって特に損害はないし傷つくこともない。しゃぼん玉は割れるものだし、ほんのすこしの石鹸水から無数に作れるものだから。すぐ消える泡だから、いくらでもまた楽しむことができる。短い夢だから、たくさん夢みることができる。

「♎13夢みる力」は天秤座前半(往路)第3グループ(おわり)第3度数(サザエ)。同じ天秤座前半の第1グループ(はじめ)、第2グループ(まんなか)のサザエズと比べてみよう。1がテーマを打ちだし2が1の裏打ちをし、3が1と2のいいとこ取りをする関係はグループ間でも成り立つ。

天秤座前半第1グループのサザエは「♎3新たな夜明け」。周期的によみがえり、全てを塗り替える日の出。第2グループのサザエは「♎8主を待つ家」。部屋は暖めてある、困ったらいつでも帰っておいで。よみがえりの♎3と今度いつ帰るの♎8から第3のサザエ、♎13がうまれる。

天秤座前半の第1サザエ「♎3新たな夜明け」は日々の刷新。第2サザエ「♎8主を待つ家」は放蕩者への愛。第3サザエ「♎13夢みる力」はしゃぼん玉を吹くこどもたち。割れても次々と新しい球体を空へ昇らせる(♎3)。こどもたちは遊び夢みることをゆるされている(♎8)

遊んでいたっていい。夢みていたっていい。役に立たない、すぐ消えて後に何も残らないことに夢中になっていてもいい。こどもなんだから。価値あるものを取ってくるために何かを犠牲にして働くのはおとなが引き受ける。こどもがするのは夢をみること、無駄なことをすること。

うまれたときのホロスコープで「♎13夢みる力」はどのハウスにある? 2018年10月5日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) センスのよさを(天秤座) 発揮する(太陽) 次から次へ夢みる力(♎13)」

#サビアンシンボル物語

しゃぼん玉の歌ではないけれど、「♎13夢みる力」ソングだと思うのは『メリー・ポピンズ』の「凧をあげよう」。仕事で心身を削って子の気持ちを無視していた男が仕事を辞めて子の凧を修理する。2ペンスの紙と糸で翼を持てるよ、足は地に心は空に、凧糸をぎゅっと握って

そして『メリー・ポピンズ・リターンズ』では「凧をあげよう」へのアンサーソングとも言える「舞い上がるしかない」が歌われる。「♎13夢みる力」の世界を見てみたかったら、両方聴いてみるといい

【♎13夢みる力 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♏13試行錯誤(となりのサイン)
♐13過去の露見(60度)
♑13聖火を拝む(90度)
♒13未来予測(120度)
♈️13爆破失敗(180度)
♊13心を掴む名演(120度)
♋13親指目立つ手(90度)
♌13老船長の回想(60度)

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