
猛暑の中で濃厚な香りをまとってみたら
こんにちは、フレグランス情報サイト「OL香り総研」を運営するJasmineです。
長い梅雨が開けてから、待ってましたとばかりに真夏の日々が続きますね。
この夏、チャレンジするなら難易度の高い香りを
香水をまとう上では、一般的に真夏は濃厚な香りよりもさっぱりしたものが好まれます。
柑橘系好き族の日本人が、ますますシトラス系をまとうのもこの時期です。もちろんいい意味です。
しかしこの夏は、いつもと違う夏です。
人と会うことを避けようとする夏です。
ならば、夏に嫌厭されがちな濃厚だったり、重めといった難易度の高い香りにチャレンジしてみてもいいと思うのです。
密を避ける生活様式だからこそ、ひと目ならぬ人の鼻を気にしなくてもいい…というわけです。
※そもそも在宅勤務がないお仕事や、通勤電車に乗らなければならない方、人と接するお仕事をされている皆さま、お疲れさまです。勤務中に香水をまとうなんてもってのほか!と気分を害されましたら失礼しました…
夏になると思い出すモンニュメロ10
そんな私は、先日、ラルチザンパフュームのモンニュメロ10をまといました。
ラルチザンパフュームが調香師ベルトラン・ドゥショフールと組んでたくさんの作品を送り出していた時代の作品です。
モンニュメロ10は、一言で表現するのは難しい個性的な作品です。
端的に紹介するならレザーの香りの中にフローラルやウッディー、お香などが入った、ヴィンテージのウイスキーのような重厚な雰囲気が特徴です。
一般的には真冬向けですが、私はあえて真夏にまとってみたくなる作品です。
以前、サイトの中でもモンニュメロ10を真夏にも…と紹介していました。
気になった方はこちらをどうぞ。
https://kaori-souken.com/archives/3463
夏のモンニュメロ10は性格が激変
真夏にモンニュメロ10をまとうと、私の場合は重厚な香りがポップな香りに変化します。これがまた、くせになるのですよ。
トップノートからミドルノートまでの変化のスピードはとても早いものになります。
まるで、倍速で音楽を聴いているかのようにあっという間のラスト。
その間にくるくると表情を変えるモンニュメロ10は、性格が底抜けに明るく変わってしまったかのようです。
あんなに重かったモンニュメロ10が、ポップで元気いっぱいな香りであるかのように…
夏は、似合わないとあきらめていた香りの再デビューにも良い
こうして暑くなってからモンニュメロ10で遊ぶと、そういえばあの香りはどうだろう、こっちはどうなるのかな、と色々遊んでみたくなります。
オードトワレやオーデコロンなど軽めの香水、シトラス系の香水はますます飛びが早くなり、変化を楽しんでいる余韻はないかもしれません。
重厚な雰囲気のものほど、変化が楽しめると思います。
これまで「重すぎて似合わなかった香り」を再デビューさせてみても面白いです。
肌に乗せてやっぱり重くても、高い気温が香りを走らせてくれます。
「あ、重い…」と思うのもつかの間、あっというまにラストノートへ。
変化のスピード感だけではなく、香りのカドが取れるのもこの季節ならではで、私の好きなところです。
暑い時期は肌に載せた香水がどんどん揮発して、香り全体がやわらかくなると感じます。それで、ちょっと無理だった香水とも「もう少し付き合えるかも…」と思い直す私です。
重い香りが似合わないという方、ぜひ、仕舞ってある重厚なフレグランスを再デビューさせてみてください。意外な発見があるかも…
夏は香水の季節になるのかもしれない
ソーシャルディスタンス、新しい生活様式があたりまえになりつつあります。
在宅勤務で他人と会わないのであれば、香害で誰かに迷惑をかける心配もありません。
混んでいる電車に乗らないのであれば、うっかり付けすぎてしまった重い香りで隣の人が慌てて立ち去ることもありません。
それなら、夏は香水の季節になるのかもしれません。なんて、妄想しています。