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アトリエをオンライン化してみて

一年前には想像していなかった

私がオンラインでアトリエをやることになるとは。

人前で話すことは、得意ではない。今までパリで開催していたアトリエは、少人数でリラックスしながら行っていたからその感じで続けることに疑問はなかった。内容も濃くすることができるし、一人一人と密にコミュニケーションを取りながら行うことができる。

実は前からアトリエをオンラインでも繋いで欲しいというお客様からの要望は届いていた。でもその方向に持って行く意識がなかった。エルボリストリの仕事がメインだったし、しかも昨年は妊娠中で。

ところがコロナを機にスタンダードが変わった。日本からフランスへ旅行やお仕事で来てくださるお客さんは、しばらく来ることができない。

動画で話すのが楽しくなってきた

オンラインで日本の方に向けてお話しするようになってから、距離は遠くなったのに、心の距離は縮まったような感覚がある。今まで届かなかった人たちにも、私の人となりを少しずつ知ってもらえているような気もしている。その感覚を味わえたから、一人でカメラの前で話すのはつまらないという心配は消えた。これは見てくれている方達のおかげだ。ありがとうございます。

最近インスタグラムへの投稿が少なくなってしまっていたが、インスタライブは以前からちょこちょこやっている。お知らせをしたりハーブやセルフケアのお話がチラッと出たり。このインスタライブの手軽さがあってこそ、ライブ配信を取り入れることができた。特段珍しい話をしているつもりはなかったのだが、喜んでくれる方達がいること、知りたいことを投げかけてくれたりと反応してくれる方達がいることを知ることができた。言い回しや無意識に多用している言葉など気になるところや改善点はたくさんある。私は元々早口で、情報を整理して話すのが苦手なので、ゆっくりと人に伝わる話し方を意識しながらやろうとしているがこれがなかなか難しい。息子の慣らし保育が終わって終日保育園に行くようになったら、訓練も兼ねて週一回インスタライブを行おうと思う。

基となる活動は大切にしつつ

フランスでも実地経験があるとないとでは大きく違う。いわゆる自然療法に関わる人は五万といる。人それぞれやりたいようにやればいいとは思うが、中には「〇〇は体に良くないからやめるべき」というように人に不安や警戒心を植え付けて自然のものを薦めるという極端な自然派思考の者も少なくない。そして、習ったことの受け売りをしても残念ながら面白いものにはならないということをいつも感じている。エルボリストリやコンサルテーションで相談をしてくれる人にしているようなフィトの取り入れ方を広げることが私の望みだ。

アウトプットを考えている人はまずは自分には何が出来て、それはどういう人に役に立つのか、喜んでもらえるのかを明確にしたほうがいいと思う。

同じものでも、個性で見せ方も届く場所も変わる

例えばYoutubeでも同じ品物のレビュー動画は山のようにある。でも人それぞれで魅せ方が違うから、たくさんあるから面白い。その中でも情熱が伝わってくるもの、その方の素が出ているものほど魅力を感じる。

実はここのところアトリエという言葉をあちこちで聞くようになったので、もうその言い方はやめた。アトリエとはフランス語で工房やワークショップを意味する言葉だが、なんだかありきたりになってしまった。それがどうこというよりはオンライン化することで « アトリエという場を提供して伝える »ということよりも、私を通してそこにある世界観を共有したいという感覚へと変化した。日本との距離を意識したからこそ生まれた感覚だ。

そしてこれまでもこれからも、新しいことをしたいという思いが常にある。植物療法の専門性を保ちながら、それをクリエイティブで洗練されたな世界へと持っていきたい。足を踏み入れた人、手に取った人が気持ち良く自然と自分のことを労れるように。

薬局勤務時代からの経験から言うと、薬剤師って意外と患者さんの生活スタイルのこと把握していることが多い。薬一つでも様々な要素が関連してくる。家族構成とか好きな食べ物とお仕事や趣味・・・それと同じ感覚でフィトって、いろいろな形でライフスタイルの一部となることができる素晴らしいものだから。


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