彼との冒険。
日本で言う常識とか、普通とか、そういった概念のない人との生活は、びっくりすることも多いですが、同時に心地よくもあります。
彼と実際にした冒険の話をしたいと思います。
無計画1ヶ月のバックパック旅行
旅行中の泊まる場所は最初の3日ほどしか予約していませんでした。その後は着いてから考えようということで、なにも決めずにマレーシアへ行きました。こういう旅をしたことがなかったので最初はドキドキしました。
バックパッカー達との出会い
旅のあいだに、多くのバックパッカーたちに出会いました。バックパッカー歴60年のイギリス人のおばあさん、1年以上旅をしているヨーロピアン、カナダ人のお母さんと息子さん、スウェーデンの女の子2人組、そしてバックパックを始めてすぐの日本人の男の子にも会いました。
様々な年代の人が、人生のあるところで一旦お休みを取って、旅をしていました。日本では高校を卒業したら大学、大学を卒業したら就職、就職と隙間なく日々を過ごしていきがちです。人生のあるところで立ち止まり、世界へと旅に出た人々との出会いは、
いろいろな生き方がある、立ち止まってもいい、豊かな人生とはなんだろう。
こういったことを考えさせてくれました。
バックパッカー達と会話をしていたのはほとん夫で、私はそばで「へ~!」と聞いていることが多かったです。
日本の人であれば知らない人にも話しかけられるのですが、(海外で住んでいるうちにできるようになりました。)英語を話さないといけない場合は一瞬でビビってしまいます。笑
彼を通して、様々な人生のストーリーを聞くことができました。彼がいなかったら知ることはなかったと思うと本当に彼と旅行してよかったと思います。
駅で寝る日もあった
行き当たりばったりの旅だったので、うまくいかないこともありました。ある日、電車に乗り遅れ、ホステルも近くにない状態に陥った私たちは一晩駅で過ごして朝を待つことにしました。
ちょっと怖いなと思ったのですが、寝れてしまった自分にも驚きました。
知らない人と合流して旅を続行
一人旅をしている人と、しばらく一緒に旅をしたりもしました。知らない人とこうやって縁あって一緒に旅をするのもいい経験でした。
川を見つけたら泳ぐ
ランカウイに行ったとき、自転車で山の上のほうを目指してサイクリングをしました。その際、天然のウォータースライダーともいえる細長く緩やかな川がありました。その川の先にはちょっとした池ができており、いかにも滑ったらおもしろそうという感じでした。
彼はためらわず自然のウォータースライダーに挑戦し、ぽちゃんと池に落ちていきました。そして、
「君も来い!」と言います。
少しためらいましたが、もちろんやってみました。池は意外に深くて、びっくり!でも楽しかったです。
一人なら絶対この深さにパニックになっていました。そもそも滑ろう思いませんが。笑
しばらくすると、他の外国人たちがどんどん集まり、水浴びをしたり、ウォータースライダーで遊んでいました。
ためらわずに、目の前にあるものを一生懸命楽しむって気持ちがいい~!
現地の人と話す
ホステル、ゲストハウスを運営している人、レストランで働く人、何かのきっかけがあれば、よく質問したり、話をしていました。
その中でも、あるマレー系の女性との会話は印象に残っています。
女性がモスクに入るときは、髪をかくさなければなりません。モスクにもいろいろあり、観光客が入りやすいところ、ローカルの人々が行くところなど様々です。観光地などをあまりフォローしていなかった私たちはローカルの人々が集まるモスクへとたどり着きました。着いたはいいのですが、観光客用のガイドラインなども確かなかったと思います。どうやって中に入ったらいいのか、あたふたしていました。
そこにある女性が車の中から「ここは観光客用ではないから、観光客の人がよくモスクに行った方がいい。」と教えてきれ、さらに歩いていた私たちを市内まで乗せて帰ってくれました。
彼女は私を助手席に乗せ、彼を後ろ誘導しました。女性の運転する車の助手席に男性が座ってはいけないそうです。
それを聞き、彼の好奇心が始動。彼女にイスラム教についてのいろいろな質問をし始めました。
しかし、その女性は「理解しようとしなくてもいい。違うということだけ認識していればいい。」と言うのです。こういうマインドが中国系、インド系、マレー系のマレーシアが上手くいっている理由なのだろうかと考えました。
確かに理解しようとしても100%理解できない世界もあります。実際、自分以外の人を100%理解することは難しいです。自分のことでさえ…((+_+))そういったとき、理解できないものを受け入れないとか、理解できないことをおかしいというのは確かに正しいとはいえません。
理解しなくても、そういう世界があると言うことを認識し、尊重し合うことが大事。
私は彼女の言葉を聞きこう解釈しました。
好奇心旺盛の彼は、彼女の言葉に少し不満だったようです。理解しようと努力していたのでしょう。
とにかく、こういった彼の好奇心のおかげで、彼女の貴重な意見が聞けたのは事実です。
新しい旅のかたち
以前は旅というのは、リゾートに行ったり、有名な観光地へ行って、写真を撮ったり、お土産を買ったりして非日常を味わいリフレッシュすることだと考えていました。もちろんそういう旅も好きです。
しかし今回の旅を通して新しい旅のかたちを学びました。彼にとって旅とは現地で過ごすということでした。現地の人々の生活を経験し、伝統や習慣を学びます。観光地なども行きますが、それよりもスーパーへ行ったり、観光地ではなくローカルの人が行くような場所を好んで行きます。
ある日、いつものようにブラブラしていたら、スパイスの香りが漂ってきました。「スパイス工場かな!?」と言った次の瞬間、彼は、
「中を見てもいい?」
と従業員さんに声をかけ中にずかずかと入っていきました。スパイスを作る機械などを見学し、簡単な説明もしてもらいました。
なんとなく歩くだけでも、アンテナを張っていれば、特別な体験に繋がるんだなと思いました。後ろをついていくだけの私は、彼を見習おうと思いました。
マレー、中華系、インド系といるマレーシアの人々の見分けもつかないまま始まった旅でしたが、アンテナビンビンの彼のおかげで旅の終わり頃にはマレーシアのことをいろいろと知ることができました。
まとめ
彼との旅は刺激的でワクワクの連続でした。旅だけでなく、彼との日常生活も冒険という言葉がしっくりきます。毎日驚きとワクワクを提供してくれる夫に感謝です。