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カレーリーフ植えてみませんか?

2000年2月に、元々うちの父親が栽培していた、沖縄のみかん「たんかん」をネットで販売してみようとwebページを立ち上げました。
まだ、スマホも、Googleも、Twitterも、もちろんnoteのようなサービスなんかなかった時代。ネットで情報を上げるには、パソコンでタグを手で打ち込んだり、それをアップロードする必要があり、ホームページビルダーっていうソフトで作った拙いページです。
それを見た、ハンドルネーム「怪しいおぢさん」って方から「カレーリーフを植えてみませんか?」と、突然メールが来ました。2001年ごろのことです。

今なら、そんな見ず知らずの、しかも「怪しいおぢさん」と名乗るメールなんか、迷惑メールで弾かれてると思いますが、そこはネットが普及し始めた頃です。そんな機能も警戒心も無い私は、とりあえずメールの内容を読んでみました。
やたらと熱い南インド料理、カレーリーフ愛溢れるメールでした。

南インド料理でどうしても必要なカレーリーフの生の葉。当地では、日本のお味噌やお醤油のような、コレがなくてはどうしても南インド料理が完成しない。そんなカレーリーフの生葉が日本では手に入らない。乾燥したものは手に入るが、いくら使おうが、生葉1枚入れた時と全く別物の料理の仕上がりになる。
自分はインドに仕事で赴任していた時に南インド料理に出会い、すっかり魅了されて、日本に帰ってきたら当然食べれると思ってたら提供する店がなく、自作して食べている。
自分や家族に出すだけでは飽き足らず、あちこちで料理会を開いて、参加者もかなりの数になるが、みなさん南インド料理は美味しいとおっしゃる。きっと南インド料理は流行る!
私は自前で育てて使っているが、それでは南インド料理の発展のためには足りない。どうしても商業栽培してもらわないと。
だが、熱帯の植物、本土では寒すぎて鉢植えじゃないと育てられない。では、亜熱帯の沖縄で路地栽培できるんじゃないか?と考えて、沖縄のみかん農家を探していたら、宮里さんを見つけた。
是非、栽培してください!絶対に売れます!
了承してくれたら、苗も提供します!

こんな感じのメールだったのですが、当時のメールは残ってなくて、覚えてるのがコレです。
今なら絶対怪しいと思うでしょう(笑)
ですが、当時の私は面白そう!と思ってしまったんです。(笑)
まあ、売れます!と言われてそうかな?ホントかな?と疑いましたが、売れる売れないは別として、なんとなく巻き込まれると面白い事できそうかな?
カレーは日本人が好きな食べ物だし、いつか大化けしたらそれに自分が関わってるって想像するのもワクワクだな。
全く知らない、南インド料理をいつも家で食べてるカレールーのカレーの延長でしか認識してない頃の私。南インド料理がそれとは全く別物だというのを知るのは、数日後のことでした。

カレーリーフに興味を持った私は、返事のメールをしました。同じミカン科の植物だから、うちの畑で育つかもしれない。でも、寒さや暑さなど、気候が合うかどうか分からない。失敗しても良いのだったら少し試してみても良い。
って感じでお返事をしました。

そしたら、すぐさまお返事が来て、何本必要か?もしよければ南インド料理を食べてください。
と、未知の食べ物南インド料理がクール便でやってきたのです。
食べてみると、スパイシーな味なのに、胃にもたれなく、すごく食べやすく、野菜がふんだんで、カレーというより沖縄のおばー達が作る、滋味あふれた料理に共通する料理でした。
コレは美味しいなぁーと、俄然植えてみたいとやる気が出ました。
まんまと、「怪しいおぢさん」の策略にハマった私でした。
この「怪しいおぢさん」こそ、今は東京大森でケララの風モーニングを開いている沼尻さんでした。
沼尻さんとの出会いが、我が家の農業経営も全く変わるなんて、当時思いもしませんでした。

続く

沼尻さんのミールスレシピ本 
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