FinTechスタートアップ経営者のための 豆知識その1 免許と法令遵守の枠組み
経営者は事業開発に忙しく、法令に沿った会社経営の知識が充分でしょうか。Fintechの場合は法令遵守やガバナンスの枠組みを理解していないと事業に致命的な打撃を受ける場合があります。
免許もらていますよね
顧客、投資家の金融資産を動かすことで手数料収入を得る場合、例えばPayPay は資金移動業登録、ビットフライヤーは暗号資産交換業者登録、ファンズは 第二種金融商品取引業登録、マネーフォワードは電子決済等代行業の登録をしています。提供するサービスに応じて必要な免許が違います。
登録申請して免許をもらうということは、申請書に添付した業務方法書、規程類が法律に沿っていて、その通りに運営をしているとみなされます。(参考 金融庁Website 申請・届出・照会)
監督されて処分もありますよ
当局、または協会等から運用上のモニタリングもされます。検査にもきます。登録申請した内容とは大きく乖離して法令違反をしている場合は、行政処分(業務改善命令、業務停止命令など)を受けることもあります。行政処分を受ける顧客からの信用低下を招き業績にも大きなインパクトがありそうです。(参考 金融庁Website 行政処分事例集)
監督指針、ガイドライン、業務方法書、規程類みたことありますよね
金融庁は監督指針やガイドラインを定めています。監督指針、ガイドラインの明示がない場合は業界団体(協会)がガイドラインやモデル規程を定めて金融庁が間接的に監督しています。これらは関連する法律に沿って会社を運営するための考え方を示しています。免許を申請した際に提出した業務方法書、規程類はこれらの指針、ガイドラインに沿ったものです。業務方法書、規程に沿った経営ができるような細かな手順を定めていくと、法令遵守につながります。申請時の規程が実際の業務に合わない場合は完全に一致しないまでも、今日範囲であることを示せる建付けの整理が必要です。
新しいサービスを始める際は業務方法書の変更に当たらないかの確認が必要です。Fintechは革新的なサービス提供を目指していますが、届出と違う内容、業務方法書のアップデートを届けていない、実際に法律違反であるとなると処分対象になります。
また、規程の定期的な見直しが必要です。免許をもらうために弁護士事務所に業務方法書、規程類一式作成依頼してそのままにして、規程なんて見たこともない社員多いということはないですか? そもそも免許を際にこのように運用しますということで規程類を提出しています。業務方法書、規程類を軽視していると後々モニタリング等で詰めらます。
まとめ
FinTechの "Fin" の部分 ファイナンシャルサービス、金融業は投資家保護、顧客保護の観点で規制が厳しく、当局の監督下に置かれます。一方で "Tech" の部分 テクノロジーは自由に革新的です。既存の金融機関はガチガチの規制には詳しいですが、革新的なテクノロジーには疎いです。ガチガチの規制の中で革新的なTechを生み出すのがFinTechであるのでと思います。
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