いじめられっ子
小学生のとき、私はとても大人しい子で
でも少し小賢しくて、どういう風に振る舞えば大人が喜ぶのか知っている子だった。
小学校に上がる前、実家が区画整理で立ち退きになり、転がり込んだお金で祖父と父が自営業を始めた。
最初の頃は上手くいっていて、ちょっとした成金になり甘やかされていた私は学校まで毎日父に送り迎えをしてもらっていた。
そのせいもあり、3年生まではいじめられっ子だった。
もちろん親に相談もできず、友達は幼なじみだけ。
周りの大人たちが私の顔をキレイだの整っているだの、容姿を褒めていることは認識していた。
「お嬢様ぶって」
そんな理由で、仲間はずれにされたり放課後は誰も遊びには誘ってくれなかった。
家で大好きな小説を読んだり漫画を読んだり、ただあまりにも集中しすぎて母親の呼んでる声が耳に入ってこず怒られたりもした。
転機が訪れたのは4年生の時。
祖父と父が揉め、別居をすることになり父と母、弟2人と団地に引っ越した。
と同時に、クラスのツートップだった女子にグループに入るよう言われた。大人しく何でも言う事を聞く私を奴隷のように扱った。でもこれでいじめられなくて済む。言う事さえ聞いていれば2人とつるんでいる私をいじめる子はいなかった。むしろ、今度は命令されるがまま他の子をいじめる側に回っていた。
まるで今までの復讐をするかのように、自分がされた事と同じことをして私の性格は段々と歪んでいった。