知らなかったのは私だけ?弘田三枝子のR&Bを聞いて、こんな歌手がいたのかと


  ながら音楽、ダンス、あるいは
カラオケでも楽しめる「サニー」は、
63年に書かれたソウルジャズの
スタンダード。世界のポップソング100曲
中25位、無数の人がカバーしている名曲だ。
英語のウィキペディアを開くと日本人歌手の
弘田三枝子(1947~2020)によるものが、
真っ先に紹介されていた。
 私がまだ小学生の頃の歌手で、
美容整形のせいで顔が一変したと両親が
話すのを覚えているくらいだった。
 しかし英語のウィキペディアには、日本の
コニー・フランシス(ビルボード誌の
アダルトコンテンポラリーの
シングルチャートで女性として初めて
1位を獲得、女性初のロックンロール歌手)
とあったので、さっそく聞いてみた。
 日本にもこんな歌手がいたのか、と正直驚いた。
76年、77年リリースのR&B、
ジャズスタンダード、ポップスを聞いたが、
「これはアメリカの歌だけど、誰かの真似じゃ
ないの。私の解釈、私の歌を聞いて」と
強く訴える。日本人らしく極めて丁寧に
一瞬、一瞬を精一杯楽しみながら、これは
私の天職だと言っているかのように。
  胸を張って、自分を愛せよ、自尊心を持てと、歌う
圧倒的な歌唱力のウィットニー・ヒューストンに
はない、少し頼りなげな可愛らしさにも共感した。
 いっぺんでファンになった。
 中学生の時にドキドキしながら聴いた「自由な女」の
キャロル・キング、米国からの帰国後、
友達の家で聞いて、こんなジャズの世界もあるのか
と衝撃を受けたチック・コレア…これに次ぐメジャーな
音楽との出会いだと思った。
 2020年に突然心不全で亡くなった。
公演スケジュールに合わせて帰国したかった。
ライブの後は世界が違って見えたに違いない。

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