イランの生活パート4
イランの結婚までのプロセス
私が住んでいるときのイランは日本のような本人同士の合意のもとの恋愛という観念はなくて、最初から親が関与します。男性が気に入った女性を見つけるとまず男性側の父親が女性側の父親とコンタクトを取ります。そしてお互いの合意の下でハステガリといって男性の方が母親や女兄弟などといった女性の身内を連れてお付き合いの申し込みに行きます。その時の花束とケーキなどのお菓子を持っていきます。
そして、しばらく男性側の家族と女性側の家族が歓談します。その時は相手の女性は表に現れません。しばらくすると女性側の親族が女性を呼びに行きしばらく歓談したあと、二人きりで別の部屋に行き話し合いをします。そしてその日はなにも決めないで男性側は帰っていきます。そのあと大体一週間以内に女性側がこれからお付き合いするかどうかの返事をします。そこでお互いがOKなら家族ぐるみの純なお付き合いが始まります。お付き合いが始まると大抵男性が女性の実家に入りびたりになります。そして一緒にご飯を食べたりテレビを見たりしながら親交を深めます。
そこで、お互いの価値観や性格などをみながらお互いがこの人となら結婚してもいいかな?!という雰囲気ななったら今度は離婚するときのいろんな決め事を両家と親せきが関与して決めます。これは日本人には馴染みの無いことなのですが、結婚前にあらかじめ離婚をした時の財産の分け方を決めるという事なんです。大抵は男性側が離婚のときの金貨を何枚女性に払うという金貨の枚数を話し合うのですが、ここはとてもシビアに決めていきお互いが納得いくまで話し合いは続きますがこの時点で折り合いが合わなくて破談になることもしばしばあるのです!
そして話がまとまると、今度は婚約式を家族や親せき近所の人などを招待して食事をふるまったり踊りを踊ったりしながら花嫁の実家(最近はホールなどでする人もいるが)で行います。そして、そこでイスラムの僧侶を呼びコーランを前に誓いのようなものをします。ハステガリから婚約までは1.2年とかの歳月がかかることが一般的ですがそれは、その人たち次第です。
そして、花嫁の父親は花嫁道具の一切を買いそろえ、花婿の父親は住むところを準備します。それは人によりけりですが賃貸だったり買い与えたりという形になります。そして、時期を見て結婚式をしていきます。
イランの結婚式の様子
イランの結婚式は日本とは全く違います。まず、男性と女性が別々の会場に入って思い思いにダンスを披露し場が盛り上がっていきます。なぜ男女を分けるかというとイスラム教が国教という事で女性の肌は夫以外の男性に見せてはいけないので、露出度の多いドレスなどをイランの女性は好んで着るので女性の会場には花婿以外は入ってはいけないのです。この日だけは花婿が主役ですので女性の会場に花婿が入るのはOKなのです。とはいえ、最近は警察の目をのがれて男女混合の結婚披露パーティーをする人たちも中にはいます。そして、2つの会場に新郎新婦が入ってきてダンスを披露しその時にお札を口にくわえさせてたり、衣装に挟み込んだりして祝福します。そして最後に食事をしてお開きです。
イランの招待客は日本のようにちゃんと席が決められているわけでもなく、来たい人が来るような感じもあるので近所の人が来たりもします。家庭によりけりですが花嫁の自宅で子のような式をするところもあるので、そういうところは誰が来てもはっきりいって分からないところもあるため、食事目当てで来る近所の人もいるようです。日本では考えられませんが・・・そして、式が終わると3日3晩新居に二人が部屋に閉じこもり朝昼晩のご飯はどちらかの母親が部屋に運びます。そして、することをしたという証明の布を(この辺はお察しください)母親に見せて新しい新婚生活がスタートします。このあと行きたい人は新婚旅行に行きますが必ず行くわけではありません。
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