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【竹本忠雄著『執行草舟の視線』読了しました】
皆様こんにちは。
初の執行草舟論、フランスの文化大臣を務められたフランス文学の巨匠、アンドレ・マルロー研究の第一任者、竹本忠雄先生による『執行草舟の視線』を読み終わりました。
本書の最大の特筆すべき特徴は、数多くの執行草舟の逸話の中でも、出版社からも、「信用を失うので、割愛した方が良い」と、執行草舟が助言を受け、普通なら話題に触れ無い、「城ヶ島の切腹未遂事件」と、「目黒不動尊の霊体験」に竹本先生が照準を当てられて居る事です。
執行草舟と、竹本忠雄先生は、三島由紀夫の50回忌で邂逅され、互いに、著作の愛読者だった経緯から交流が始まられたそうです。
若い執行草舟ファンの愛読者の方からも数多く、「執行草舟の本を書きたい!」というお申し出が有るそうですが、実際に書き上げられたのは、御年90歳の竹本先生ただお一人です。
竹本先生は、肋骨5本を折る怪我をされて、本書は、その治療の入院中にご執筆されました。
書けた先生と書けない人の違いは何かとの質問に、「肋骨を骨折されたこと」と御回答されていらっしゃいます。
執行草舟は、33歳迄に、医者から死を宣告された事4回、幼少期より、数え切れ無い大病、怪我に繰り返し見舞われ、そんな人物を論ずるには、それなりの覚悟が無いと書けないと仰られました。
社長の肖像画を描かれた画家の戸嶋靖昌も、末期ガンの余命宣告をされてから、改めて、執行草舟を世に広めなければと使命感に駆られ、書き上げた直後に倒れ込み、数日後に亡くなられてます。
死に対峙すると、執行草舟を世に広めなければと使命感に駆られる方は、他にも何人もいらっしゃるそうです。
霊性文明にご精通された竹本先生しか書けない、執行草舟の神秘体験が三島由紀夫の『美しい星』と螺旋状に絡み合いながら、ロマンチシズム溢れる情熱で書かれていて、読み進めるうちに、魂が震え込み上げて来る箇所が幾つも有りました。
特にラストの数ページは、涙を禁じ得ないクライマックスです。
執行草舟ファンの方も、そうで無い方も、人間の魂に触れる生き方を求める方には、是非とも読んで頂きたい1冊です。
心の奥深くに余韻が残る掛け替えの無い1冊でした。
竹本先生、素晴らしい本を世に出して下さりありがとうございました。
竹本忠雄先生と、執行草舟の『執行草舟の視線』についての対談の動画はこちらです。
https://youtu.be/x61yCfZP8f8?si=tX6fO_HfxTByyYjM