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カヲリウタvol.1(2018年前)

 この記事は、Twitterで掲載していた短歌を再掲載するものです。Twitterの先行きが不安なことと、ツイートをまとめる「モーメント機能」が使えなくなったことを受けて、noteに転載する次第です(こんなことを言うべきでないかもしれないが、noteもまたいつ終焉を迎えるかわからない)。

 「その日その時に詠んだのだ」という証を残したいという思いから、日付情報も付してあります。邪魔に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご了承ください。また、ハッシュタグを使ってツイートしていた場合はそれも一緒に書いてあります。

 この記事では、2018年の前期に詠んだ歌をまとめています。
(https://twitter.com/i/events/960066788355551232?s=20)


なお、これらの短歌が収録された短歌集、並びに短編小説集をBOOTHにて販売しております。もしご興味を抱いていただけたら覗いてみてください。


2018年1月19日
私以外の人といるときの方が君は笑って幸せそうだ

2018年1月19日
恋愛に正解なんて無いだろう だけれど僕は一つ求めて

2018年1月22日
風はげみ散りかひ曇るむつ花の白き肌へに触れましものを

2018年2月7日
新たしくひてわたる袖の香もかるる後には橘やなる
うちつけにひき降る雨に乱れぬるあやめのためにこひぢ澄むべし
いかにやらむ思ふとするに思はざる我か人かの見えぬ恋路を

2018年2月8日
ともに知る春かたまくに思ほえでとくもたをれる桃が枝のはな
君がためたをれしえだのささやかにくれなゐに染むももとせと思ふ

2018年3月3日
ひな祭りなんて関係ない私は午後の陽気に大の字で寝る
君の言う上位互換も私をさ愛してくれるわけじゃないでしょ

2018年3月5日
味噌汁が冷めるのを待つ間には君の顔だけ眺めている
春先になまあたたかく降る雨は中途半端な君の優しさ

2018年3月11日
春風に弛めく白のカーテンのさっと揺れたる君のスカート


2018年3月12日
「どうしたの?」
『なんでもないよ、あくびだよ。』
「またうそぶいて、悲しいくせに。」

2018年3月17日
「愛してる?」
『愛してるってば』
「本当に?じゃあ私のために死んでみて」

2018年3月27日
沈み行く卵の黄身を地平線は星の速さで食べてしまった

2018年4月11日
暖かく光差し入る春の昼に風吹き積みぬ桜の小径

2018年4月12日
本当の私なんていないけど私の全て知ってほしい

2018年4月12日
生ぬるく君のスカートを吹く風は春に浮かれた僕の欲情

2018年4月13日
岩舟の遠きに春も来たりけり花咲く山の経らずもがもな

2018年4月13日
ちりつもる桜の花のくれなゐに二つ染みぬる墨染めの袖

2018年4月13日
山桜早くも風に散りぬるか散る花びらのここだ知らせよ

2018年4月13日
新宿の園には人の多くある人に知られで見まほしきかな

2018年4月18日
天気雨にふっと傘を傾けて空を見上げる君の横顔

2018年4月18日
宇宙には僕と君とが二人いてただそれだけのただそれだけの

2018年4月19日
生きている時は赤色、
死ぬ時は白に染まって、
白に    染まって。

2018年4月21日
好き嫌い好き嫌い好き嫌い好き嫌い1枚足りぬ花びら

2018年4月26日
私には才能のカケラすらもない砂漠の中の一粒の歌

2018年4月28日
暑かったり寒かったりと定まらぬ春の天気は私の心

2018年5月1日
歌なんて歌なんてもの要らないのただ愛してるそう言ってほしい

2018年5月3日
生きにくき世に吹く風の強ければなかなか更に吹けよ帆に受く

2018年5月3日
好きな人に好かれるよりも誰かしらに嫌われる方がずっと楽だな

2018年5月4日
木漏れ日の綺麗な五月の昼下がり他の男の横で寝る君

2018年5月4日
胸なんて飾りに過ぎないそう言ったあなたはとても巨乳好き

2018年5月5日
耳元で好きと言ったら
くすぐったい
そう言い君は言葉を濁す

2018年5月6日
目の赤みは独り泣きつつ君なんかさっさと死ねって思っていたから