見出し画像

片付けと記憶

写真:授業のメモ こんなものまで残ってました
じっと眺めて読むと面白しろい
好きなテーマはやっぱりわくわくします


昨年よりぼちぼちと時間のある時にお片づけをしています

いろんなものがいっぱい出てきます


きちんと振り分けたり処分や整理せず

とりあえず仕舞い込んであったものたち


いや

どちらかというと

突っ込んであるというのが近いかな


忙しさにかまけると

そしてまた前ばかり向いて走っていると

それらが存在することすら

すっかり頭の中からきえてしまっています


まるで

透明人間になるマントをかぶると見えなくなるように

そんなヴェールに包まれて

そこに置いてあったものたち


お片づけって

利便性や衛生のため

空間を作るため

美意識のため

などなど


色々理由はあると思いますが

効率的に処分し管理する機会だけじゃなくて

有形無形のいろいろなものに出会う機会でもあるなと思いました

先日は机や書棚まわり

院生時代のものを一掃しました


たくさんのノートやメモ

テキストに文献のコピー

そして本


引き出しの中はがらくたでいっぱい


大叔母の日本髪の写真

貝殻

母が名前を書いてくれた幼稚園の名札

織り、金属、和紙でつくられた美しいしおり

かちかちになった消しゴム

猫のカードたち

お土産の乗り物が動くペン

短くなった色鉛筆やコンパス

底にはビーズとクリップがほこりまみれ

そして


大量の写真


改めてそれらを見ることで

すっかり忘れていた記憶が蘇ることもあれば

また同時に

全く記憶にないものまで

普段こんな風に振り返ることはほとんどないから

今回のお片付けは

自分の変遷とこれまでの軌跡を

ちょっと遠くから眺めるいい機会になりました


この写真に写っている私は確かに私なんだけど

私だったんだけど


誰か知らない人で、そしてとてもとても近い人という


不思議な感じを抱いています

可能なら会ってみたいなぁ

会って話してみたい

その不思議な感覚と同時に

自分のこれまでをとても愛おしいと思いました


長い年月もほんとうに一瞬のようです


たくさんの山も谷もあったと思うけれど

残っているのはやっぱりそれらの道のりが素敵だったということ

いろんな経験を積んでたくさんのものを受け取っていることに

あらためて気づきます


どちらかというと

前のめり

視線は未来に向いてしまう


だからこれからも多分振り返ることは

あまりないだろうなって思って

写真もほんの少しだけ残して

あとはシュレッダーに


この話をしたら

友人は笑ってました


もちろんひょっとしたら

いつかそれらを眺めたいって思うのかもしれないけれど


本当に大切にしておきたい宝物を

お菓子箱1つ位に収まるほど残したら

あとは思い切って

斬新的に

処分しました


すっかり忘れていたもの達なのに

それでも片付けると

なんだか軽い


何もかも私の中にある


だから

大丈夫


そう思いました


そしてお片づけは続きます

LOVE


※ 2019年8月に書いたものを移転しました