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私の履歴書 介護のお仕事編④-4

訪問介護KS

はじめた頃は…
施設(有料)やデイサービスとは違い

1人でケアを進めていく

その事がとても新鮮だった。

気楽と言うか…利用者さんとそのご家族
それ以外はあまり接しない事…
当時は「気楽」でいいなぁと思っていた。

ある日…社長から新しい訪問先の打診があった。

社「だいぶ慣れてきた所だし、かおりんのお仕事振りが安定的でこっちとしてもすごく安心してるの。新規の利用者さんの所に行って貰おうかな。」

認められたみたいでとても嬉しかった。

「はい!頑張ります!」

そう答えた。

訪問先M宅

寝たきりの方の排泄介助と食事介助…
それだけの訪問だった。

他にも同じ様なケアをするお宅は経験してる。
特に問題は無いだろうと…そう思っていた。

このお宅には、わたしともう1人のサ責
Rちゃん(もはやベテランの粋に達しているスーパーサ責)だった。

彼女は長年訪問介護をしているので
わたしからすると
大先輩同僚ということになる。
知識豊富…
肝っ玉も座っており頼れる存在だった。

さて…そのお宅…伺ってみると…
大問題が…あったのです。

ご家族様…

長いこと介護をされてきたのだが…
身心的な不調もあり…
介護は「他の方」にして貰う事になったのだ。

ただ…ケアをしているすぐ横で見られながらは
少々やり憎かったのは事実だった…

はじめましての時…

「はじめまして、M様のお世話をさせて頂くことになりました、KSのかおりんと申します。よろ…」

…しくお願いします。」と言い終わらない時

家「お世話!?ハハッお世話!」

と…ご家族が横やりを入れて来たのです。

(え?わたし、言う言葉間違えちゃった?)
戸惑っていると

家「まぁ、いいわ。お世話ね!どうぞ宜しくお願いしますね。」

…きっと…言葉が悪かったんだ…

「スミマセン、言葉が間違ってました。」

と…謝罪した。

家「もういいわ、オムツ替えたことある?」

か「はい、あります。」

家「やって!」

後ろで見ている…
(オムツを替えようとしていると)

家「あーーーー!違う!違う!違う!」

急にそう言われて驚いて固まって居ると

わたしの手を「ピシャリ」と叩いて来たのだった。

(え?何?)更に戸惑う

家「オムツはね!こうやって替えるの!」

わたしにやり方をレクチャーし始めたので
呆気に取られてしまった。

家「頭はね!飾りでついてるんじゃないの、効率良く出来るように、考えるために付いてんの!無駄な動きが多い!」

怒られた…

こんなに言われたのは初めてで…
泣きそうになったが…グッと我慢した。

車椅子に移乗し
台所で食事介助を行う…
食事はご家族が用意してくれている
ミキサー食…
誤嚥に気を付けなくてはならなかった。

(怖いよぉぉお…)

内心ドキドキしながらの食事の介助。
(また叩かれたら嫌だなぁ…)
利用者さんは、言葉が話せない
聞こえては居るけれど…
声をかけながら介助をしていくと…

「おぉぉぉぉ~‼️」

と…声をあげる利用者さん…
しまった…喉にたまってしまったか…
座位はしっかり保ててるが…
飲み込む力が…弱く…
わたしのペースが早かったか…

家「あぁー!可哀想に!なんて食べさせるのが下手な人だろう。」

罵られた…
もはやケア終了の時間が迫っていた…

家「もういいです。後はやりますから。」

そう言われ、記録もそこそこに…認め印を貰う。
わたしのせいで、このお仕事無くなるかもしれないな…。

心の中でそう思いながら
M宅を後にした…

車に戻って…叩かれた手を見ながら

「はぁぁぁぁ~っ」

と深いため息を漏らしたのは言うまでもない。
怖かったよぉぉ…と泣きそうになった瞬間

会社の携帯が鳴った。

出ると担当のケアマネージャーさんからだった。

CM「かおりんさん、お疲れさまでした~。
どうでした?無事に終わりました?」

ケアが終了する時間を見て様子を聞きたかったそうだ。

一連の出来事を話すと

どこの事業所もそれを嫌がって引き受けてくれないとの事を話された。
ご家族の気持ちを伝えられた…

「でも、わたし失敗しちゃったみたいで、お断りされるんじゃないかなと思ってるんです。すみません。」

そう伝えると
そんなことはないし、この先引き受けてくれる
事業所が無いことはご家族も承知していると…
そんな話をしていた。

次の訪問時間が迫っていたので…
早々に電話を切り車を走らせた。

次の日…一緒にM宅に入っていたRちゃんが
M宅に断られた事を知らされた。

(え?わたしは?わたしじゃなくて?)
そう思ったのだが…声には出さなかった。

Rちゃんから聞いた話だと…
食事介助の時に肘を付いて介助していたと…
ご家族から連絡があったそうだ。
Rちゃんが、そんなことするはず無い…
「わたし、そんなことしてないんだけどなぁ。」
と、彼女も言っていたが、こう続けた。

「ご家族が怖かったから、行かなくなってちょっとホットしてるよw」

そして、わたしがM宅の訪問を一気に引き受けることになったのだった…( ;∀;)

週2回…だけど…怖いよぉぉぉ…

なんとか…頑張れるのか?わたし…

介護のお仕事編④-5へ続く

※1人で訪問することが楽だったが
1人の重みを徐々に実感せざるを得ない
そんなエピソードでした。
このお宅…怖かったですけど…
ご家族の気持ちを汲み取ると…
分からなくもないなと…そう思えるように
なったんです。
施設入所を拒み、最期まで見て行きたい
そんな「意志」と、今まで介護をされてきた
「自信」と他人に家族を委ねる「不安」が
入り交じった、複雑な心境だったんだろうなと

ご家族も訪問する度に、怖くなくなり
世間話までするようになっていました。
「信頼関係」は1日じゃ成り立ちませんから
最後まで諦めないで良かったと思います。

最後までお読みくださり感謝します♡

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