タイムマシーンに乗って、赤ちゃんの私と対面した時のコト。
太陽の母・月の父
私の母はとても愛情深い人だ。
そして、父もひっそりと愛情深い人だ。
母は、とても明るく太陽の様な人で、
父は、無口だけど朗らかな月の様な人。
2人から愛情深く育てられたから、今の私がいると自負している。
でも、私が赤ちゃんの時に、
2人はどんな表情をして、
どんな言葉を私に伝え、
どんな風に育てていたのか。
まったく記憶がない。
そして、そんな事を考える事も今まではなかった。
息子を迎えるまでは。
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私に子供が授かったお蔭で、そんな疑問がフト湧いた。
私って、どんな風に赤ちゃんの時に両親から育てられていたのだろう?
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ああ、私もこんな風に愛されていたんだ
「なんて、良い子なんでしょう。」
「本当に可愛いわね~。泣いていても、なんて可愛いんでしょう。」
「うんちしても、全然汚いなんて思わないわ~」
里帰りをして1ヵ月ほど実家に戻り、父と母が息子に対しての接し方を見て驚いた。
特に、父。
ずっと、息子から離れないし、時間があると直ぐにあやしにやってくる。
そして、どんなに息子が良い子なのかを伝え続けているのだ。
2人の会話は、息子を褒めつつ、私の小さい頃の思い出が色々と溢れてくる様で
「貴方のときは・・・・」
と、私を育てた時にどうだったのかという事をとても楽しそうに話してくれた。
息子を通して、数十年前の私の姿を重ね合わせている様な両親の姿を見て、胸が熱くなった。
ああ、私はこんな風に二人に育てられてきたのか・・・
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タイムマシーンに乗って、自分が赤ちゃんの時に戻って、こっそりと両親の姿を見ている様な気持ちになった。
そして、ふと息子に掛ける言葉が、母と同じ言葉を私もかけている。
「なんて、可愛いのかしら」
思い出せる記憶に残っていなくても、無意識の中に刻まれている声や表情。
沢山の愛を降り注がれていたんだろうな。私。
私の息子も、いつかタイムマシーンに乗る日が来るかもしれない。
その時に、どんな事を思うのだろう。
貴方の父と母は、毎日に貴方に沢山の愛を降り注がれている事が無意識に刻まれるといいな。