FIBAワールドカップ 上海に行ってきた ④おまけ
2019年9月1日(正確には8月31日出発)から9月5日(正確には9月6日到着)にかけて,中国で開催されている FIBAワールドカップ を観戦するため上海に行ってきた。
今後海外遠征に行ってみたいという人に向け,また自らの備忘録として,ざっくりではあるが記録しておく。
最後のはじめに
ながながと書き連ねてきた FIBAワールドカップ 上海に行ってきた もこの記事で最後です。本来は現地観戦の感想を書いて終わりにしようと考えてましたが,書いているうちに書いておきたいことが湧いてきてしまいました。ふだんあまりアウトプットしない性分ですが,お付き合いいただければさいわいです。
この最後の記事では,海外遠征に行きたい・迷っている という人の背中を少しでも押してあげられることを書ければと思います。
アウェイ応援
アウェイでの応援が好きです。日頃応援している川崎ブレイブサンダース,川崎フロンターレともにここ数年はかなりの人気チームで,ホームゲームはつねにほぼ満席状態。言い方は悪いですが,私が声を出さなくても他に出してくれる人がいくらでもいます(それでも声を出してしまいますが)。
しかしアウェイは違います。最近でこそ川崎ブレイブサンダースもアウェイに遠征する人が増えましたが,私が初めてアウェイに遠征したBリーグ初年度などはぽつりぽつりとしかアウェイに遠征する人はいませんでした。非常に心細かったです。そこで声をかけていただき,一緒に応援した方々は今でも懇意にさせてもらっています。
昨年,ポートアリーナの奇跡 の数日後,私は台北にいました。FIBAワールドカップ アジア予選 2次予選進出を賭けた台湾との大勝負を応援に遠征したのです。
オーストラリアに奇跡的な勝利をおさめたとはいえ,この台湾に勝たないことには2次予選に進めません。この大一番でも日本から遠征した人は少なかったです。台湾の大声援にかき消されないよう,それはそれは声を張って応援しました。
試合は大勝となりましたが,勝ったときの高揚感と安堵は忘れられません。目の前で観戦していたJBA三屋会長,東野技術委員長,漫画家の井上雄彦さんといった方々も一様に私と同様の反応をしていたと記憶しています。
アウェイでの心細い応援の中,自分を見失わないように声を張りチームを応援する。負けたときは本当に惨め。でも勝ったときの喜びはホーム以上だと思っています。だから,私はアウェイでの応援が大好きです。
海外遠征歴
思い返してみれば,柿谷曜一朗 の代表初ゴールを見るために2013年に東アジアカップを韓国に観戦しにいったのが初の海外遠征でした。
2013年7月 EAFF東アジアカップ
女子 韓国-北朝鮮 @韓国 ソウル
男子 日本-中国 @韓国 ソウル
女子 日本-北朝鮮 @韓国 華城
男子 日本- オーストラリア @韓国 華城
2014年6月 MLS SJアースクェイク-LAギャラクシー @アメリカ パロアルト
2017年3月 ACL イースタンSC-川崎フロンターレ @香港
2018年2月 ACL 蔚山現代-川崎フロンターレ @韓国 蔚山
2018年6月 FIBAワールドカップ アジア1次予選 台湾-日本 @台湾 台北
2019年3月 ACL 上海上港-川崎フロンターレ @中国 上海
2019年9月 FIBAワールドカップ @中国 上海
日本-トルコ
日本-チェコ
アメリカ-トルコ
チェコ-トルコ
アメリカ-日本
2014年のMLS観戦は,とても好きだったアイルランド代表 ロビー・キーン の姿を一度でも見たく,海外出張に合わせてなんとか見に行ったものです。
その後,応援する川崎フロンターレが毎年のようにACL出場権を獲得するようになり,海外遠征を重ねていきました。毎年のように海外に連れて行ってくれる川崎フロンターレにはたいへん感謝しています。
異文化とふれあう
「自分の知識は限られている」「自分が間違っている可能性もある」ということを冷静かつオープンに受け入れられる人ほど、一般知識が多いことがわかっている。つまり、自分の無知を認め、受け入れることが、次の新しい学びの入り口になるといえる。
Lobsterr Letter vol.21 : To Know That You Don’t Know より
旅に出ると,否が応でも異文化にふれます。特に海外では,言葉が通じない。そういった環境の中で受け入れられるものとそうでないものを立ち止まって見てみると,文化の違いが浮き彫りになってくることがあります。文化の違いまで行きついたとき,あらためてそれが受け入れられるかそうでないかを考えてみてください。
今回の上海滞在で気づいた異文化とのふれあいを列挙してみます。
・英語が通じない
日本人だって英語が苦手だと思います。しかし,流暢に会話することはできませんが,ほとんどの人が通る学校教育で単語レベル,もしくはかんたんな文章レベルであればなんとか理解できます。
しかし上海ではそうではありませんでした。かんたんなレベルでも英語が通じるのは空港や観光地だけ。まちなかのコンビニ,料理店などでは何も通じません。年齢もあまり関係ありません。
日本の基礎教育が浸透していることがわかります。
・コミュニケーション好き?
上記の通り英語がほぼ通じないのですが,こちらが英語で話しかけると言葉が理解できないにもかかわらず中国語で何かしら返してきます。コミュニケーションをなんとか取ろうとしてくれているのだと思います。料理店で翻訳アプリを使って会話すると,とても丁寧に料理の説明をしてくれていることがわかりました。
まちなかで外国人に道を聞かれると,ソーリーと言って立ち去ってしまう日本人とは違うなと感じました。
・公共交通機関での荷物チェック
地下鉄に乗る際や空港(建物)に入る際にかならず荷物をX線検査機に通します。これは1980年代に起こった火薬の爆発事故が発端だそうです。
日本ではなかなかな起こらなさそうですね。
・ダメと言われたらやめるメンタル
試合会場で空席があるばあい,実際にその席のチケットをもっていないけどその席に座っている人が多数いました。当然,席の持ち主が来れば移動するのですが,また別の席を探して座ります。よりよい席で観戦したいからでしょう。
まずはルールに合わせる日本人にはこのメンタルは理解できないかもしれないですね。何度も移動しなければならない面倒臭さと,いい席で見たいという気持ちのトレードオフですね。
・いいプレーには惜しみない拍手を
アメリカ-トルコを観戦しているときでした。NBA選手見たさに観戦に訪れていたであろう中国の方々が,試合が接戦のまま深まっていくにつれトルコを応援しだしました。しかし,どちらのチームであろうとスーパープレーが出れば会場はどよめき,拍手喝采。しかしアメリカがボールをもつとブーイング。勝つアメリカよりも負けるアメリカを見るほうが貴重だと思ったのでしょう。よくわからない雰囲気でしたが,いいプレーは素直に称賛する気持ちがとても素晴らしいと感じました。
海外遠征のススメ
ここまでながながと書いてきましたが,言いたいことは 海外遠征楽しいから行きましょう! ってことです。好きなチームや選手の応援ができて,さらに異文化とのふれあいが待っている。これほど素晴らしいことはありません。
お金や仕事,家庭の事情などあるとは思いますが,ぜひ考えてみてください。参考までに,今回の遠征で私が費やしたお金について書いておきます。
・航空券(往復)
36450円
・宿泊費(4.5泊)
20300円
・食費
7000円
・通信費
1500円
・移動費
2650円
・試合チケット(5試合)
78000円
・合計
145900円
試合チケットは1試合を除き カテゴリーA ということを考えてもかなり奮発しました。それを除けばかなり抑えられたのではないでしょうか。
FIBAワールドカップを終えたバスケットボール日本代表の次なる戦いは FIBAアジアカップ予選 です。2020年2月に日本で中国・台湾と戦ったあと,東京オリンピック をはさんで11月にアウェイでマレーシア・中国と戦います。2021年2月にアウェイで台湾と戦ったあと,最後は日本でマレーシア戦。そして FIBAアジアカップ本戦(開催地未定) 。2017年はレバノンでの開催だったため行けませんでしたが,2021年は開催地によっては行きたいです。
また,クラブレベルでの海外遠征もあります。宇都宮ブレックス・千葉ジェッツ・アルビレックス新潟BB・琉球ゴールデンキングスが参加する Terrific 12 が9月17日からマカオで開催。アルバルク東京が参加する FIBAアジア チャンピオンズカップ が9月24日からタイのバンコクで開催されます。
参加チームを応援しているかた,日程が近いですが遠征を考えてみてはいかがでしょうか。必ずや選手たちの力になることでしょう。私の応援する川崎ブレイブサンダースも国際試合に参加してほしい。
以上で私の FIBAワールドカップ 上海遠征の記録 は終わりです。この一連の記事で,海外遠征に行きたい・迷っている という人の背中を押すことができていれば嬉しいです。
合わせて読みたい
最後まで読んでいただきありがとうございました。これまで以下の記事を書いていますそちらも読んでいただけると嬉しいです。
1. FIBAワールドカップ 上海に行ってきた ①事前準備
2. FIBAワールドカップ 上海に行ってきた ②上海にて
3. FIBAワールドカップ 上海に行ってきた ③肝心の試合は
4. FIBAワールドカップ 上海に行ってきた ④おまけ
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