センチメンタル熱海 8 熱海秘宝館
とうとう来てしまった「熱海秘宝館」。
正面には微妙なところまでが人間の人魚姫が、
昭和のムード歌謡曲をBGMに微笑んでいる。
その昔、秘宝館は全国の温泉街などにあった。
温泉とエロは何か密接な関係があるのだろうか。
ここのように独立したものではなくても
お土産店の奥の一角が、似たようになっていたのを覚えている。
おそらく秘宝館創設時のターゲットは、
新婚旅行のカップルかはたまた宴会団体の男性客。
ジェンダーの幅狭く、性に対して緩かった時代の
大人のテーマパークといったところだろう。
今やエロ画像もAVも手軽にスマホで見れる時代。
昭和の性の遺産である全国の秘宝館は滅んでいったのに、
ここ熱海秘宝館はサブカルチャーとして生き残っている。
私がここを訪れたのもそこが気になったのだ。
入ってみると意外と賑やかだった。
男子旅、女子旅、中年夫婦・・・・
不思議とカップルは少数。
もちろん家族連れはいない。
そして私のようなお一人様。
流石に並んでほうほうとみるのは抵抗があったので、
ちょっと距離を置いて見てみる。
男性の象徴女性の象徴ズラリと並んで
あらゆるスチュエーションありカラクリあり。
笑いを基本としたおおらかさもあり、
これはこれで楽しいのか…?
昭和のエロってこうだよね〜というのを
短い時間に狭い範囲で体験できるのは
博物館としてなかなか優秀かも。
私自身は作動チェックに来た係員と
見学するタイミングが合ってしまい、
ちょっと気まずかった…
エロいかどうかはやはり昭和の男性目線なので
過去の遺産さが勝っていて、やっぱり笑えない。
映像も中途半端な80年代のテイスト。
チープさがなんとも言えない。
だからいいのだろうか。いやそこがいいのだろう。
それこそサブカルチャー。
でもエロのアップデートが必要なのかも…と、
既に運営側の視点になってしまう。
その時点で私のエロ(制御できない性的ドキドキ)ではない。
性を娯楽にしたり、笑いにする時代も遠い昔に。
ネットではあっても
TVのようにリアルな空間で同じ時刻で
多数で共有するものではなくなった。
乳首が見える銭湯シーンを
お茶の間で見た日は遠い日となった。
しかし温泉地の熱海なら
そんな感覚も不思議と「レトロ」として
まだ息づいているように思える。
温泉地とエロとレトロ。
この親密な感じはどこから来るのだろう。
そうか!
温泉とエロとの共通点は裸になる事だ。
温泉地での開放感は性の開放にもつながるんだ。
昭和レトロのエンタメとして
その伝統が熱海ではまだ生きているんだ。
と、ひとり納得してロープウェイに乗り込んだ。
※後日、ここで見たものと似たようなものを見かけると
ウフフと笑えるようになった。もしかして
頭が柔らかくなる効能があるかもしれない。
そしてこれが大人になるということ?かもしれない・・・・