櫛簪好きさんにおすすめの小説
櫛簪がお好きな方々にぜひ読んでいただきたい本は、芝木好子氏の著作である『光琳の櫛』です!
青梅にある『櫛かんざし美術館』に収蔵品されている品々のかつての持ち主が主人公のモデルとなっている小説。
内容としては、赤坂で料亭を営む久住園(くすみその)という女性が、佳品の櫛たちを収集していき、そして尾形光琳作の世にも美しい櫛と運命的な出会いを果たし、自分のものにすべく奮闘するというもの。
作中に登場する櫛や簪は実際に『櫛かんざし美術館』で見られる作品もあり、この小説を読むと『櫛かんざし美術館』に行きたくなります!
そして何より、櫛や簪たちに対する主人公の執念がすごい!
時には誰かの愛人になりつつ、高価で素晴らしい櫛たちを入手するという、欲しい櫛簪のためならば手段を選ばない、したたかさも持ち合わせているのです。
私は主人公である園の執念にも圧倒されたし、美しい文章でつづられる櫛簪の描写に恍惚としました。
まさに櫛や簪のコレクターの鏡ともいえる園は、妖艶でありながらも櫛たちに憑りつかれているほど収集欲が凄まじいのですよ!
私も櫛簪コレクターの端くれでありますが、園やそしてモデルである岡崎智予女史に、少しでも近づきたくなりました。
人生にこれほどまで影響を与えるほどに、櫛簪には魅力が備わっているのです。
どうか櫛簪の魅力を堪能するためにも、機会がありましたら『光琳の櫛』をお読みくださいませ。
園の気の強さや櫛簪への執着心にきっと、皆様も驚くでしょうし、何より美しい櫛簪たちを文章で楽しむことが出来ますよ!