今日のアウトテイク#132「事業用空き家バンクとはなにか?」ほか【メンバーシップ特典】(2024-03-29)
<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」
※noteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」に参加いただくと有料記事も全文読めます。初月度無料です。
今日は勉強になった出張リポートをメインで。
#今日のBGM
#今日のコトバ
#うちぬきの水が美味い
愛媛県西条市には、「うちぬき」という地下水の自噴井がある。これが、市内のいたるところにあり(一説によると約3,000箇所)、生活用水、農業用水、工業用水に広く利用されているとか。
今回、宿泊したホテルではこの水を出してくれたのだけど、これがたいそう美味かった。
「うちぬき」についてはこちらを。
そういえば、商店街の自動販売機で水を買おうと思ったら一本も売ってなかった。
そこら中から湧いてくるんだから、そりゃそうかもですね。
#まだ20%あるんだけど
先日から、Gmailの動きがときどき遅い。もしかして、これが原因かな。
今、ベーシックプランで容量100GBだけど、スタンダードの200GBプランにせよとのお達しか。年額2,500円が3,800円になるらしい。
その前にストレージを掃除するべきかな。そうですね。
#事業用空き家バンクとはなにか?
昨日、久しぶりに愛媛県西条市に出かけてきた。この町のコワーキング「サカエマチHOLIC」を運営する安形さんが取り組む、「事業用空き家バンク」の成果報告会があったからだ。
西条市では、まちを元気にするプロジェクトを地域住民からの出資(投資)で応援する、成果型の新しい補助金の仕組み「西条市版SIB」(ソーシャル・インパクト・ボンド)を実施している。
今回は、その「西条市版SIB」に採択された「事業用空き家バンク」プロジェクトの成果や課題、今後の展望を報告するということだった。
ここで簡単に安形さんのプロフィールをご紹介しておこう。
彼は愛知県の出身。名古屋大学を卒業して会計事務所に就職後、起業を志して若手起業家支援プログラムである「東海若手起業塾」に参加した。
この頃から、「チャレンジする人、プレイヤーをたくさん育てて町を元気にしたい。そして持続可能性を高めたい」という思いから、若手起業家を支援する独自のプログラムを立ち上げる。
この当時の活動が評価され、2016年、内閣府の地域おこしに関するスペシャリスト「地域活性化伝道師」に任命されている。
その後、2018年に地域おこし協力隊として西条市に赴任、移住。西条市で始動した「ローカルベンチャー誘致・育成事業」で、プロジェクトマネジメントと、10名の協力隊の伴走者として活動した。
「ローカルベンチャー誘致・育成事業」では、プロジェクト終了の3年目に年間売上高が約1,000万円を超える協力隊も現れるなど、西条市への移住者が起業を達成したインパクトのある事例となっている。
で、これが、後述の「事業用空き家バンク」にもつながってくる。
1年後、自らも「一般社団法人リズカーレ(以下リズカーレ)」を立ち上げ、起業・創業支援の拠点としてシャッター街化した商店街の中にコワーキングスペースを開設する。それが「サカエマチHOLIC」の前身である「紺屋町DEIN」だ。ここは、その後、家賃高騰の煽りを受けやむなくクローズとなるが、ちょうどそれと入れ替わるように現在の「サカエマチHOLIC」がスタートした。
ここで、あらためて強調しておきたいのは、コワーキングを運営すること自体を目的として立ち上げたのではないということ。
チャレンジ支援を通じて人と地域を活性化することを目的とし、その起業・移住を支援するための拠点としてコワーキングを運営している。手段が決して目的化していない。
そしてここで、安形さんはコミュニティのチカラに目覚めることになる。そして人のつながりでコトを起こし前に進めるコワーキングという仕組みの中で、市民活動もサポートするために、コミュニティ財団を設立するに至る。←もう、このへんで「え」という感じだが、マジでガチだった。
そのことはここにも書いたが、
401人の市民から428万円余りの寄付を集めて、四国初となるコミュニティ財団「えひめ西条つながり基金」を2022年4月に設立、西条市の社会課題の解決に対する助成、活動に必要な資金やノウハウ等の支援を行うこととなる。
折しも、西条市も「ローカルファンド研究会」を発足し、誰か取り組む人はいないかと考えていたという。安形さんは「タイミングがよかった」と思ってるようだが、いやいやいや、それまでの地域に貢献する数々の活動があればこそ、その適任と判断されたに違いない。
そしてこれがなんと、その後、公益財団法人として認可されたというから、スゴイ。
で、ここに、いわゆる「休眠預金」が活用される。「休眠預金」とは取引しないまま10年間放置された銀行口座のことで、その預金は預金保険機構に移管され、社会課題の解決のために活用される。
「休眠預金」については、ここに詳しい。
その活用の流れについては、非っ常〜に複雑なプロセスを経るので、ここでは割愛するが、ローカルコワーキングの活動資金の調達方法として知見を共有しておきたいので、いずれ別稿で紹介する。
なお、「えひめ西条つながり基金」では、地域の困りごとを解決し、まちの未来をより良くしていくためには専門人材を育成し、雇用しながら継続的な活動を行うためのマンスリーサポーターを募集している。
で、ようやく話は今回の「事業用空き家バンク」だ。これがまた素晴らしい取り組みなのだ。
**********
ここから先は、有料コンテンツになります。
この記事単品を300円で購入、あるいは、初月度無料のnoteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」に参加してお読みください。
メンバーシップに参加いただくと、すべての有料記事を、過去の記事も含めて全文読めます。
「今日のアウトテイク」には、月に15〜20本ぐらい、1本300円の有料記事がありますが、それが月1,000円のコースで全記事読めるのでかなりお得です。
2,000円のコースは月に一回開催している、オンラインのトークイベントにも参加いただけます。
メンバーシップは<初月度無料>なので、参加いただいだ最初の月は無料です。月末までに解約すれば費用はかかりませんので、お気軽に試してみてください。
**********
起業支援するうちに、自分の事業目的にマッチする不動産物件があれば、西条市に移住して起業する、という人が続々と現れた。2022年度の起業相談が30名、そのうち13名が物件次第ですぐにでも起業したい、しかも、8名は「移住+起業」を希望しているというから自治体としては放っておけない。
一方、ご多分に漏れず愛媛県でも空き家の問題が深刻化している。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、愛媛県は空き家率が17.6%で全国5位。特に西条市は、二次利用を除いた空き家件数が約9,600戸に上り、空き家率も平成25年「13.1%」から平成30年「17.9%」へと増加し、県内で最も上昇率が高い。
この西条市の「空き家対策」と「起業家の創出」を目的に、リズカーレが取り組む空き家と起業家のマッチングサービスが「事業用空き家バンク」だ。
これまで「空き家バンク」といえば、専ら「居住用」に限定されていた。これを、事業用空き家・空き店舗に関する環境を整備して起業家支援するというのが新しい。
上記ウェブサイトには、物件一覧と併せて、起業家のほうも一覧にしている。
「事業用空き家バンク」では登録、利用、マッチングまですべて無料で利用できる上、事業計画作成や資金調達に関しても無料で相談できる。まさに至れり尽くせりだ。これまでに、物件見学ツアーも催行して、契約1件の実績がある。
12月の空き家バンクツアーでは、民泊やゲストハウス向けの4物件を7名が見学した。そのうち1件が契約予定とのこと。まだまだ数字は小さいが、着実に成果を生んでいる。
現在、リズカーレでは、空き家物件オーナーと事業者に加えて、物件のリノベーションに参加する「DIYボランティア」も募集している。みんなでワイワイ、寄って集ってリノベするうちに仲間意識も芽生え、コミュニティへの帰属意識も固くなる。これ、まさにコワーキング。
起業したい人を、こうして側面からサポートすることもコワーキングでならできるはず。というか、ローカルコワーキングのこういうサポートがあるから、西条市のように、その地方が選ばれる。となると、官民協働プロジェクトとして、どこの町でもローカルコワーキングをベースに「事業用空き家バンク」を機能させるのがいいと思うのだがどうだろう。
ただ、課題がないわけではない。マッチングによるいわゆる仲介手数料は収受していないので、それに代わる収益モデルが必要だ。
ちょっと考えたのは、この仕組みを活かして、ゲストハウスを開き、コワーキングと連携させて、いわゆるリモートワーカーやデジタルノマドの受け皿を作る、というアイデア。こうするとコワーキングの収益モデルにもなる。
その他、「コワーキングと組み合わせたらオモシロイ」というアイデアは、いろいろ出てくると思う。実は安形さんにもひとつあって、「あー、それいい」と思ったが、まだ内緒にしておこう。
ところで、安形さんのこれまでの起業・創業支援を軸にしたまちづくりを元に、コワーキング開業運営講座をフィールドワーク付きで開講する予定だ。
これはシリーズで行う講座で、まちづくりの文脈でコワーキングを運営している実践者に講師をお願いし、実例に現地で直接触れて学ぶカリキュラムで、各地で開催していく。
4月は神奈川県茅ヶ崎市の「チガラボ」さんで行う。
5月は長野県佐久市。これは近々、告知する。
愛媛県西条市は、時期は少し先、夏以降になりそうだが、そのシーズンにした理由もちゃんとある。これも追って告知します。
最後にもう一つ、世の中には知らない、知られていない、いろんな制度があって、コミュニティ財団に絡んでコワーキング協同組合が取り組んだらイケるかも、という話も聞かせてもらった。これ、ちょっとマジで考える。
ということで、今日はこのへんで。
ここから先は
最後までお読みいただき有難うございます! この記事がお役に立ちましたらウレシイです。 いただいたサポートは今後の活動に活用させていただきます。