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カフーツの「やりたいこと宣言&みんなで応援する会」でプレゼンした「出版」のことをここでもざっくり伝えておきます
去る5月15日、カフーツは13周年を迎えました。ということは、日本のコワーキングが13歳になったということ。もう3週間も経ってしまいましたが、あらためて、日本のコワーキング関係者の皆さん、おめでとうございます!
例によってワラワラとお集まりいただき、入れ代わり立ち代わり、ワイワイがやがやと賑やかにやったのですが、いつもの人、お久しぶりの人、そしてそこに新しい人が混じって、まあ13年もやってると適宜、新陳代謝は起こるし、それで健全だと思っていて、これぞコワーキングのコミュニティという時間をすごすことができました。誠に感謝に堪えません。
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ところでこの日、演し物としてひとつだけ、以前からやりたいやりたいと言ってた「やりたいこと宣言&みんなで応援する会」をようやくやりました。そのことを簡単に記しておきたいと思います。
「やりたいこと宣言&みんなで応援する会」とは
「やりたいこと宣言&みんなで応援する会」は、茅ヶ崎のコワーキング「チガラボ」さんが、もう70回以上開催されているイベントで、チガラボさんでは「チガラボチャレンジ」と言っています。(全国の各地のコワーキングで、名前は違えど同様のイベントはあります)
ルールは至ってシンプルで、こうです。
チガラボチャレンジは毎月1〜2名の方にやりたいことを発表いただき、アイデアや情報、どうしたら実現できるか、自分ならどんな協力ができそうか、といった前に進めるためのディスカッションを行っています。
つまり、やりたいコトを持っている人がプレゼンし、ではどうしたら実現できるかを、参加者全員で行うディスカッションの中からヒントやアイデアや情報をいただき、次のステップへと進む、というイベントです。
ぼくはコワーキングを(何度も言うように)「作業場」とは思ってませんし、さりとて「仕事」だけをする環境ではないと思っていて、いつも出してくるこの「コワーキング曼荼羅」にあるさまざまなテーマを持つ人たちの活動の場であると考えています。
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ただし、何事もひとりでコトを起こし進めるのはそう簡単ではありません。そこは、仲間を見つけてチーム、もしくはコラボでやるほうが実現性が高いはずです。そして、その仲間を見つけるのにコワーキングが最適です。
「何かやりたい」と思う人がコワーキングでその話をして、共感する人を見つけ、アドバイスをもらったり、協働(共創)関係を結んだりして、実現へと進めていくというのは、そもそもコワーキングが(単なる作業場ではなくて)「人と人をつなぐ仕組み」であることを考えれば、非常に理に適っています。
以下は、そのチガラボチャレンジの最新回(たぶん)のリポート記事です。これを読んでいただくとよく判ると思います。
要するに、「個人の果たしたい目的」、または、「地域社会の抱える課題」をコワーキングという共同体で共有し、それぞれ達成または解決に導くためにお互いに手を貸す、そういう活動です。(で、これこそがローカルにコワーキングがあるべき理由です)
カフーツは「本とコワーキングの合体」を目指す
その「やりたいこと宣言&みんなで応援する会」を今回カフーツでやりました。もちろんこれまでも、非公式(非公開)でテーマを共有する人と人をつないではきましたが、オフラインでのイベントとしてするのははじめてです。
なお、チガラボさんでは「チガラボチャレンジ」と銘打っておられますが、カフーツではそれを「カクサク」としました。はい、「画策」です。
トップバッターは(はじめてということで)不肖、ワタクシ伊藤が勤めました。題して「本とコワーキングの合体」。ナンノコッチャと思うでしょうが、これからはカフーツというコワーキングに「本」という軸を設けたいと思っています。
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実は、本とコワーキング、または、本とカフーツについては、過去にも書いています。
この時は
ひとつは「本とコワーキングをミックス」。もとより本は好きだし、モノを書くことがぼくの稼業のひとつなので、まったく文脈のないことでもないのだけれども、ただ、今考えているのは、本屋さん、書店とコワーキングの両立ということ。
コワーキングと本は相性がいい。仕事に直結する本はもちろんのこと、さまざまなテーマの本があることで、コワーカー間のコミュニケーションの一助になることは多々あるし、逆にそこにある本でどんなコミュニティを目指しているかが判ったりする。
なら、いっそ本屋さんをやったら楽しそうだな、と。いささか短絡だが。
ということで、本を販売するコワーキングをイメージしていました。ですが、その1年前には、出版のことを書いています。
こうしてアイデアが浮かんでは消えしているうちに、イメージはどんどん膨らみ(はい、いつものことです)、いっそのこと以下を、順次、ミックスしていこうかと思っています。
・出版(マガジン、単行本の企画制作と発行)
・編集(受託業務)
・書店(新刊+古書)
・図書館(地域住民の持ち寄りによるコミュニティ図書館)
・ZINE工房(ZINEを制作する人をサポートする施設)
なお、ここでいう「本」とは、専ら「紙の本」を指します。場合によってはデジタル本もあるかもしれませんが、当面、「紙」で行きたいと思っています。
インターネットのおかげで、我々の表現の方法は飛躍的に進化しました。こうしてブログに書いて配信できるのもネットのおかげです。
ただ、デジタルという言葉の通り「断片」であるが故でしょうか、ただ情報が通過するだけで、身体化される気があまりしない。個人的にはそう感じています。やっぱり、まず手に持つブツとして本が存在するということ、その物理的な存在感が、人間の脳に記憶として作用するということは無視できないと思っています。
不思議なもので買ったまま読まないで積んだままになっている、いわゆる「積ん読」ですが、何か調べ物をしていて、「あー、確か、そういうテーマの本、買ったなぁ」と思って、そこと思しき棚を探ると果たしてそこに読まないまま仕舞い込んだ本がある、という経験をしたことはないでしょうか?
一方、後で読もうと思ってウェブページをブックマークしておいても、保存したことすら忘れていることがありますよね。データか紙かの差かと思いますが、ブツである紙の本にはそういう存在感が確かにあると思うのです。
まずはリモートワークをテーマにしたマガジンを発行したい
で、上記の5つのカツドウについて、全部書いてると日が暮れるのでいずれ順にブログに書いていきますが、今日は「出版」について書いておきます。
「出版」に関しては、上記の記事でも書いているように「ひとり出版社」という立ち位置で、本づくりに協力してくれるワーカーとチームを組んで制作していくスタイルを取ります。
ちなみに、もう9年も前ですが、『コワーキングマガジン』というマガジンを出版した経験があります。この時もチームで作りました。(ただいまは絶版です)
当時は、まだ日本のコワーキングの黎明期で、そもそもコワーキングとは何なのか、というところからはじまり、全国各地のコワーキングの「今」を伝え、それを参考にしていただいて各地に新しいコワーキングが生まれることを期待して発刊しました。
今回、「出版」事業として、まずは、コワーキングを中核に置きつつも、もっと視野を広げて、いまどきのワークスタイルとしての「リモートワーク」を軸に、前述の「コワーキング曼荼羅」の8つのテーマを深掘りしつつ、これからの働き方=生き方を共に考え行動することをテーマにしたマガジンを発刊したい、と「カクサク」でプレゼンさせていただきました。
そこで参加者の皆さんからいろいろアイデア、ご意見、ヒントをいただき、そこからまた自分なりに方針としてまとめてみました。
出版業界には、再販制度や取次や、まさに業界ならではの仕組みがあれこれあるのですが、ひとり出版社として少資本で一番手っ取り早く、かつ、自分でコントロールできる方法として「直販」を選択します。
その上で、いささか通常の出版事業とは違う手法ですが、ざっくり、こういう方法でやってみたいと思います。
1)印刷して在庫するのではなく、先に注文をいただいてから制作する。
2)注文数が制作原価をクリアできた時点で制作スタートする。
3)注文いただく際に「何が知りたいか」をアンケートする。
4)特集テーマは「コワーキング曼荼羅」の8つのテーマをベースとする。
5)その特集テーマも含めて編集会議を公開イベントとして開催する。
6)原則として特集記事は伊藤が書く。
7)取材記事、コラム記事等は各地のライターと連携して制作する。
1)と2)については、やっぱりコストをどう賄うかが大きな課題であり、クラファンで予約注文をいただくことを考えたのですが、もとより、コワーキングを核に置くこの企画に関心を寄せてくれる人はまだまだ限られています。
というより、クラファンというプラットフォームで見ず知らずの人にお願いするのではなく、自分の人間関係のつながりの中で実現することのほうが、コワーキングの5大価値を実践する意味でも有効であると考えました。
コワーキングの5大価値とは、
・Accessibility(つながり)
・Openness (シェア)
・Collaboration (コラボ)
・Community (コミュニティ)
・Sustainability (継続性)
です。詳しくはこちらを。
簡単に言えば、資金調達の段階から読者に直接コミットしていただく、つまり「売り手」と「買い手」ではなく共同で制作するということですが、それもまたコワーキングのひとつのあり方です。
ページ数から原価計算して、販売価格を設定し、制作可能になる冊数を算出します。原価計算には記事制作費以外にデザイン、校正、印刷、送料などの費用が加算されます。
例えば80ページで原価に120万円かかるとして、販売価格を1800円と仮にした場合、667冊の予約注文が入れば原価をクリアでき制作開始できます。さて、この数字が達成できるかどうか、シビアですが挑戦のし甲斐はあります。
4)のテーマは前述の「コワーキング曼荼羅」を一応の指針としますが、3)で読者が読みたいもの、知りたいことは何かをアンケートした上で決めます。ここも、共同制作の考え方に沿っています。
というか、コワーキングの日常においても、利用者のニーズを訊いてそれに応える、というのはごく普通の行動様式です。マーケットインというと判りやすいかもしれません。
で、ここが結構冒険かなと思うのですが、5)の編集会議を公開イベントにして、ではどのテーマをどういう風にまとめ、どう編集し、どう構成、表現していくかを、読者を交えて協議して決めます。いまのところ、この公開編集会議への参加権は予約注文した方に付与する予定です。
編集長は伊藤が務めますが、6)原則として特集記事はぼくが書きます。また、7)セクションごとにライターさんに依頼した原稿もまた、ぼくが編集します。
雑誌ではなく継続的にテーマを追うマガジン『移働人 - idojin -』
ひとまず、年4回の発刊を目指します。一見、「雑誌」の形態を取っていますが、何でもかんでもてんこ盛りにするのではなく、コワーキングを軸に置きつつ、伊藤という個人が考えるコワーキングの、あるいはコワーカーの未来を指し示す媒体として、コワーキング領域にいる方々にお届けするつもりです。
そういう意味では単行本とするのが常道かもしれません。しかし、ひとつのテーマを視点を変えて継続的に取り上げて伝えていくことを目的とするならばシリーズであるのが望ましい、そう考えました。なので、マガジンと呼ぶことにしています。
誌名は、仮ですが、『移働人 - idojin -』とします。移働人=リモートワーカーです。もちろん、ハイブリッドワーカーもデジタルノマドも含めての移働人です。また、ここにフリーランサーか企業人かの区別はありません。居場所を変えて仕事して生きていく、そういう行動をする人すべてが移働人という解釈です。
なお、ブックデザインについてはやっぱり素人では無理なので、もう少し情報収集する必要があります。ここの目処がついたら、原価計算して制作可能ラインを設定し、告知して予約注文をいただくサイトを公開し、予算確保でき次第、制作に入り、できれば、9〜10月に第1号をお届けしたいと思っています。そう簡単に行くかどうかは、予約注文数次第ですが。
ということで、「出版」事業のひとつめ、『移働人 - idojin -』の発行を目指して行動を起こします。このあとも、進捗は順次、お伝えしてまいります。
興味ある方は、ぜひ、メッセージください。
よろしくお願いします!
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