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アジア太平洋地域の中小企業は最大100%フレックススペースにするかも:今日のアウトテイク#319(2024-10-02)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・1ヶ月ごとにKindleでコラム集にまとめていってます


#今日のBGM

#今日のコトバ

"どんな仕事であれ、それが誰かの状況を少しでも良くするのであれば、人生を費やす価値はある。あるいはコロナ禍で隣人への配慮をほんの少し取り戻すことができたとしたら、たとえ社会を根本的に変革できなかったとしても、充分に価値のある学びだったといえるはずだ。"
(オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』)

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#ただの挿絵師ではなかった仕事ぶり

訃報が続くなぁ。

ぼくがこの方の仕事で強く記憶に残っているのは、その週刊朝日の「ブラック・アングル」ではなく、筒井康隆氏の『狂気の沙汰も金次第』だった。

このタイトルも表紙もアレで、たまにお下劣な話も(いかにも昭和で)出てくるが、これがめっぽう面白い。面白い上に、モノを書く者には勉強にもなる。

ここでは、筒井氏お得意のSFもドタバタもない。ごくごく日常の一コマをヒョイっと切り取って、気の利いた言い回しで料理して、ほんのひと時楽しませてくれるエッセイ風の読み物に仕上がっている。流石、と言うしかない。

これを筒井氏は夕刊紙に昭和48年2月から約4ヶ月連載したらしい。今から51年前だ。その数、118篇。氏は神戸にお住まいなので、神戸の話もたまに出てくる。で、それに挿絵を描いていたのが山藤氏だったのだが、日によっては本編より絵のほうが面白かったりする。

ただ、本編を補足するのではなくて、そこからまた話を展開して、あたかも山藤氏が続きを書いてるような、で、別のオチがあるような、そんな構成になっている。

これは編集の妙なのか、あるいは、山藤氏自らのアイデアだったのか判らないが、成功しているのは確かだ。

この記事によると、締切の前の晩にきっちり仕上げて入稿していたそうだが、夕刊紙の場合、それが毎日だったわけで、相当なプレッシャーだったと思う。だが、この軽妙かつ精妙なタッチは、もう見事としか言いようがない。

それは、筒井氏にも言える。毎日、決まった文字数(紙数)できちっと話を収める技量は、やっぱりタダモノではない。ネットでしか書いていないと、こういうことが身につきにくい。要するに鍛錬されない。

自分の仕事領域で、どう力を発揮するか、表現するか、それがちゃんと判っている人の仕事はイサギいい。

ちなみに、この「今日のアウトテイク」も、今日で319日目だ。よくもまあ続いてると自分でもオドロクが、もちろん彼らの仕事ぶりとは比べるべくもない。

べくもない、と思っているが、続けることも大事、と言い聞かせて、書いていくつもり。

山藤氏のご冥福を祈ります。

#アジア太平洋地域の中小企業は最大100%フレックススペースにするかも

またまたフレックススペースネタで恐縮だが、アジア太平洋地域でハイブリッドな職場環境のニーズが益々高まっていることをCBREがリポートした。これがまた長い。

と思ってたら、こっちに要約されていたのでざくっと共有しておきます。

・調査対象となった企業の不動産エグゼクティブの半数近く(49%)が、今後3年間でフレキシブルなオフィススペースの利用を拡大する予定であると回答。

・調査によると、フレキシブルスペースは現在、ほとんどの企業の不動産ポートフォリオの10%強を占めているが、この割合は3年以内に39%まで増加すると予測されている。

この勢いだと、50%になるのは時間の問題かもしれない。

フレックススペースは一般に短期的な利用に向いてるため、急速にリモート(ハイブリッド)ワーカーの支持を集めているのは周知の事実。それに抵抗しているのが、先日から書いてる「RTO(オフィスにもどれ)」運動をしている企業だ。

で、この指摘に注目。

中小企業は、一等地の利用可能性、共有アメニティへのアクセス、従業員数の変動管理のしやすさなどの理由から、オフィスの最大100%をフレックススペースに割り当てる可能性がある。

そうそう、中小企業こそフレックススペース、もしくはコワーキングスペースを活用すべき。

会社というものはどこかのビルにオフィスを構えるのが当たり前という古い発想は捨てて、リモートワーク時代にふさわしい柔軟な労働環境を整えることで社員のエンゲージメントも高まり、業績にもプラスに働く、ということに早く気づいたほうが生き残る。

そもそも会社って成果を生むための装置でしかないのだから、よっぽど余裕があるのならいざ知らず、そうでもなければ無駄な経費はカットするのが経営者として当たり前だと思うのだが、案外、中小企業の経営者はオフィスにこだわるようにお見受けする。まあ、それも世代交代が進めば変わるのだろうけれども。

ただ、こういう報告もある。

調査対象となった入居者の60%以上が、ハイブリッドワークのせいでオフィスへの出勤率が定常状態に達していると回答しており、これは2023年の50%から増加している。

ここの「定常状態」、原文で「steady」というのは、これまで通りという意味だと思うが、「RTO」作戦が功を奏したのか、約32%の企業が今後数年間でオフィスの利用が増加すると予想している、とのこと。もちろん、業界、業種によってリモートワークも限界があるのは確かだから、あり得ますよね。

で、面白いと思ったのはここ。

企業はまた、オフィススペースの効率を高めるために、ホットデスクやActivity-based Workingのような、割り当てのない座席配置に傾きつつある。CBREによると、2026年までに、調査対象となった入居企業の半数近くが、スタッフ対デスクのシェア比率を1.01~2.0にする予定。これは、56%の企業が1:1以下の比率を維持していた2023年からの大きな変化だ。

つまり、コワーキングで言うところの「ホットデスク」だ。オープンスペースで、空いてるところを使う。

そういえば、昔、ホンダがフリーデスクとか言って、社員は特定のデスクはなく、ロッカーから毎日仕事道具を出してきて空いてる席に座って仕事する方式を採用して話題になっていた。と思い出して検索したら、いまでもそうらしい。

というか、このページを見たら、ミーティングルームもあるし、プレゼンもできるし、集中ブースまであって、まるっきりコワーキングじゃないですか。

なお、回答者の半数以上(65%)が、提示された賃料の低さをリース更新の主な要因として挙げている一方で、高い造作費がオフィス移転の課題となっているとある。悩ましいところだが、だったらフレックススペースかコワーキングにすればどっちも解決するはずなのだが。

決断の時が迫っている。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:engin akyurt


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